マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2021年7月より>
6月のマーケット動向
6月のマーケットの動きですが、前月からの流れを引き継ぎ世界的な景気回復期待から世界株式市場は総じて上昇して始まりました。引き続き物価上昇の上振れが存在的なリスクとして意識される中、米国で発表されたCPIが前年同月比5%上昇と約13年ぶりの上昇となりましたが、インフレ率のピークと受け止められたことなどから米長期金利上昇は一服し、グロース株を下支えする要因になりました。このように月を通して米金利の行方に右往左往させられる相場になりました。
下記主要株式指数推移を参照していただくとお分かりいただけますように、世界株式市場は総じて上昇して月末を迎えましたが、21日と22日の日本株の乱高下の様に月中の株価の推移をみると、ボラティリティの大きな局面もありました。これは米FRB高官が22年中にも利上げを開始する可能性に言及したことがきっかけになっていますが、こういった外部要因にめっぽう弱い世界の景気敏感株としての日本株の悪い癖が出たと考えております。
【米ドル円、ユーロ円推移】2021年5月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2021年5月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
ありがとうファンドの運用状況
ありがとうファンドの月間騰落率は2.5%の上昇となりました。世界株は2.4%の上昇でしたので、相対的にややアウトパフォームする1ヶ月になりました。参考までに日本株は1.2%の上昇となりました。
月中の売買状況については、売買を見送りました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(2021年5月末)】
【ポートフォリオ(2021年6月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
今後の見通しについて
今後の見通しについては、各種地政学リスク・新型コロナウイルスなど一過性のイベントなどで、短期的には景況感が下振れることがあっても、長期的にはファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の回復・成長のトレンドには変わりはないと考えております。
下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元では、すべての国・地域で企業利益の成長が鈍化しているように見受けられます。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これから中長期の人口動態や、GDP成長率を見る限りエマージング株式市場が最も投資妙味のある地域と考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2021年6月末までの推移
今後の運用方針について
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いております。さらにその度合いは直近のコロナショックによる財政出動も併せて政策総動員でさらに強まっています。新型コロナウイルス感染拡大による世界経済への影響は引き続き深刻な状況ですが、株価はこういった政策総動員の支えもあり、景気の最悪期の向こうを織り込み回復を続けています。
今後株価が短期的にどう動くかは誰にもわかりませんが、ありがとうファンドは、高値で売って、底値で買うといったタイミングを見て売買を繰り返すファンドではありません。あくまでも長期的な人口動態の変化に対応できる企業や、革新的な商品・サービスを提供できる企業など、今後の世界経済をリードしうるビジネスモデルを有した国内外の企業に厳選投資することにより、長期的な世界経済の成長を基準価額の上昇という形で享受することを目標としております。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。
その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。
下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2019年7月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
投資先ファンドの状況について
月間騰落率については、米国の長期金利上昇に一服感が出てきたことなどから、グロース銘柄に集中投資をしているABアメリカン・グロース、アリアンツ・グローバル・グロース、アリアンツの欧州成長株2ファンドを中心に、ありがとうファンドの基準価額上昇に貢献してくれました。
一方、金ETFのSPDRゴールド・ミニシェアーズ、iシェアーズ・ゴールド・トラストについては、前月大きく上昇した分、今月は反落する形になりました。
ファンドの詳細は下記の『ありがとうブログ』をご参照ください→
厳選銘柄例:フランス企業
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
投資先ファンドの運用パフォーマンス
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→ TOPIX 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→ FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→ FactSet Market Indices United States 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→ FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→ FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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