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10万円給付はフリーランチ?|ありがとうブログ|国際分散投資ならありがとう投信

10万円給付はフリーランチ?

2020年06月30日(火)

10万円給付はフリーランチ?

さて、アベノマスクはおおむね配布完了とのことですので、受益者の皆様も受け取られたことと思いますが、次は10万円の特別定額給付金の振り込みを首をなが~くして待っているような状況でしょうか。アベノマスクや10万円の特別定額給付金などは当然タダで空から降ってくるものではなく、誰かがそのツケを払う必要があります。今月のありがとうトピックスでは、こういった新型コロナウイルス対策の財源から話を広げてみたいと思います。

 

新型コロナウイルス感染症に関する政府の各種対応策、予算、財源の詳細については、財務省が開示している『新型コロナウイルス感染症に係る対応について』という資料が良くまとまっていて読みやすいので、ご参照ください。同資料には随分前に書いたブログ(本当に日本の物価上昇率は小さすぎて見えない!!)の歳入・税収状況の図の最新バージョンが掲載されていたので、私も下図でアップデートしてみました。以前解説したように、我が国の財政状況は歳出が税収を上回る慢性的な財政赤字に陥っており、足りない差分は公債発行によって補っております。下図の歳出と税収の差はよく『ワニの口』と呼ばれていますが、今回の新型コロナウイルス感染症に対する歳出増により、その差は100兆円程度まで拡大し、とてもじゃないですがもう『ワニの口』なんて表現できない形になりました。ワニだっていい加減にしろとブチ切れていると思います。

 

開いた口がふさがらない・・・

【歳出>税収⇒慢性的な財政赤字(借金で補てん)】

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出所:財務省『新型コロナウイルス感染症に係る対応について』より、ありがとう投信作成

 

 

 

アベノマスクと10万円の特別定額給付金は1次補正に含まれています。

【160.3兆円の内訳】

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借金をして対応、将来世代が何かしらの形でツケを払う。

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出所:財務省『新型コロナウイルス感染症に係る対応について』より、抜粋

 

 

こんな状況で誰がお金貸してくれるって?

そりゃ、日銀大先生でしょ!

【日銀の日本国債保有割合の推移】

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出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成

 

 

 

日銀の金融緩和政策については、今まで何度か話してきたので、詳しくは過去のブログ躊躇なき戦い(ちゅうちょなきたたかい)をご参照ください。こういった状況は、日本だけでなく(モラルハザードでバイオハザード)、程度の違いはあるにせよ下図でもみられるように世界的に常態化しております。近年、特に米国では金融政策の正常化を目指していましたが、新型コロナウイルス対応の為、各中央銀行は再びバランスシートを拡大しており、下図の右はじでぴょこんと伸びている点からも金融緩和・財政出動トレンドへ逆戻りしています。

 

【日米欧の中央銀行の総資産(GDP比)】

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出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成

 

 

そもそもこういった対策は、コロナ禍による経済へのダメージを軽減させるためにとられていますが、世の中には給付金などの支援により、コロナ前より所得が増えた方も一定数いるようで、過剰な流動性の供給(カネ余り)はバブル形成の引き金になりかねません。例えば米国では、下図でみられるように、厳格なロックダウンなどにより個人消費が大きく落ち込む一方、可処分所得の水準は大きく上昇しています。

 

【実質個人消費と実質可処分所得(米国)】

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出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成

 

 

米国では失業率も15%近くまで悪化しており、多くの方が職を失ったにもかかわらず、全体の可処分所得がここまで増えた背景には、1人当たり1,200ドル(子供は500ドル)の現金給付や、週600ドルの失業給付の拡大措置などがあると考えられています。休職中に毎週600ドル(65,000円くらい)も貰えるなんて、開いた口がふさがりませんね~。こういった給付金の一部は投機的なマネーとして金融市場に流れ込んでいるようで、足元の株価急回復の一因になっていると考えられています。

 

【個人所得の前月比較(米国)】

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出所:米国商務省より、ありがとう投信作成。失業保険給付等は失業保険、失業保険の上乗せ(経済対策)などを含む。

 

 

現在の株価は足元経済の散々な状況を無視して1年以上後の景気回復を見越してか、V字回復を達成しつつあります。しかしそれは、政府や中央銀行の対応があって成り立つ株価のV字回復であり、こういった対策の持続性を考慮するのであれば、すこし慎重になったほうがいいかもしれません。

 

【米国株とFRB資産規模の推移】

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出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成

 

 

いずれにせよ、我々の考え方は以前から変わっておらず(新型コロナウイルスは長期戦を参照)、新型コロナウイルスについては治療薬やワクチン利用が本格化するまでには時間がかかることが想定されることから景況感の回復には時間を要すると考えています。株価は経済の先行指標と言われるようにコロナ後の回復を織り込むこと自体は当然のことだと思いますが、今回のケースは少し急すぎる気がします。ほぼV字回復した株価が今後どうなるかは誰にもわかりませんが、短期の上げ下げで一喜一憂せず、ドル・コスト平均法を前提にこつこつ積み立てて長期投資を継続することが、各々が目指す資産形成ゴールへの一番の近道だと思います。

 

最後になりますが、当ファンドでは、人口動態や社会のデジタル化などコロナ以前から変わらぬメガトレンドにより恩恵を受ける企業へ厳選投資する投資方針を継続しておりますので、受益者の皆様方におかれましてもその点を踏まえて、長期を見据えた投資行動を心がけていただけますと幸いです。せっかく頂く10万円給付金なので感謝して使いましょう。

 

 

過去の厳選銘柄紹介一例:

使い捨て内視鏡のパイオニア:Ambu(デンマーク)

 

業務スーパーでお世話になっております:神戸物産(日本)

 

倉庫型店舗で爆買いしようぜ!:BJ's Wholesale Club(米国)

 

アリアンツ欧州成長株チームupdate:ネメチェック(ドイツ)

 

テクノロジーサービスセクター:テンセント(中国)など多数

 

テクノロジーサービスセクター:インフォシス(インド)など多数

 

 

39!

ありがとう投信株式会社

ファンドマネージャー 真木喬敏

         

 

◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。

◆株価指数について:記載されている各国・地域市場の指数は特別注記が無い場合は以下の指数を使用しています。

【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)

【世界株】→FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)

【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)

【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)

【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)

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