アバディーン北米小型株ファンドの投資企業例
2018年08月10日(金)
さて全国で猛暑日が続く中、皆様はいかがお過ごしでしょうか?暑さで食欲が・・・という方はこちらをご参照ください→ありがとう39クッキング 【夏野菜でさっぱり!山形郷土料理のだし!】。今月のありがとうトピックスでは先月に引き続きアバディーン北米小型株ファンドについて、実際に組み入れている銘柄を数社見てみましょう。
まず図1にて、小型株の規模感を確認してみたいと思います。ずいぶん前にコムジェスト日本株式ファンドで保有している銘柄として説明したカテーテル治療の際に使われるガイドワイヤーなどを製造している朝日インテックは中小型の銘柄という認識で、図1では日本企業の比較対象として入れてみました。ファンドや、地域ごとに小型株の大きさの定義は様々ありますが、アバディーン北米小型株ファンドについては、時価総額の上限50億ドル(1ドル100円換算で、5,000億円)くらいまでを小型株としてリサーチしているとのことでした。50億ドルから大きく超えると、同戦略の定義では小型株ではなくなってしまうので、売却し、他の有望な小型銘柄にスイッチングします。
図1:6月から開催していた同ファンド紹介セミナーでは図中5銘柄の解説を通して戦略の考え方を説明しました。
出所:ASI、ファクトセット、2018年4月末時点
今回はこの5銘柄の中でも比較的大きな2社について簡単に説明させていただきます。まずは、一番大きなFair Isaac Corporation(FICO:ファイコ)から始めましょう。アメリカ人ならまず間違いなくこの会社のサービスを使っていると思います。この会社では銀行などがお金を貸す際に判断の根拠とするクレジットスコア(信用スコア)の計算システムを開発しています。以前ブログやセミナーで紹介したアリババの人間格付けスコアの前身みたいなものです。元々エンジニアだったFairさんと、数学者だったIsaacさんの二人が1950年代に始めた会社で、今から60年以上も前にコンピューターとデータ社会の成長性に気づいて、数多くのパテント(特許)を取得し参入障壁の高いビジネスモデルを築きあげたのでしょう。私が米国の大学と大学院に留学していた時、寮のルームメイトがよく自分のファイコスコアを気にしていました。スコアを良くしておかないと、車をローンで買う時や、将来マイホームを買う際に不利な条件でお金を借りることになってしまうためです。あまりにスコアがひどいとローンが組めないというケースもあるそうです。また、最近では与信だけではなく、就職や引っ越しの際の入居審査などにも使われているようです。返済履歴などの個人データを基に計算され、280点から850点で評価されます。参考までに750点以上はプライム層で信用の高い層になります。一方、660点以下はサブプライム層と呼ばれ、いわゆるリーマン・ショックの原因になったサブプライムローンを借りた信用の低い層になります。
図2:高く安定した利益率
出所:ASI、
図3:会社訪問により投資の確度を検証している。
出所:ASI、
さて、もう一社Ritchie Bros. Auctioneers(リッチーブラザーズオークショニアーズ)について、どんな会社か解説させて下さい。まず、なんか怪しい社名ですよね。以前セミナーで話した中国の段ボール製造メーカーのリー&マン・ペーパーと同じくらい怪しい社名ですね(注:中国最大手の製紙・包装材メーカです)。リーマンとかブラザーとかつくとあまり近づきたくなくなりますね・・・。と冗談はこれくらいにして。カナダのオークションを開催する会社です。同戦略では北米小型株に投資しますので、米国の小型株に限らずカナダの銘柄もいくつか保有しています。オークションと言っても、どこに飾ればいいのかよくわからないようアンティーク系ではなく、工事現場などで大活躍の重機を取り扱うオークションです。こんなオークション会社そうそうないと思います。非常にニッチな分野ですが、世界各地でオークションを継続的に開催していて、もちろん日本(成田)でも開催しています。足元、建設・インフラ整備の需要は根強く、新興国は言うまでもないですが、特に最近では先進国のインフラ設備老朽化もあり、同社の活躍の場が広がっています。また、オークションはあくまでも仲介業ですので、在庫を持たず、利益率も高い効率の良い経営ができているようです。
図4:Toll Taker Model(高速道路で料金貰うような効率の良いモデル)
出所:ASI、
図5:リッチーブラザーズオークショニアーズの株価推移
出所:ファクトセットよりありがとう投信作成、2011年年初から2018年5月末までの推移
39!
ありがとう投信株式会社
ファンドマネージャー 真木喬敏
◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
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