【ヨーロッパ株担当ファンド】アリアンツ欧州成長株チームupdate
2018年08月17日(金)
本日はありがとうファンドのヨーロッパ株部分を担当している投資先パートナーのアリアンツ・グローバル・インベスターズ、欧州成長株チームの紹介をさせていただきます。
▼チーム運用
なんと言っても欧州成長株チームを統括しているトーステンのかっこよさが際立ちます。図1の組織図では写真写りがイマイチですが、是非下の動画を見てください!英語音声だけで何言ってるかわからないかもしれませんが、足が長くてチョイ悪な感じのところがたまりません。(とてもまじめなジェントルマンでございますので、ご心配なく。)
図1:経験豊富な欧州成長株チーム
出所: Allianz Global Investors GmbHより、ありがとう投信作成。2017年9月1日時点。
動画1:トーステンの足の長さに注目!鬼気迫る感じのBGMもドイツぽいですね。
動画2:少し優しいバージョン。
トーステンは21年間も運用業に携わり、そのほとんどが欧州株関連の運用だったので、プロ中のプロです。だからと言って、彼一人で投資判断をしているわけではなく、組織図にもあるように複数のポートフォリオマネージャーと協議をしたうえで投資判断をしています。一人のスターファンドマネージャーに頼りきりではなく、チームで考え方を共有し、チームで運用することにより長期投資を可能にしています。このチーム運用の考え方はありがとうファンドが厳選した他のファンドについても共通しています。
図2:年に数回来日し、ファンドの状況を報告していただいております。
(上写真は2018年4月弊社にて、トーステン足長いですね~~、うらやましい限りです。今回はローラも来てくれました!ダンケ!)
▼グラスルーツ・リサーチを活用し、投資判断の確度をあげる。
グラスルーツ・リサーチを日本語に直訳すると『草の根・調査』となります。
一言で説明すると、足を使った地道な調査方法です。詳しくは下記のリンクをご参照いただけますと幸いです。
◇グラスルーツ・リサーチ概要はこちら
→新投資先パートナー紹介: アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ゲーエムベーハー
◇グラスルーツ・リサーチをはじめた経緯はこちら
グラスルーツ・リサーチは買いの投資判断をする際のみに活用されるだけでなく、売りの投資判断を検討する際にも活用されています。例えば、以前欧州成長株チームではイギリスに本拠地を置くAVEVA(アヴィバ)というプラントや造船業などへ3Dデザインソフトウェアを提供するソフトウェアサービス会社を保有していました。しかし、グラスルーツ・リサーチを活用した結果同社の株を全売却することにしました。以下、時系列でケーススタディを見てみましょう。
① 2015年7月:フランス電気大手のシュナイダーエレクトリックがアヴィバの過半数以上の株式を買付けることによる買収で合意したと発表。配電・制御機器が主力のシュナイダーはM&Aを通してソフトウェア分野の強化を進めていて、強固な顧客基盤を持つアヴィバ側にシュナイダーの部門を統合することによりマーケットシェアの拡大を考えていた。市場はこれらの発表に対しポジティブに反応して、一日でアヴィバ株価が約27%上昇した。
② 2015年8月:アヴィバを既に保有していた欧州成長株チームはこのM&Aによる恩恵が本当にあるのか、グラスルーツ・リサーチを使って、裏を取ることにした。
③ 2015年9月:さまざまなソフトウェアエンジニアなど業界に携わる者に今回の事業統合による恩恵についてインタビューをしたところ、インタビューの3分の2がアヴィバのクライアントにとってあまりプラス要素が無いと回答した。こういったグラスルーツ・リサーチの結果と、アヴィバ、シュナイダー両社の経営層とのミーティングを総合的に判断して、事業統合による両社へのプラスの恩恵についてはますます確信が持てなくなった。
④ 2015年10月:10月中に保有していたアヴィバ株を全売却した。
⑤ 2015年12月:M&Aを断念する旨が発表された。アヴィバの株価は一日だけで約28%下落した。
アヴィバ全売却までの流れ
出所:ファクトセット、アリアンツ・グローバル・インベスターズより、ありがとう投信作成。株価は2015年年初から2015年4月末までの推移。
▼名前のとおり成長企業を厳選!景気サイクルの影響を受けにくい質の高い企業
具体的にどんな銘柄に投資しているか例を見てみましょう。以前説明させていただいたアマデウスITグループが一番分かり易い例だとと思いますが、忘れてしまった方は下のリンクをご参照ください。
◇→景気サイクルに影響を受けにくい質の高さとは?:アマデウス IT グループ(スペイン銘柄)
ここでは同じ銘柄の話をしてもつまらないので、今年2017年9月からアリアンツ・ユーロランドグロースファンドで組入を開始した成長企業を紹介したいと思います。
ネメチェック(Nemetschek)というドイツのソフトウェアサービス企業です。同社はBIM(Building Information Modelling)ソフトウェアサービスを世界中に提供しており、この分野でのリーディング企業です。BIMを使うことにより、昔は図面(2次元)を書いてビルや、橋などを建てていたところから、コンピューターを使って3Dのモデルを作ることができるようになりました。同社ではこの3D機能にさらにもう2Dを追加したBIM 5Dを開発しました。4D目は時間です。いつまでに工程Aを終わらせて、次は工程B~最終的に期日までに建てるといったような期日管理が可能になります。5D目はコストです。最近オリンピックのスタジアムなどの施設の建設費用が当初の予算より大幅に大きくなるといった話をよく耳にすると思いますが、より正確な予算を把握できるよう、様々な建材などのデータが管理できるようになっています。例えば、3Dモデル上でとあるフロアの電球をクリックすると、値段や設置する業者の詳細などがすぐに確認できる仕様になっているようです。こういった新しい機能を使うと、約20%~30%の時間とコストの削減が達成できるとのことでした。
【足元の成長ドライバー(3つほど厳選)】
① AEC業界(Architecture, Engineering, Construction, 建築設計、エンジニアリング、施工)のIT投資はまだまだで、同社などのBIMに対する需要は底堅い。
② 先ほどのオリンピック施設などの例のように、予算と実際にかかった建設費用が大きく乖離するケースが多いので、BIMで正確なコストを把握する必要性が出てきている。
③ イギリスでは公共プロジェクトの際にはBIMを使うよう法的な決まりがあり、今後この流れは他のヨーロッパ諸国も追従する模様。
【長期的な成長ドライバー(3つほど厳選)】
① 同社は本拠地ドイツをはじめ、ヨーロッパ市場での売り上げが大きいが、今後は北米、アジアといった他の地域の需要にも対応していく戦略。
② 売上の43%がリカーリング。サービス料金として継続的に売上が立つ景気サイクルの影響を受けにくいビジネスモデル。
リカーリングとは?→(単体の製品を売って終わりではなく、販売後も顧客から継続的に収益をあげるビジネスモデルを指す。プリンターなどハードを安く売って付属品や消耗品の追加購入で収益を得る仕組み等)
③ BIM 6Dの普及。6Dとは?また一つ追加されましたね。先ほどの電球の例の延長上で考えてみると、電球を設置した後どのくらいの期間使えて、いつ交換が必要かなどを教えてくれる便利な機能です。5Dまでは建てるまでのサービスでしたが、6Dでは建てた後のビルメンテナンスをサポートする機能になっているようです。6Dはドイツ国内のサービスになっているようですが、今後はドイツ以外の海外市場にも提供していく予定だそうです。
当初予算と最終支出の乖離は大きく、業界では大きな問題になっている。
どこかで聞いたことのあるような・・・。築地移転、東京オリンピック・・・。
出所:会社資料より、ありがとう投信作成
典型的な成長株:EPS(一株当たり利益)の成長と共に株価も堅調に上昇
(アリアンツ・ユーロランドグロースファンドにて2.11%保有、2018年7月末時点)
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価は2013年年末から2018年7月末までの推移。
▼アリアンツ・ユーロランドグロースファンド設定来基準価額推移:
名前のとおり、ユーロ圏の中型・大型成長株に厳選投資。イギリス、スイス企業などの保有割合が限定的。
出所:アリアンツ、ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価は設定日を10,000として指数化、2018年7月31日までの推移。
▼アリアンツ・ヨーロッパグロースセレクトファンド設定来基準価額推移:
幅広くヨーロッパの大型成長株に厳選投資。
出所:アリアンツ、ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価は設定日を10,000として指数化、2018年7月31日までの推移。
ダンケ!
ありがとう投信株式会社
ファンドマネージャー 真木喬敏
◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
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