マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2022年11月より>
10月のマーケット動向
10月のマーケットの動きですが、引き続き米国をはじめとする主要国の金融引き締めペース観測に右往左往させられる市場展開が続く1ヶ月になりました。
月上旬は前月終盤に起こった英国金融市場の混乱拡大の懸念がやや低下し、前月の下落からの買戻しで始まりました。
しかし、やや強めの米雇用統計の結果が発表されると、米金融引き締めが加速するとの公算から軟調に転じました。さらに月中盤では米CPI発表が事前の予想を上振れたため、米長期金利の変動が大きくなり、世界株式市場は乱高下しました。
ただし、その後FRBが利上げペースを緩めるといった報道もあり、市場も安定しおおむね上昇する形で月末を迎えました。
下記主要株式指数推移を参照していただくとお分かりいただけますように、先進国株式市場は総じて上昇する1ヶ月になりました。一方、新興国株式市場は中国共産党大会が開催され、習近平政権の強権的な手法への懸念が強まったため株価は低迷しました。
中国株への懸念の長期化から、欧米投資家が代替的な投資先として日本株へシフトするとの期待もありましたが、少子高齢化など長期的に内需の成長が見込まれないことなどを考慮すると引き続き長期投資の対象としてはイマイチなようで、今のところ大きな資金流入は確認されていない様です。
【米ドル円、ユーロ円推移】2022年9月30日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2022年9月30日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
ありがとうファンドの運用状況
ありがとうファンドの月間騰落率は5.3%の上昇となりました。世界株は6.8%の上昇となりましたので、相対的に出遅れる1ヶ月になりました。参考までに日本株は5.1%の上昇となりました。
今月の売買は、売買を見送りました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(2022年9月末)】
【ポートフォリオ(2022年10月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
今後の見通しについて
今後の見通しについては、各種地政学リスク・新型コロナウイルスなど一過性のイベントなどで、短期的には景況感が下振れることがあっても、長期的にはファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の回復・成長のトレンドには変わりはないと考えております。
下図ではリーマン・ショック前からの4つの国・地域でのEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これからの中長期での人口動態や、GDP成長率を見る限り、日本株式市場よりもエマージング株式市場や米国株式市場など外国株式市場の方が投資対象としては魅力があると考えています。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2022年10月末までの推移
今後の運用方針について
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いております。さらにその度合いはコロナショックによる財政出動も併せて政策総動員でさらに強まり、厳しい経済状況にも関わらず株価を下支えしました。
一方、足元では、金融緩和だけではなく長引くコロナ禍の供給制約なども合わせてインフレ圧力が強まり、米国などでは金融緩和の正常化が本格的に意識され、株式市場では調整ムードが広がっております。今後株価が短期的にどう動くかは誰にもわかりませんが、ありがとうファンドは、高値で売って、底値で買うといったタイミングを見て売買を繰り返すファンドではありません。
あくまでも長期的な人口動態の変化に対応できる企業や、革新的な商品・サービスを提供できる企業など、今後の世界経済をリードしうるビジネスモデルを有した国内外の企業に厳選投資することにより、長期的な世界経済の成長を基準価額の上昇という形で享受することを目標としております。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。
その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。
下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2019年7月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
投資先ファンドの状況について
今月は前月までの金融引き締め継続による過度に悲観的な相場感からやや楽観に転じたため、年初から売られていた欧州の成長株に多く投資しているアリアンツ・ヨーロッパセレクトファンドやアバディーン北米小型株ファンドなどが大きく上昇し、ありがとうファンドの基準価額上昇に貢献しました。
一方、年初から厳しいパフォーマンスの株式市場と対照的に上昇基調をキープしてきた金ETFについては、米長期金利の高止まりにより、金利のつかない金の相対的な魅力の低下から、勢いに欠ける上昇に留まりました。
ファンドの詳細は下記の『ありがとうブログ』をご参照ください→
厳選銘柄例:スウェーデン企業
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
投資先ファンドの運用パフォーマンス
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→ TOPIX 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→ FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→ FactSet Market Indices United States 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→ FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→ FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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