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無用の用

2024年05月30日(木)

無用の用

先日、以前大学で教えていた教え子に会う機会がありました。最近はマッチングアプリ関連のプロジェクトで活躍されているようで、最新の出会い事情をアップデートしていただきました。私が大学で教えていたつまらない教科書ベースでの授業の100倍ぐらい面白い内容でございました。まさに新時代ということで、以前とは逆で私が教えてもらう側になってしまったことに少し寂しさすら感じた次第でございます。

 

マッチングアプリでは事前に細かいファクターで理想のお相手をスクリーニングできるので、失敗することが比較的少なく、若い世代の方々にとってはいわゆるコスパ・タイパに優れたツールのようです。最近のアプリではAIも活用されているそうで、より楽に始められて、マッチチングの確度も向上しているそうです。いかにマッチングの質を高めるかの工夫の話も面白くて、例えばデートに誘ってお店を予約する場合では、お互いのクレジットカードを紐づけて予約できるそうで、いわゆるドタキャンの可能性も減らすことができ、予約されたレストランにとっては料金をとりっぱぐれるリスクが減るので三方良し系の仕組みになるなど、デジタル化が進んだ現在ではこういうこともできるんだね~と感心したものです。同時に、もし私が妻と出会った時代にこのレベルのマッチングアプリがあったら、スクリーニングの時点で私のような雑魚ははじかれていたのでは?と不安になりました。そんな浦島太郎感ハンパないキャッチアップミーティングでございました...

 

AIにふれたので少し株式投資の話もしてみます。昨今のマーケット環境は、ちょうど昨年の今頃生成AIブームが始まり、少数の関連銘柄の株価が大きく上昇するなか、一過性のマーケット展開になるか否かが注目されてきましたが、1年経った今でも、生成AI銘柄のファンダメンタルズは良好で、株価と業績に理不尽なほどの乖離は見当たりません。もちろん株価は期待先行で上昇するものですから、大きく調整する可能性はありますが、便利になったものを手放せるほど人は賢くないので、生成AIを含めたデジタル化・DXは続くことでしょう。最近のニュースや偉い先生のお話を聞く限りでは、物価高騰と人手不足で苦しむ国内課題に対する一つの解として、生成AIの活用が注目されているようです。冒頭例として挙げたマッチングアプリも少子化対策の一環として市民権を得るぐらいですから、生成AIがまるで『魔法』のように扱われ、『あらゆる課題もAIで解決!』みたいな短絡的で、一方的な雰囲気になってきたようにも思えます。先日、子供の幼稚園入園に関する手続きのために役所に行ったらDX推進課という課も新設されていました。生成AI活用を含むデジタル化・DXは国を挙げた取り組みなのでしょう。

 

業績と株価の好循環?

株価と業績の好循環?

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出所:ありがとう投信が以前開催したプレゼン資料から一部抜粋

 

上述したようにデジタル化・DXの流れは変えられない潮流になりつつあります。そんな中、最近ふと思うことがあります。それは、『果たしてこれら最新のテクノロジーの進化・普及は本当に人の幸せにつながっているのか?』という疑問です。社会全体でコスパを追求した結果、最新のテクノロジーを使いこなせない層にとっては逆に不便な世の中になっているかもしれません。AIを仕事に活用することにより、目先の仕事のタイパは向上するかもしれませんが、空いた時間は決して個人の自由な時間になるわけではなく、企業業績をさらに成長させたい企業側からしたら、従業員の空いた時間をさらなる生産性向上の伸びしろと捉え、逆に仕事量が増え、結局同じ勤務時間で多くの仕事をする羽目になるかもしれません。例えば、映画『男はつらいよ』を見ていると、たまに昭和時代の証券会社、銀行や、事務所のシーンが出てくるのですが、デスクの上には電話とブックエンドだけが置かれており、正直あの環境でどうやって仕事するのか平成育ちの私には想像すらできません。それから比べたら、パソコンが一人一台どころか数台が当たり前で、リモートワーク・テレビ会議も当然、グローバルとも毎朝コールしますみたいな現在は一人当たりの仕事量が昭和時代とはくらべものにならない水準になっているのかもしれません。ひょっとしたらある程度アナログな世界の方が融通が効き、結果的に幸せを実感できたのかもしれません。

 

ずいぶん前に学んだ言葉で『無用の用』というありがたいお言葉がございます。『人は皆、有用の用を知れども、無用の用を知るなし(だれでも、役に立つものが役に立つことは知っているが、役に立たないものが役に立つことは知らない)』という意味で紀元前の中国の偉い方のお言葉のようですが、そこらへんはあまり詳しんくないのでどのような文脈で使われた言葉なのかわかりませんが、今のデジタル化・DX・AIが当たり前になりつつある世の中に響く言葉かもしれません。私の個人的な理解としては、『一見無駄に思えることにも意味があり、そこに価値を見いだせるぐらい心の余裕を持つべき』と教えてくれているように思えます。

 

そういえば、我が家は共働きで子供達のお弁当調理担当大臣を拝命している私ですが、先日衝撃的なことが起こりました。子供の学校のお迎えのバス停が突如家の目の前から歩いて15分の場所に変わったのです!仕事という観点だけで考えると、ただでさえ弁当作るのに忙しい朝に15分のロスは無駄・無用以外の何物でもありません。よって最初その知らせを聞いたときは、『話が違うじゃないか!』と憤慨したものです。カスハラしても何もかわらないので、結局毎日15分子供と歩いてバス停に向かうようになったのですが、一見この無駄な15分が子供とのコミュニケーションという点では非常に有意義な時間だということに気が付きました。24時間営業しているのが当たり前のコンビニがある一方、夜お迎えの時には開いているスーパはなぜ朝は閉まっているのか、スーツを着ているオジサン達はなぜ信号を無視してまで駅に向かうのかなど、とりとめのない話をします。以前は麻婆茄子が好物だったけど、最近茄子が嫌いになったからお弁当に入れないでなんてリクエスト的な話もありました。重要なことは、にとって幸せかを考える余裕が必要だということでしょう。

 

私個人の体験ではなく、もう少しマクロ的に考えてみると、少子高齢化働き手不足、家族のあり方の変化など、あらゆる面で日本は課題先進国です。あまりにそれぞれの課題が大きく、多岐にわたるのでじっくり議論する余裕すらなくなっているようにも見えます。果たして生成AIはこれらすべてを解決する特効薬になりうるのでしょうか?『魔法のようなAIなら何とかしてくれるのでは?』と、考えること自体を放棄しているように感じます。そんな社会全体で余裕が無くなってきている現状では、残念ながらいくら『無用の用』を唱えたところで、目先の『有用の用』が優先されるのでしょう。一般的に無用と思われているモノ・コトに用を見いだすのには時間がかかりますからね。見方を180度変えて投資家目線でこの現状を鑑みるとイノベーションを生み続ける米国ハイテク銘柄への投資は万能ではないと理解しながらも、この世界的な潮流はそう簡単に変わらないと考えられるので、株価はアップダウンするとは思いますが、ここはしたたかに投資を継続すべきでしょう。これら大手海外ハイテク企業が提供するサービスの消費国となっている日本のデジタル赤字は垂れ流され続けることでしょうが...

 

徒然なるままに書きましたが、最後に、育児介護で様々な制限がある中、私のフレキシブルな働き方に対応してくれている弊社の皆さんと、セミナーで私の育児と介護の愚痴を聞かされても暖かく見守っていただいてくれている受益者の皆様へ、この場を借りて改めて心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

 

AIは便利だけど...

どこか虚しいかも?1.jpg

 

39!

ありがとう投信株式会社

ファンドマネージャー 真木喬敏

 

         

 

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【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)

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【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)

【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)

【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)

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