動かざること山の如し
先日子供達を連れて長野の保養所へ旅に出ました。特急列車あずさに乗り、親子共々ちょっとした非日常を楽しむ旅行でした。あずさには初めて乗ったのですが、八王子を過ぎたあたりから山深くなりはじめ、ほとんど駅に止まらないので険しい山の中を快走する様は乗っていて非常に心地良いものでした。かの有名な武田信玄公の騎馬隊も当時としてはあずさ並みの戦闘力だったのかもしれません。そんな騎馬隊気分で保養所の最寄りの駅に着き、送迎のバスが来るまで暇だったので子供達と駅のおみやげ屋さんで時間を潰していたところ、子供が『コレ友達からもらったことのあるお菓子!美味しいから食べたい!』と言い出し、何かなと見てみると、信玄餅でした。2、3個買ってあげればOKかなと思いきや、10個入りのリアルお土産包装1箱しか残っておらず、買うべきかどうか迷っていたところ...店員のお兄さんが『信玄餅の販売には厳格なルールがあって、信玄公が攻略した町でしか販売できないんですよ~』となんとなくカッコイイ助言をされたので、なんとなく引けない感じになって買ってしまいました。彼の言っていた厳格な販売ルールは本当なのでしょうか?そう言えば、以前子供が信玄餅を食べたいとごねた際、東京駅で信玄餅を買ったような...
という事で今回のありがとうトピックスでは、信玄公のありがたいお言葉を思い出しながら暴落相場の過ごし方について考えてみたいと思います。下図では、過去1年の主要株式市場と金価格、ドル円相場の推移をまとめてみました。つい先日起こったトランプ関税をめぐる不透明感からの暴落相場は記憶に新しいと思います。よくよく思い出してもらうと、去年の8月にも『令和のブラックマンデー』なんて急激な下落相場も経験しました。こういった急落相場の際には、メディアも大暴落とアオルので、パニックに陥り下落中に売却されてしまう方、積み立ての投資額を減らしてしまう方も多いことでしょう。一方では、『こういった下落相場は素晴らしい企業の株価も安くなり絶好のバーゲンチャンスだから買いましょう!』みたいにアオル方々もたくさんいます。右に左に揺さぶられアクアパッツァ状態になり、さらなるパニックに陥りそうですね。こういったボラティリティの高い相場で、私ができる唯一のアドバイスは『何もしないこと』だけです。本ブログの表題にもあるようにお屋形様の教えの一つである『動かざること山の如し』を体現すればいいだけです。過去1年に起こった2回の大きな下落相場を見ても、下落幅は確かに急で不安になります。しかしながら、下落相場もそう長くは続かず、気付いたら下落前の水準に戻っています。過去に起こったことが、未来永劫通用するとは言い切れませんが、史上最高値更新までに34年かかるような市場に集中投資しない限り、長くても数年で株価は回復し、長期積立投資をされていた投資家はリスクに見合ったリターンで報われることでしょう。
【過去1年の主要株式市場・金価格の推移】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。主要株式市場の推移は現地通貨ベース。金価格は米ドルベース。データは2025年5月24日までの推移
弊社は直販運用会社ですので、運用だけでなく、買い方&売り方の販売面でもアドバイスできることがあるとすれば、自身の長期投資の目標を常に忘れず明確にしておくこと、その目標実現のために余裕資金で淡々と積立投資すること。そして、長期投資の目標が老後の資産形成の場合、老後は運用しながら定期的に取り崩すことでしょう。
私はファンドのパフォーマンスが好調な際に、高くなったので売ってくださいと言うことも無いですし、パニック相場で急落した際にバーゲンセールだから買ってくださいとも言いません。タイミングをみて現金保有を増やし、次の暴落相場のバーゲンセールに備えることもできるかもしれませんが、効果的に買える人はあまりいません。心理的にもっと下がるかも...となり買えないものです。さらに、もし効果的にバーゲンセールで買えたとしても2度、3度と持続的に成功できる人はいないでしょう。パニックに陥ったらこういったノイズを排除し、スーッと深呼吸して自身の長期投資の目標を思い出してみましょう!
信州の保養所に着いて...
信玄餅が盗まれたら大変だからと金庫に保管したいと言われ...
金の延べ棒じゃないんだからさ...
翌日東京にて
オフィスに行く途中...
お屋形様、コラボしてますよ...
厳格な販売ルール...
これが本当の衝動買い
反省しないとですね...
子供達は大喜びでした~
39!
ありがとう投信株式会社
ファンドマネージャー 真木喬敏
◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
◆株価指数について:記載されている各国・地域市場の指数は特別注記が無い場合は以下の指数を使用しています。
【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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