第16期ありがとうファンド運用報告(2019年8月末~2020年8月末)
さて、前回に引き続き今回の運用報告会につきましても新型コロナウイルス感染拡大懸念のため、本ブログにて報告させていただければと思います。また、報告期間は月次レポートと平仄を合わせる形で、2019年8月末から2020年8月末の12ヶ月間の報告とさせていただきます。(参考までに、ありがとうファンドの決算期末は8月末であり、決算期末が休日の場合は後ずれになります。第15期末は2019年9月2日(月)、第16期末は8月31月(月)でした。運用報告書等のパフォーマンス解説では、前期末が8月末ではなかったことから、ブログ上のパフォーマンスと若干乖離が生じますのでその点ご了承ください。)
下図の上段ではいつも月次レポートで載せている騰落率の図になります。8月末時点の1年騰落率比較では当ファンドは世界株、日本株に対して比較的良好なパフォーマンスを達成できました。なお、当ファンドは特定の指数に連動する運用方針ではありませんが、パフォーマンスの説明という観点から、月次レポート、運用報告会の資料等では、世界株式指数と日本株式指数と合わせて開示しております。
さて、騰落率はあくまでも点と点の比較だけで、全体像が把握しにくいと思いますので、下段の線と面グラフで過去12ヶ月の推移を見てみましょう。赤の実線が当ファンドの推移を表しており、ミドリの点線が世界株、グレーの面グラフは皆さんがニュースなどで良く聞く身近な日本株の推移を表しております。また、比較しやすいよう、2019年8月末時点を1とした推移になっております。
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、過去10年間の月末時点基準価額データを基に弊社にて計算しております。設定来騰落率については、ありがとうファンド設定日の 2004 年 9 月 1 日からの騰落率になります。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。(レポート最終ページに注記があります。)
特定期間別のリターンの推移は以下の様になります。コロナショックで市場全体が大きく下落した2020年上期においても、市場全体と比べて下げ幅を低減できました。下期からはやや出遅れましたがおおむね世界株式市場に追従することができました。
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
リターンの話をしたのでリスクの話もさせて下さい。今期は新型コロナウイルスの感染拡大が欧米を中心に進行したことなどもあり、米国株、欧州株への投資配分の大きい世界株式市場のリスクはコロナショック時に大きく上昇しました。一方当ファンドにおいても、こういった欧米株の占める割合は比較的大きくなっておりますが、株式とは異なる動きをする外国債券・金ETFなどに一部投資することにより資産クラスにおいても分散投資をしておりますので、リスク水準を低位に抑えることができました。
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
ありがとうファンドは世界の幅広い国・地域に分散投資しておりますので、各国・地域別の推移も見てみましょう。詳しくは下記のコメントを参照いただければと思いますが、ザックリ解説すると前半の堅調な相場展開から、中盤コロナショックによりどん底へ落ち、その後は主要国の大規模な財政出動と金融緩和により、株価は反転、総じて堅調に上昇しました。特に反発の強かった米国株や新興国株では既にコロナショック前の水準に戻っております。一方、欧州株は米国に比べて株価を牽引する大型ハイテク銘柄が少ないことや、需要が大幅に減少した旅行関連業種が経済全体に占める割合が比較的多いことなどもあり、株価の戻りの度合いは低位にとどまりました。日本株については、期末にかけて世界的にポストコロナを見据えた投資行動が意識される局面で、他国・地域市場に比べて構造不況業種が多く、大型の成長企業も少なく、相対的な魅力度で劣るため、米国、新興国株の上昇に追従できませんでした。
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
為替の推移も見てみましょう。期前半はあまり大きな動きはありませんでしたが、コロナショック後の期後半にかけては、長らく続いた米ドル高是正とEU首脳会議で復興基金合意に達したことなどもあり、対円でユーロ高が進行しました。
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
当ファンドの基準価額は日本円で算出されますので、先ほどの現地通貨ベースを円ベースに換算すると以下の様な推移になります。
出所:ファクトセット等より、ありがとう投信作成
あくまでも概算値になりますが、それぞれの投資先ファンドの寄与度を下記のスライドでまとめてみました。基本的には計算期間の組入比率の高いファンドほど当ファンドの基準価額上昇への寄与度が高くなる傾向があります。今期においては、組入比率の大きな米国大型株を主な投資対象としているAB・アメリカングロースファンドと欧州株式を主な投資対象としているアリアンツの2ファンドの寄与度が大きくなっております。特に欧州株市場は上述したように、市場全体は低調な1年でしたが、アリアンツの2ファンドについては、保有していた銘柄がコロナ禍においても堅調なビジネスモデルを有していることから市場を大きくアウトパフォームしました。アウトパフォームした個別銘柄の例としては、使い捨て内視鏡製造・販売のAmbu(デンマーク)や、建設化学品業界のSIKA(スイス)などがありました。また、市場先行きの不透明感が増したこと、大規模な金融緩和継続によるさらなるカネ余りが意識されたことなどから金ETFが低位な組入比率ながらも、当ファンドの基準価額上昇に寄与しました。なおマイナス寄与のその他については、当ファンドの信託報酬になります。
出所:各種投資先運用会社データより、ありがとう投信作成
コムジェスト日本株式ファンド投資例:
アバディーン北米小型株ファンド投資例:
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アリアンツ欧州株戦略2ファンドの投資例:
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価・指数は2019年8月末を1として指数化、2020年8月末までの推移。外貨建ての株価・指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース。
以上、簡単ではございますが第16期運用報告になります。
ありがとう投信株式会社
ファンドマネージャー 真木喬敏
◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
◆株価指数について:記載されている各国・地域市場の指数は特別注記が無い場合は以下の指数を使用しています。
【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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