使い捨て内視鏡のパイオニア:Ambu(デンマーク)
2020年04月27日(月)
平素大変になっております。さて、今回はありがとうファンドが厳選投資している銘柄について、紹介させていただければと思います。皆様ご存じの通り、2020年に入ってから新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界のあらゆる株式市場で株価は下落しました。足元は少し戻してきましたが、最高値までV字回復といった楽観シナリオは難しそうです。さて、そんな相場の中でも、株価が上昇し続けている企業もあります。今日紹介する企業は、そんなKY的銘柄になります。ありがとうファンドのヨーロッパ株式市場担当ファンドでずいぶん前から保有しているデンマーク企業、Ambuです。
さて、早速どんな会社か見てみましょう!下図でもあるように、同社の事業は大きく、麻酔科向け部門、患者モニタ機器部門、そして使い捨て内視鏡部門の3つに分けられます。もともと同社は、手動式肺人工蘇生機などの蘇生パック製造・販売をメインとする企業でしたが、2009年に世界初の使い捨て内視鏡「aScope」を発売して以来、使い捨て内視鏡部門を事業の中核に据えているようです。現在では世界3,000件以上の病院にて、手術室や集中治療室で呼吸器内視鏡(気管支用)が使われており、まさに使い捨て内視鏡のパイオニアですね。下図の様に、マーケットシェアのほぼ100%を有している使い捨て内視鏡部門の成長は目覚ましく、今後も同部門が同社企業利益の成長を牽引すると考えられております。
【部門別売上高構成の比較】
出所:会社資料より、ありがとう投信作成
ところで、以前から内視鏡は日本企業のお家芸みたいなものでしたが、なぜ使い捨て内視鏡にシェアをとって変わられようとしているのでしょうか?まず一つ目の理由としては、使い捨てなので感染症リスクを回避できる点が挙げられます。例えば、過去に米国では十二指腸内視鏡による感染拡大問題が発生した際、日本の内視鏡メーカーは米国司法省から十二指腸内視鏡の情報提供を求められた経緯があり、それからメーカーは米国FDA等と協議を進めているようですが未だ最終決定に至っていないとのことです。こういった背景から、使い捨て内視鏡の医療現場での浸透が加速しているようです。また、足元では新型コロナウイルスの感染拡大もありますので、新型コロナウイルスの影響で今までの内視鏡から使い捨て内視鏡へのシフトがいっそう加速することでしょう。
【Ambuの使い捨て内視鏡販売本数の推移】
出所:会社資料より、ありがとう投信作成。19/20は会社予想本数。
【Ambuのビジョンは軟性内視鏡の80%を使い捨て内視鏡へ】
出所:会社資料より抜粋
もう一つ、使い捨て内視鏡を使うメリットを挙げるとすれば、それはコスト削減効果です。使い捨てなので、病院側としては洗浄・滅菌する作業負担が無くなり、医療現場のコスト削減に貢献しているようです。また、本体自体の価格にも競争力があるようです。レンズや画像センサーなどの電子部品は性能が向上しているうえに、価格が安くなっているため、1本数万円程度と競争力のある価格が実現できているとのことでした。医療費抑制は日本だけではなく世界的な課題となっているため、以前紹介した低侵襲治療のメガトレンドに乗ったエドワーズライフサイエンスなどもご参照いただけますと幸いです。
【Ambuの商品ラインナップとこれからランチ予定のスケジュール】
出所:会社資料より抜粋
【使い捨て内視鏡の活躍の場は多く、まだまだこれから...】
出所:会社資料より抜粋
【Ambuの国別売上高】
出所:ファクトセットより抜粋
【内視鏡メーカーの株価比較】
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価は2019年12月末を100として指数化、すべて円換算、2020年4月26日までの推移。
39!
ありがとう投信株式会社
ファンドマネージャー 真木喬敏
◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
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【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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