マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2020年5月より>
4月のマーケット動向
4月のマーケットの動きですが、前月から始まった欧米の外出禁止など厳しい行動制限を伴ったロックダウンによる経済活動の低迷懸念から一転、一部の国では新型コロナウイルス感染拡大のピークアウトがみられてきたことにより、経済活動再開への期待を背景に株価は回復した1ヶ月でした。
月初こそ前月から引き続き新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響から株価は低位に推移しましたが、中盤にかけては欧米でウイルス感染のピークアウトが先取りされる形で、株価は回復に転じました。月後半には原油先物価格が急落するなど不透明感の強い相場局面もありましたが、なんとか回復基調で終わった1ヶ月になりました。
下記主要株式指数推移を参照していただくとお分かりいただけますように、世界株式市場は総じて回復する1ヶ月になりました。日本株が出遅れていますが、これは欧米諸国に比べて緊急事態宣言が遅れたことや、日本国内には米国の大手テクノロジー企業の様に、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナの世界で必要とされるサービスを提供する大型グロース銘柄が少ないことなどが考えられます。
【米ドル円、ユーロ円推移】2020年3月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2020年3月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
ありがとうファンドの運用状況
ありがとうファンドの4月月間騰落率は8.5%の上昇となりました。世界株は9.2%の上昇でしたので、相対的に見てやや出遅れた1ヶ月になりました。参考までに日本株は4.3%の上昇となりました。
月中の売買状況については、ABアメリカン・グロースファンド、ABエマージング・マルチファンドを買い増しました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(3月末)】
【ポートフォリオ(4月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
今後の見通しについて
今後の見通しについては、各種地政学リスク・新型コロナウイルスなど一過性のイベントなどで、短期的には景況感が下振れることがあっても、長期的にはファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の回復・成長のトレンドには変わりはないと考えております。
下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元では、すべての国・地域で企業利益の成長が鈍化しているように見受けられます。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これから中長期の人口動態や、GDP成長率を見る限りエマージング株式市場が最も投資妙味のある地域と考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2020年4月末までの推移
今後の運用方針について
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。直近のコロナショックにより株式市場だけではなく、債券市場、金からも多くの資金が流出しており、その多くは現金として投資家のポケットにあります。新型コロナウイルスによる経済に対する影響はまだ計り知れませんが、いずれは収束する現象であり、流出した資金も市場へ戻ってくることでしょう。
ありがとうファンドは、高値で売って、底値で買うといったタイミングを見て売買を繰り返すファンドではありません。あくまでも世界経済の成長を競争力のある国内外の企業に厳選投資することにより、長期・持続的に基準価額の上昇という形で享受することを目標としております。厳選企業の競争力は長期的なビジネスモデルに裏付けられたものであり、当ファンドは変わりなく長期投資を継続します。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。
その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。
下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2019年7月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
投資先ファンドの状況について
月間騰落率については、欧米の経済活動再開期待を背景に今まで売られてきた小型株が買い戻され、特に小型株の中でも財務健全性と成長性の高い企業の株が買われたこともあり、そういった企業を厳選しているアバディーン北米小型株、アバディーンEM小型株ファンドが大きく上昇しました。
同様に、成長企業に厳選投資する、コムジェスト日本株、アリアンツ2ファンドも市場平均に対して大きくアウトパフォームしました。一方、ABのエマージング2ファンドについては、やや出遅れる結果になりました。
ファンドの詳細は下記の『ありがとうブログ』をご参照ください→
厳選銘柄例:デンマーク企業
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
投資先ファンドの運用パフォーマンス
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
TOPIXに関する著作権、知的財産権その他一切の権利は東京証券取引所に帰属します。S&P500種指数(S&P500)に関する著作権、知的財産権、その他一切の権利はS&P Dow Jones Indices LLCに帰属します。MSCI Indexに関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、MSCI に帰属します。
※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→ TOPIX 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→ FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→ FactSet Market Indices United States 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→ FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→ FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
関連記事
| マーケットTOPへもどる |