マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2020年7月より>
6月のマーケット動向
6月のマーケットの動きですが、前月に引き続き経済活動再開への期待を背景に株価は上昇したものの新型コロナウイルス感染再拡大への懸念も根強く、上値の重い展開の1ヶ月になりました。序盤は世界的な経済活動再開と堅調な米経済指標の発表などにより、世界株式市場は総じて上昇しました。中盤では、米パウエルFRB議長が記者会見で米国景気に対する慎重な見方を示し、急速に加熱する相場に対してお灸をすえた形となり、下落し、その後はやや反発するも上値の重い展開が続き月末を迎えました。
下記主要株式指数推移を参照していただくとお分かりいただけますように、前月に引き続き世界株式市場は総じて回復する1ヶ月になりました。今までやや出遅れていた新興国株が大きく上昇し、その他の市場は新型コロナウイルス感染拡大で大きく下げたところからの反発が早かったこともあり、上値が重く、やや方向感の無い相場展開になりました。
【米ドル円、ユーロ円推移】2020年5月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2020年5月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
ありがとうファンドの運用状況
ありがとうファンドの6月月間騰落率は3.4%の上昇となりました。世界株は4.1%の上昇でしたので、相対的にみてやや出遅れる1ヶ月になりました。参考までに日本株は0.2%の下落となりました。
月中の売買状況については、売買を見送りました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(5月末)】
【ポートフォリオ(6月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
今後の見通しについて
今後の見通しについては、各種地政学リスク・新型コロナウイルスなど一過性のイベントなどで、短期的には景況感が下振れることがあっても、長期的にはファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の回復・成長のトレンドには変わりはないと考えております。
下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元では、すべての国・地域で企業利益の成長が鈍化しているように見受けられます。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これから中長期の人口動態や、GDP成長率を見る限りエマージング株式市場が最も投資妙味のある地域と考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2020年6月末までの推移
今後の運用方針について
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。直近のコロナショックにより株式市場だけではなく、債券市場、金からも多くの資金が流出しており、その多くは現金として投資家のポケットにあります。新型コロナウイルスによる経済に対する影響はまだ計り知れませんが、いずれは収束する現象であり、流出した資金も市場へ戻ってくることでしょう。
ありがとうファンドは、高値で売って、底値で買うといったタイミングを見て売買を繰り返すファンドではありません。あくまでも世界経済の成長を競争力のある国内外の企業に厳選投資することにより、長期・持続的に基準価額の上昇という形で享受することを目標としております。厳選企業の競争力は長期的なビジネスモデルに裏付けられたものであり、当ファンドは変わりなく長期投資を継続します。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。
その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。
下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2019年7月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
投資先ファンドの状況について
月間騰落率については、アバディーン・EM小型株、アリアンツ・ヨーロッパセレクト、コムジェスト日本株式ファンドなどが市場平均よりも強いパフォーマンスを実現し、ありがとうファンドの基準価額上昇に貢献しました。当ファンドの投資先選定条件は長期的に持続的な企業利益の成長が見込めるクオリティ―・グロース銘柄への厳選投資です。
足元の新型コロナウイルスによる経済への悪影響や、それを和らげるため金融緩和が未知の領域に入ったこと等、不透明感がさらに強くなる中、こういったクオリティー・グロース銘柄への評価が再認識された結果だと考えております。
ファンドの詳細は下記の『ありがとうブログ』をご参照ください→
厳選銘柄例:米国企業
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
投資先ファンドの運用パフォーマンス
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→ TOPIX 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→ FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→ FactSet Market Indices United States 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→ FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→ FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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