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紙ベース保護用資材のニッチ市場で大活躍!:Ranpak(米国)|ありがとうブログ|国際分散投資ならありがとう投信

紙ベース保護用資材のニッチ市場で大活躍!:Ranpak(米国)

紙ベース保護用資材のニッチ市場で大活躍!:Ranpak(米国)

最近、断捨離の一環としてメルカリで使わなくなった子供のおもちゃなどを売っています。今まではどちらかというとメルカリで買う方だったので、あまり意識していませんでしたが、売る方になってみると、色々と気づくことがございました。例えば、せっかく配送した商品が配送中に壊れたりでもしたら、クレームがきて大変なのでプチプチクッションを入れてみたり、送料を下げるべく配送物のサイズに近い大きさの緩衝材付きの封筒を使ってみたりなど、できる範囲で工夫しております。梱包について調べてみると面白くて、これら梱包材・緩衝材はメルカリでも売っていますし、100円ショップなどでも梱包専用のコーナーがあるぐらいです。個人であれば、私のように適当に梱包すればOKだと思います。しかし、事業者として配送する場合はリアルクレーム対応が待っているので、人一倍気を使うと思いますし、色んな特徴・サイズの配送物があると思うので、梱包の品質管理が本業ではないにせよ、手を抜くわけにはいかないことでしょう。今月の厳選投資銘柄紹介ブログでは、そんな梱包材・緩衝材などの保護用資材ソリューションという超ニッチなマーケットで大活躍のRanpak(米国)について深堀してみましょう!

 

最初に同社のカテゴリー別の売上高構成を見て、事業内容をザックリ把握しましょう。緩衝材・すきま埋め・包装の3カテゴリーで97%の売上を占めていますね。あまりにニッチ過ぎて、それぞれ何が違うのかイマイチイメージできませんね~。私がグダグダ解説するより、動画を見た方が早いと思います。よって、この点は下に会社案内YouTubeのリンクを貼っておきましたので、そちらをご参照くださいませ。残り3%の売上は自動化事業から上がっています。自動化事業では梱包する箱を配送物のサイズに合わせて自動的に調節したり、一連の梱包作業を自動化したシステムを提供しています。売上貢献はまだ低位ですが、配送の需要増と従業員のコスト増が加速している足元の状況を鑑みると、今後の成長性は大きいかもしれませんね。

 

【カテゴリー別の売上高構成】

2020年

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出所:会社資料より、ありがとう投信作成

 

 

【ランパック会社案内】

 

 

【自動化のイメージ】

 

 

 

次に少し見方を変えて、エンドユーザー別の売上高構成を見ながら、需要動向を確認してみましょう!やはり近年のE-コマース需要増はかなり大きいようですね。BtoB、BtoCいずれのサプライチェーンの段階においても部品や商品を配送する際には、同社が提供しているような梱包材が必要になってくるので、幅広い業種の顧客層に必要とされているモノ・サービスのようですね。

 

【エンドユーザー別の売上高構成】

2020年

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出所:会社資料より、ありがとう投信作成

 

 

E-コマースはメガトレンドにのっている

コロナ禍でさらにその傾向が加速した

【米国でのE-コマース動向】

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出所:U.S. Census Bureauより、ありがとう投信作成

 

 

 

もう少し同社製品の特長を深堀してみましょう!同社の製品優位性を語るうえで、重要な点は紙ベースの保護用資材を提供しているという点です。考えてみてください。梱包材や緩衝材と言われてイメージするのは紙ベースではなく、プチプチやエアバックなどのプラスチック由来のものを思い浮かべることが多いと思います。しかし、実はプラスチックは紙よりもリサイクルが難しく、ESGの観点からプラスチック製品全般の環境負荷の高さに注目が集まっていることもあり、こういった構造的な変化が同社の紙ベース梱包材への中長期的な成長を下支えすると考えられます。

 

紙はプラスチックに比べるとリサイクル効率が高い

【廃棄物の素材別リサイクル割合】

米国、2018年

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出所:U.S. Environmental Protection Agencyより、ありがとう投信作成

 

 

【梱包材の素材別リサイクル割合の推移】

米国、2018年

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出所:U.S. Environmental Protection Agencyより、ありがとう投信作成

 

 

同社の製品は環境負荷の低い紙ベース

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出所:会社資料より一部抜粋

 

 

 

下図左の円グラフでは、グローバルでの保護用資材市場規模をカテゴリー別で表しています。紙ベース保護用資材は15%程度に留まっており、市場全体としてはプラスチック由来製品のシェアが依然大半を占めています。裏を返せば、紙ベース保護用資材の今後の伸びしろがいかに大きいかを示唆しています。さらに下図右の円グラフでは、紙ベース保護用資材市場における競合他社とのマーケットシェアの内訳を表しており、同社は50%以上のシェアを有する最大手のポジションを既に確立しています。

 

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出所:会社資料より一部抜粋

 

 

 

次に同社のビジネスモデルについても詳しく見てみましょう。同社はいわゆるレイザー&ブレードモデルを採用して、他社との差別化を実現しています(自動化事業は別のビジネスモデルを採用)。レイザー&ブレードモデルとは、カミソリ本体の価格を低位に抑え、消耗品である使い捨て替刃の継続的な販売で安定した利益をあげるビジネスモデルのことです。同社では中小企業を中核の顧客とし、梱包材を現場で製造する機器を無料もしくは低額で提供・設置しています。顧客目線で考えると、初期の設備投資を軽減できるので、顧客から高く評価されており、90%近くの契約継続の要因になっているそうです。もちろんそれだけだと同社は儲からないので、梱包材の原材料である専用の紙資材を顧客に販売することで継続的に安定した収益を実現しています。機器のコストについても大体16カ月ぐらいで回収できるレベルなので、同社のキャッシュフロー創出能力は非常に高いようです。カミソリではなく、まさにカミスリですね!(言ってみたかった!ありがとう39!)

 

【機器設置数と売上の推移】

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出所:会社資料より、ありがとう投信作成

 

 

 

また同社の販売体制もユニークで、全米に自社の販売人員を配置するのではなく、販売会社を通じて拡販しています。消耗品である紙資材についても販売会社を通して供給しており、いわゆるラストワンマイルに必要なトラックなど運搬機器の設備投資も抑えられるので、結果として、アセットライトな事業モデルとなり、固定費を圧縮でき、安定した収益性の実現に貢献しています。

 

【販売体制別の売上高構成】

2020年

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出所:会社資料より、ありがとう投信作成

 

 

 

販売提携しているネットワーク先はグローバルで240社を超え、平均して20年以上の付き合いがあり、強固な販売ネットワークに裏付けられた同社のグローバルトップシェアはそれ自体が新規参入を難しくする参入障壁になっているようです。

 

【提携期間別の販売会社・ネットワーク先の構成割合】

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出所:会社資料より一部抜粋

 

 

販売ネットワークはグローバル規模で広がっている

アジア市場での成長はこれから・・・

【地域別の売上高構成】

2020年

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出所:会社資料より、ありがとう投信作成

 

 

 

また、同社の顧客は33,000を超える大小さまざまなエンドユーザーから成っており、2017年のデータではその80%が$10,000以下規模の小規模事業の顧客になります。小規模事業者に対する価格交渉力は高くなる傾向があるので、これは同社利益の質の向上につながります。一方、大手の顧客としてはアマゾン、ウォルマート、メルセデスベンツ、ボッシュ、イケアなどがありますが、こういった超大手は交渉ベースで支払額を詰めるのに対して小規模事業者は前払いで決められた額を払う傾向が高いので同社の運転資金管理にもポジティブに働きます。ますます手持ちキャッシュフローが積みあがっていくイメージですね~

 

【エンドユーザー規模のイメージ】

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出所:会社資料より一部抜粋

 

 

 

実際に同社の利益水準を競合比較でザックリ把握してみましょう。まず梱包材ソリューションで利益率20%越えという点も驚きでしたが、同社はそんな業界の中でもトップレベルの収益性を実現できています。ニッチワールドを突き詰めていくと儲かるんですね~

 

【EBITDAマージンの競合比較】

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出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成

 

 

 

最後に参考までに株価を見て終わりましょう。正直なところ、株価は足元大きく調整しております。直近決算発表のコールを参考にすると、新しいERP導入の移行期間でオペレーションに悪影響が出ている点や、ウクライナ戦争による原材料高、紙を配送する一部のウクライナ出身のトラックドライバーが祖国に帰ることによるドライバー不足など、昨年までのコロナ禍の特需から比べると足元は向かい風の経営環境のようです。

 

以前紹介したリアル令和の運び屋:DSV Panalpina(デンマーク)や、ラストワンマイルを支える小さな巨人:Shyft Group(米国)Seaは広いな大きいな~♪:Sea(シンガポール)で様々な視点から物流業界に携わる企業について言及してきました。ひょっとしたら、この一連の業界で一番儲かっているのはニッチを突き詰めたRanpakなのかもしれませんね。

 

【上場以来の株価推移】

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出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価と指数は2018年2月26日を1として指数化、2022年4月末までの推移。外貨建ての株価と指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース

 

 

 

39!

ありがとう投信株式会社

ファンドマネージャー 真木喬敏

 

         

 

◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。

◆株価指数について:記載されている各国・地域市場の指数は特別注記が無い場合は以下の指数を使用しています。

【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)

【世界株】→FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)

【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)

【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)

【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)

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