ふるさと納税に、ありがとう
今年もこの時期がやってきました!そうです確定申告です!私は大学等から複数の収入があるので、毎年確定申告がmustになっていますが、サラリーマンの方でも最近はふるさと納税ブームなどから確定申告をされる方も増えてきたことと思います。確定申告と聞くと、なんとなくハードルが高いイメージですが、国税庁の確定申告等作成コーナーで簡単に申告書を作成できるので、確定申告がネックでふるさと納税をためらっている方は是非チャレンジしてみて下さい。さて、確定申告の周知・宣伝はこれくらいにして、これも何かの縁なので、今月の39トピックスでは小難しいマーケットの話はお休みにして、ふるさと納税について触れてみたいと思います。
そもそも『ふるさと納税』とは?という方は総務省のふるさと納税ポータルサイトを見ていただけると間違いないはずです。他にもグーグル大先生で検索すれば、星の数ほど懇切丁寧な解説サイトがあるので制度の概要についてはそちらをご参照ください。あえて一言で表現するのであれば、自分を育ててくれた『ふるさとに39!』という感じでしょうか。
出所:総務省より、一部抜粋
まず、ふるさと納税の実績を時系列で見ながら歴史を紐解いてみましょう。制度自体は結構昔からあって、2008年度から導入が開始されています。ただし下図の受入額と受入件数の推移を見ていただくとわかるように、本格的な普及は2015年度頃からになっています。この背景には、納税額が倍に引き上げられたことや、寄付先が5団体以内なら確定申告が不要なワンストップ特例制度が導入されたことが大きかったようです。
【ふるさと納税の受入額及び受入件数の推移】
出所:総務省より、ありがとう投信作成
次に、ふるさと納税に係る住民税控除額&適用者数の推移もチェックしてみましょう。当然ですが、ふるさと納税の受入額と同様に増加しています。ところで、ふるさと納税はどれくらいの方が実際に活用されているのでしょうか?気になりますね~ふるさと納税の限度額は個人住民税所得割額の約20%の水準になります。個人分の住民税総額は12.9兆円(平成30年度)なので、それに20%を掛けて簡便的に計算すると限度額は大体2.5兆円ちょっとになります。一方、足元のふるさと納税の受入額は0.48兆円くらいなので、これは日本全体の寄付額が限度額の10%後半くらいの規模に留まっていることを示唆します。まだまだ伸びしろは大きそうですね。
【ふるさと納税に係る住民税控除額及び控除適用者数の推移】
出所:総務省より、ありがとう投信作成
さらに下図で、ふるさと納税受入額の多い団体と、逆に住民税控除額の多い団体も確認してみましょう。冒頭の総務省のページでも解説があるように、ふるさと納税は本来生活している自治体で徴収すべき住民税の一部を『ふるさと納税』を通して、自身の故郷など生活している自治体とは異なる自治体へ住民税を割り振る制度設計なので、就労人口の多い大都市圏から住民税が流出し、人気のある自治体へ集中する構図になっています。この為、大都市圏から見ると、あまり39じゃない制度になっている面もあります。
【令和元年度におけるふるさと納税受入額の多い20団体】
【令和2年度課税における市町村民税控除額の多い20団体】
出所:総務省より、一部抜粋
上記の受入額の多い団体名を見ていると、とてもこれらの自治体を故郷とする人口が多いとは思えませんが、ふるさと納税を引き付けるどんな魅力があるのでしょうか?釈迦に説法だと思いますが、それは単に返礼品に魅力があるからです。『ふるさとに寄付』と言えば聞こえはいいですが、結局のところ何かしらの見返りが無いと人は動かないということでしょう。なおさらデフレワールドの日本では『返礼品が貰えないと損しちゃうわ!』ぐらいの勢いだと思います。下図ではふるさと納税募集に要した費用の対受入額割合の推移を表してみました。いわゆる返礼品の還元率は低下傾向にあります。2019年6月の法規制導入によって、寄付金額に対する返礼品の割合を3割以下に抑えることが義務化されたことなどをきっかけにお得感が低減したこともあり、受入額の伸びが鈍化していますが、魅力がまったく無くなったわけではないので、返礼品狙いという観点でもまだまだ魅力的な制度だと思います。
【ふるさと納税募集に要した費用割合の推移】
出所:総務省より、ありがとう投信作成
最新の費用割合の詳細を下図で見てみると、『返礼品の調達に係る費用』はちゃ~んと3割以下になっていますね。2番目に費用割合の大きな『事務に係る費用等』の定義は『ふるさと納税の専任職員の人件費、返礼品等に係る情報をポータルサイトに掲載するための運営事業者に対する委託料等』とのことなので、ポータルサイトを運営する企業はウハウハでしょう。%で見ると8%でたいした事なさそうですが、実額だと393億9千万円ですからね・・・リアル3939!ですよ。寄付金額に応じて『Amazonギフト券コード』を貰うことのできるサイトもあるので、住民税が巡り巡ってAmazonに落ちるというのも皮肉な話です。当ファンドではAmazonに投資しているのでこの点問題ない気はしますが・・・。さらに、『返礼品の送付に係る費用』も寄付金額の約8%を占めています。私は以前ソファを返礼品として貰いましたが、組み立て式ソファにもかかわらず超でかい段ボール2個で送られてきました。返礼品が商品券やギフトカードなどなら84円の郵便で済むのかもしれませんが、家具や定期的に送られてくる食材などの送料は馬鹿にならないでしょうね。2%を占める『決済等に係る費用』も深堀したい点です。内容としては『インターネット上のクレジットカード決済の手数料、金融機関の取扱い手数料等』とのことでした。最近、国税や地方税の一部をクレジットカードで支払うことができるようになってきました。身近なところでは、確定申告の所得税や住民税の普通徴収も一部の自治体ではクレジット支払いが可能になっています。私の経験上、こういった税のクレジット払いは大抵の場合手数料は納税者負担になっていると記憶しております。しかし、ふるさと納税では、下図の様に自治体側の負担になっているのでリアルにお得なのです。クレジットカードで貯まるポイントやマイルも寄付金額次第ではバカになりませんからね。約2%というのも、以前決済サービス業界の話をした際の手数料%とリンクしていて面白いですね~
【ふるさと納税募集に要した費用割合とリアル寄付分】
2019年度
出所:総務省より、ありがとう投信作成
参考までにですが、一応株式市場的にどんなインパクトあるのか私の頭でパッと思いつくふるさと納税関連銘柄の株価推移を見てみましょう。いずれの銘柄も当ファンドでは保有していませんので、あくまでもご参考までにです。『ふるさとチョイス』を運営するチェンジが強すぎて、他の銘柄の株価推移がよくわかりませんね・・・菅首相はふるさと納税の生みの親らしいので、菅政権関連銘柄として注目されたこともありました。
出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。株価と指数は2016年末を1として指数化、2021年2月22日までの推移。外貨建ての株価と指数はすべて日次で邦貨換算した日本円ベース。
世の中には様々な税があり、カネ払いだけでなく各種申告書作成に時間を割くことになるので、納税自体は基本的にはペインフルな作業ですが、ふるさと納税はこの点楽しみながらできるので、非常にユニークな制度だと思います。ただでさえコロナ対策で大量のカネをばらまいたので、そのつけは増税という形で回収されることになると思います。そんな悩ましい状況ですが、これを機に少しでもお得なふるさと納税にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
【オマケ:ふるさと納税返礼品紹介】
今まで述べてきたようにふるさと納税は賛否両論のある制度ですが、納税者視点で見ると返礼品が貰えるのでお得な制度には間違いないと思います。そこでオマケコーナーでは、最近お世話になった自治体の返礼品の中から、厳選していくつか紹介させてください。ふるさと納税に、感謝です。
以前は離島等日本各地を探検していたので、地域で使える商品券や旅行券の返礼品を選ぶ傾向がありましたが、コロナ禍で離島に行けなくなったのと、WFHで部屋が狭く感じることが多くなったので、最近はいつでも処分できる家具や、いつでもlet goできる子供のおもちゃという観点からスクリーニングしております。
●神奈川県厚木市:カバーリングフロアマット付きソファ
結構デカいです・・・送料もハンパなさそうですね。
子供が小さい間はこれでOKでしょ!
一応折り畳み式です。
●新潟県小千谷市:キッズ用テーブル&チェアセット
DIY系段ボール家具にもハマりました。数個プラスチックのビスを使いますが、なるべく段ボール同士で組み立てられるよう設計されています。大変勉強になりました。39です!
宮大工みたいな技術ですね~
子供が成長して、使わなくなったらリアル『ちゃぶ台返し』するのが夢です。決して、リアルマスオ状況でストレスが溜まっているということではございません。
●香川県東かがわ市:ダンボールマイホーム
DIY系段ボールおもちゃもございます。
こちらもちゃんと設計されています。感動しました!
名古屋城をイメージして、金のシャチホコ改めキャベツ持ったマナティーをのせてみました。インターホンのボタンまで押せるように設計されており、なんか押してみたい子供の気持ち目線で設計されていて、大変感心しました。役目が終えたら、進撃の巨人ごっこで躊躇なく破壊したいと思います。39 so much!
●香川県東かがわ市:ハッピーレール電車セット
子供用ばっかりで大変恐縮です。ふるさと納税の返礼品還元率ランキングを見ると上位は食べ物系が多いのですが、こういうおもちゃとかDIY段ボールシリーズとかいろんな種類の返礼品があります。『あ~こんなのあったんだ!』と検索するのも楽しくなりますし、この地域にはこんな企業があるんだな~と勉強にもなります。チャレンジしてみて下さい。
子供は総じて電車大好き。もれなく6種類ついてきます。
最終的には子供のおもちゃですが、実は作る工程が面白い!Netflixでドラマ版スノーピアサーを見ながら徹夜して全種類作りました!スノーピアサー版も作ってください!
もちろんカラーです。ビス、ノリ、ハサミなど道具は一切必要ありません。よくこんな設計図考えますよね~感心しながら全種類作っていたら朝になっていました!
一応、ふるさと納税生みの親の菅首相に忖度して秋田新幹線こまちから作り始めました。
2両目の屋根はポカっと外せる設計なので、小物入れになるみたいです。当ファンドで保有しているピジョンの哺乳瓶も乗ります。
朝起きてきた子供が見て驚くよう、かっこよく並べてみました。
大変喜んでくれました!一番気に入ってくれたのは成田エクスプレスでした!『施されたら施し返す、恩返しです』ということで、東かがわ市訪問して39ツアーブログ書かないとですね!早くコロナが収束して、お世話になった地方を訪ねて回りたいものです。
【勇者ヨシヒコ】 エヴァンゲリオン 最終回 比較
39!
ありがとう投信株式会社
ファンドマネージャー 真木喬敏
◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。
◆株価指数について:記載されている各国・地域市場の指数は特別注記が無い場合は以下の指数を使用しています。
【日本株】→FactSet Market Indices Japan 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→FactSet Market Indices US 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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