マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2020年4月より>
3月のマーケット動向
3月のマーケットの動きですが、世界株式市場は新型コロナウイルスの影響で歴史的な急落相場になりました。月前半から中盤にかけては米FRBが緊急利下げをし、さらにトランプ政権の経済対策観測もでましたが、新型コロナウイルスの感染拡大自体には無力で、株価は下げ止まりませんでした。
さらに、WHOがパンデミックを表明し、トランプ大統領が『欧州からの渡航者を30日間制限する』と表明したことから、世界景気悪化の懸念がさらに強まり、世界株式市場はさらに下落しました。
下記主要株式指数推移を参照していただくとお分かりいただけますように、総じて下げる相場でしたが日本株の下げ幅が限定的に見えます。前月まで大きく下げていたことと、日銀のETF買いの規模が1回あたり約1000億円から約2000億円へ倍増させ、10回購入し、月間合計1.5兆円買い支えした点が大きく寄与したと思われます。とても持続可能な金融政策とは思えませんが・・・
【米ドル円、ユーロ円推移】2020年2月29日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2020年2月29日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
ありがとうファンドの運用状況
ありがとうファンドの3月月間騰落率は16.1%の下落となりました。世界株は13.8%の下落でしたので、相対的に見ても下げた1ヶ月になりました。参考までに日本株は6.0%の下落となりました。
月中の売買状況については、ABエマージング・ロウボラファンドを一部解約し、アバディーンの小型株2ファンドが大きく値下がりしたタイミングで買い付けました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(2月末)】
【ポートフォリオ(3月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
今後の見通しについて
今後の見通しについては、各種地政学リスク・新型コロナウイルスなど一過性のイベントなどで、短期的には景況感が下振れることがあっても、長期的にはファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の回復・成長のトレンドには変わりはないと考えております。
下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元では、すべての国・地域で企業利益の成長が鈍化しているように見受けられます。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これから中長期の人口動態や、GDP成長率を見る限りエマージング株式市場が最も投資妙味のある地域と考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2020年3月末までの推移
今後の運用方針について
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。直近のコロナショックにより株式市場だけではなく、債券市場、金からも多くの資金が流出しており、その多くは現金として投資家のポケットにあります。新型コロナウイルスによる経済に対する影響はまだ計り知れませんが、いずれは収束する現象であり、流出した資金も市場へ戻ってくることでしょう。ありがとうファンドは、高値で売って、底値で買うといったタイミングを見て売買を繰り返すファンドではありません。あくまでも世界経済の成長を競争力のある国内外の企業に厳選投資することにより、長期・持続的に基準価額の上昇という形で享受することを目標としております。厳選企業の競争力は長期的なビジネスモデルに裏付けられたものであり、当ファンドは変わりなく長期投資を継続します。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2019年7月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
投資先ファンドの状況について
月間騰落率については、パニック相場で市場全体が大きく下げる中、市場平均と比べて大きく下げ止まった欧州を担当するアリアンツ2ファンドや、ABアメリカン・グロースファンド、コムジェスト日本株式ファンドなどが瀬戸際の瀬戸際で持ちこたえてくれました。
一方、小型株式市場全体から大きく資金流出があったなどの影響もあり、アバディーン小型株式2ファンドが大きく値を下げ、当ファンドの基準価額下落の要因になりました。
ファンドの詳細は下記の『ありがとうブログ』をご参照ください→
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
投資先ファンドの運用パフォーマンス
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→ TOPIX 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→ FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→ FactSet Market Indices United States 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→ FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→ FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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