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【今、話題の法律問題シリーズ、これだけは押さえておこう!】第4回 知っておくべき民法改正《セミナーダイジェスト後編》

2019年09月12日(木)

【今、話題の法律問題シリーズ、これだけは押さえておこう!】第4回 知っておくべき民法改正《セミナーダイジェスト後編》

 次に、民法(相続法)の改正内容について見ていきます。

 

 今回の平成30年相続法改正は、被相続人と共同生活を営み、家事や介護を担ってきた配偶者の保護を一つの目的としています。

  

 

 

 改正内容の1点目としては、「配偶者居住権」が新設されました。

 

 

 「配偶者居住権」とは、相続を開始した時(被相続人が死亡した時)に被相続人の所有していた住宅に住んでいた生存配偶者について、原則としてその配偶者が亡くなるまでの間、その住宅に賃料などを払うことなく無償で利用し続けることを認める権利のことをいいます。施行日は、2020年4月1日になります。

 

 ポイントとしては、相続開始のときに居住していた配偶者に認められる権利であり、①遺産分割、②遺贈・死因贈与、③家庭裁判所の決定のいずれかによって成立し、建物の使用は無償です。居住建物の所有者は配偶者に対して、配偶者居住者の設定の登記を備えさせる義務を負います。配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間になります。(改正民法1030条)

 

 この配偶者居住権は、例えば、家しか財産がなくて家族の仲が悪い場合などに、配偶者の住む場所がなくならないように保護する目的で新設されました。

 

 

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 改正内容の2点目は、配偶者に対する住宅譲渡に関してです。

 

 

 結婚期間が20年以上の夫婦に限定されますが、配偶者間で住居を生前贈与したり、遺贈したりしてもこれが特別受益と評価されず、遺産分割の計算対象から外れることになります。施行日は、2019年7月1日からになります。

 

 ポイントとしては、従来は遺贈・贈与で家や土地などを配偶者に渡しても、相続では遺産の先渡しとして計算されるため、結果として配偶者の取得額が増えるわけではありませんでしたが、改正により、居住用の家・土地を配偶者へ遺贈・贈与した場合は、住居が特別受益と評価されないため、結果として配偶者の遺産の取得額が増えることになりました。

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 改正内容の3点目は、自筆証書遺言の要式の緩和についてです。

 

 

 自筆証書遺言は「全文を自書する」ことが成立要件とされていますが(民法968条)、改正法では財産の一覧を示す「財産目録」はパソコンでの作成が可能となりました。これにより、負担軽減による遺言の普及と誤字脱字等によるトラブル防止が期待できます。この改正は2019年1月13日から既に施行されています。

 

 ポイントしては、目録をパソコンで作ることも可能になり、さらに、土地については登記事項証明書を財産目録として添付することや、預貯金について通帳の写しを添付することも可能になりました。但し、目録の各頁にも「署名押印」は必要になります。また、本文は自署しなければならないところは変わっておりません。

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 改正内容の4点目は、法務局による自筆証書遺言の保管についてです。

 

 

 「法務局における遺言書の保管等に関する法律」により、公的機関である全国の法務局で保管できるようにして相続人が遺言の有無を調べられる保管制度が導入されることになりました。これにより、自筆証書遺言を法務局に預けた場合は、家庭裁判所で相続人が立ち会って内容を確認する「検認」の手続きが不要となります。施行日は2020年7月10日になります。

 

 ポイントとしては、自筆証書遺言を作成したら、その遺言を法務局に保管してもらえるようになること、法務局の保管の際に、遺言書としての形式要件が整っているか確認が入るため、形式要件を欠く心配が少ないこと、自筆証書遺言は自宅や貸金庫などに保管するしかなく、紛失、隠匿や、相続人が遺言に気づかないという可能性もあったが、そのリスクを減らすことができること、遺言書の検認手続は不要で、遺産の承継者は、すぐに相続手続可能となることです。

 

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 改正内容の5点目は、金融機関の「仮払い制度」の創設についてです。

 

 

 被相続人の遺産は、亡くなった時点で相続人全員によって共有している状態となるため、遺産分割協議成立前に銀行に預けているお金を勝手に引き出すことはできませんでしたが、民法改正案では生活資金や葬儀代などを被相続人の預貯金から引き出すことが可能となります。施行日は2019年7月1日で、仮払の上限は下記の計算式で算出されて、一つの金融機関の上限金額は150万円になる見通しです。

 

 「相続開始時の預貯金債権の額(預貯金残高)× 1/3 × 仮払いを求める相続人の法定相続分」

 

 ポイントとしては、相続された預貯金について、相続人全員の同意がなくても、遺産分割協議前に払戻しが受けられることです。裁判手続きは不要で、金融機関の窓口で直接仮払いの請求をすれば足ります。但し、払戻しの請求をする相続人の相続分を金融機関に照明するために、戸籍謄本の取得や相続人関係図などを作成し、法定相続人の数を明らかにすることが必要になりますので、法定相続情報証明制度※を活用すると便利でしょう。また、仮払いを受けた場合は、その金額分を遺産分割の際に具体的な相続額から差し控えることになります。 

 

 

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※法定相続情報証明制度とは

 登記所(法務局)に戸除籍謄本等の一式を提出し、併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出すれば、登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付してもらえます。その後の相続手続きは、法定相続情報一覧図の写しを利用することで、戸除籍謄本等の一式を何度も出し直す必要がなくなります。

 

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 改正内容の6点目は、介護した親族の請求権についてです。

 

 

 法定相続人ではない親族(例えば、長男の嫁など)が被相続人の介護や看病をするケースがありますが、現行法ではこの場合の当該親族は遺言がない限り、介護や看病に対しての何らかの報酬を受けることはできませんでした。それに対して、改正法では相続人ではない親族が被相続人の介護や看病に貢献した場合は金銭請求できるようになりました。施行日は2019年7月1日です。

  

 ポイントとしては、これまで介護や看病の貢献は「寄与分」として、相続人にのみ考慮されていましたが、改正により、相続人でなくても、介護や看病をした人は、金銭的な請求をすることができるようになりました。

  

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以上、民法の改正内容について、債権法、相続法に分けて見てきました。

 

 

 最後に本日のまとめですが、改正内容としては、これまでに確立された判例法理や法解釈を明記したものが多いですが、民法改正による影響は色々とあります。特に、相続法の改正は、皆さんに、大きな影響を及ぼすことがあります。改正法についても最低限の知識を持っていることで、自分の身を守ることができることも多いため、是非、知識のアップデートをしていきましょう!

 

 

 今年の全4回シリーズ法律問題セミナーは今回で最後になりますが、来年も新たなテーマで法律セミナーを開催したいと思っています。

 

 来年もどうぞよろしくお願いいたします!

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