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コーヒーカップのサイズと投資のリターンの関係

コーヒーカップのサイズと投資のリターンの関係

ありがとうファンドの米国株部分の運用を担当しているアライアンス・バーンスタイン米国大型成長株チームの最高投資責任者のフランク・カルーソ(以下、フランクおじさん)が興味深いレポートを公開されましたので、受益者の皆様に共有させていただきます。

    

レポートの詳細は下記をクリックしてください(ABのページに飛びます)。

『コーヒーカップのサイズと投資のリターンの関係』

   

   

   

以下、真木的補足になります。

  

米国経済では個人消費が経済全体(名目国内総生産:GDP)の約70%を占めており、個人消費の拡大が企業利益の拡大に寄与しやすい経済構造になっています。同様に、先進国では基本的には個人消費が経済全体をけん引する経済構造になっており、日本でも約56%が個人消費によって支えられている経済構造になっています(2018年9月末時点)。ただし米国と異なり、デフレマインドがハンパなくて個人消費の弱い日本では、GDP全体の伸びは米国と比べてかなり低位ですが・・・。

  

米国の名目国内総生産(GDP)構成比率(支出ベース)の推移

ind cons.jpg

出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。1959年1月末より、2018年10月末までの推移。%は2018年10月末時点の割合

   

  

  

日米名目国内総生産(GDP)と株価の推移

japan.jpgUS.jpg

出所:ファクトセット、IMFより、ありがとう投信作成。株価とGDPは1993年1月末を100として指数化、GDPはIMF World Economic Outlook Database October 2018 Editionより、GDP2017年以降はIMFの予想値

  

  

  

次に、下図で米国失業率の推移と可処分所得の推移を見てみましょう。雇用環境は今までにないほどに改善している点が確認いただけると思います。ほとんど皆働いていて、使えるお金が増えれば、そりゃ個人消費も伸びますよね。

  

米国の失業率の推移と個人の可処分所得増減率(前年同月比)

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出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成

  

  

  

こういった景気が好調な局面では、消費者には高級商品を購入する余裕が生まれて、企業は自社商品のプレミア化により企業利益の質を改善させる傾向があり、その点をフランクおじさんはレポート内で、米国のコーヒー業界と自動車業界を例に分かり易くお話しされています。しかしこれは景気が後退局面に陥った際には、高級商品に対する消費者マインドが低下することも意味し、高級商品に頼りすぎた企業の利益の下方リスクについても言及されています。

  

レポート後半では、米国内で高価格帯のピックアップ・トラックやスポーツ用多目的車(SUV)の販売台数比率が着実に上昇していているといった例があったと思います。その背景には自動車メーカーがこういった1台当たり利益率の高い商品を売りたい動機と、消費者である個人の消費マインドの改善があるのでしょう。ただし油断は禁物、下図のように自動車ローンは右肩上がりです。景気がいったん冷え込むと、失業率は増加して、可処分所得の増加も鈍化するでしょう。そうなれば、自動車ローンを返済できなくなる人も増えていき、ローンを提供している金融機関などは貸し倒れに備えて引当金を積む(当期純利益にマイナスの影響)ことになるでしょう。そうやって、景気敏感セクターを中心に企業利益は低迷することが容易に想像できます。この点は、弊社の『世界の景気敏感セクターをのぞいてみよう!』セミナーや『ありがとう39ランキング』で詳しく取り上げていますので、興味ございましたらのぞいてみてください。

  

米国家計債務の推移

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出所:ファクトセットより、ありがとう投信作成。1999年3月末を100として、2018年12月末までの推移

  

  

  

フランクおじさんはレポートの最後で、マクロ経済や企業収益の成長が鈍化している今日の市場環境において、投資家は企業の売上ミックスに注目すべきと結んでいます。『売上ミックス』という言葉はあまり聞きなじみのない言葉かもしれません。米国の自動車業界の例で説明すると、高価格帯で1台当たり利益貢献の大きなピックアップ・トラックやSUVも、1台当たり利益貢献の小さなセダンやコンパクトカーも1台売れれば販売台数としては同じ1台です。同じ1台を売るなら、利益貢献の大きい1台を売ったほうがよくて、この例でいうとピックアップ・トラックやSUVの販売台数が多い会社ほど『売上ミックス』の改善がみられるといったイメージでしょう。

  

ピックアップ・トラックとか言われてもよくわかんねーぜと思われる方は、日本の軽自動車と乗用車(登録車)をイメージしてもらうと分かり易いかもしれません。通常軽自動車は、乗用車より価格帯が低位で、自動車メーカーにとっての利益貢献も小さい傾向にあります。下図ではスバル(旧富士重工)を例に分析してみました。そもそも足元の国内販売比率が13%ぐらいしかないので、海外販売も含めた1台当たりの営業利益の推移で、国内軽自動車販売抑制による『売上ミックス』の改善度を確認するにはお粗末な図かもしれませんが、全体の売上構成の中で軽自動車の販売割合を低位にすることにより『売上ミックス』が改善され、1台当たりの営業利益も改善されているざっくりしたイメージはつかめると思います。(スバルは2008年4月に軽自動車の開発・生産から撤退しOEM調達に切り替える旨発表した。)

  

1台当たり営業利益の推移と

国内販売台数比率・軽自動車販売台数比率の比較

(スバル)

subaru.jpg

出所:ファクトセット、会社資料より、ありがとう投信作成

  

  

  

もう少し視点を広くして、日本国内で売られている車の構成で見てみましょう。軽自動車の販売台数の割合は30%後半あたりまで増加しているので、国内市場は構造的に『売上ミックス』が改善しにくい市場といった見方もできますね。価格帯の高いピックアップ・トラックやSUVがたくさん売れる米国とは大違いですね。

  


j car.jpg

出所:JAMAより、ありがとう投信作成

  

   

    

また、少し余談になりますが、日本は台数も稼げない市場ですね。

  

自動車販売台数の推移

(主要国・地域別)

w car.jpg

出所:OICAより、ありがとう投信作成

  

  

  

少し難しい内容だったかもしれませんね。弊社では3月後半から第15期ありがとうファンド半期運用報告会』を全国で開催いたしますので、今回取り上げた点もその際にフォローアップさせていただけたらと考えております。ご興味ございましたら、参加ご検討いただけますと幸いでございます。

  

  

39!

ありがとう投信株式会社

ファンドマネージャー 真木喬敏

         

◆記載内容について: 資料に記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。

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