マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2019年2月より>
<1月のマーケット動向>
1月のマーケットの動きですが、大幅安となった前月から過度な悲観が後退して、世界株式市場は上昇した1ヶ月になりました。
序盤は中国や米国の景況感を示す各種経済指標が発表されましたが、前月に続き悪化したことから景気後退懸念がさらに強まり、世界株式市場は低調なスタートになりました。また、アップルが中国の景気悪化を主因として、1~3月のiPhone販売見通しを下方修正したことも市場心理を冷やしました。
一方中盤では、米中通商協議が楽観ムードで終了したことを受け、景気悪化懸念が後退し、世界株式市場は上昇基調で推移しました。後半では、1ヶ月以上続いていた米国の政府機関閉鎖がひとまず解除されることになったこと、米国の金融政策についてパウエルFRB議長等が政策運営に対して柔軟な姿勢を示したことなどが好感され、上昇基調が続きました。
下記現地通貨ベースの指数推移を参照していただくと、今月は昨年大きく売られていたエマージング株式市場が相対的に上昇したのがご確認いただけると思います。
【米ドル円、ユーロ円推移】2018年12月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2018年12月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの1月月間騰落率は5.5%の上昇となりました。
今月は、前月からの過度な悲観が後退して買戻しが進んだ1ヶ月になりましたが、相対的に日本株式市場への買戻しは低位で、ありがとうファンドでは日本株の保有割合が比較的低位だったこと、また相対的にパフォーマンスの良かったエマージング株式市場を投資対象とするファンドの保有割合が多かったことなどから、TOPIX配当込み(+4.9%)に対してはアウトパフォームしましたが、世界株の株価指数(+7.1%)に対しては出遅れる結果になりました
1月中の売買状況については、キャピタルICAファンドを一部売却しました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(12月末)】
【ポートフォリオ(1月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、各種地政学リスクなど一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元は減税政策の影響などで米国市場の堅調さが目立ちますが、中長期的には今まで低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場の伸びしろは大きいと考えています。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2019年1月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、米国株式市場を主な投資対象としている3ファンド(ABアメリカン・グロース、キャピタルICA、アバディーン北米小型)、ヨーロッパ株式市場を主な投資対象としている3ファンド(アリアンツ・ヨーロッパセレクト、コムジェスト・ヨーロッパ、アリアンツ・ユーロランド)、エマージング株式市場を主な投資対象としているABエマージング・マルチファンドがそれぞれの国・地域参考指数(円ベース)に対し好調なパフォーマンスを実現しました。
先月は日経平均株価が1,000円以上下げた日もあり、月間を通して大きく下げた月でした。一方今月は過度な悲観が後退して、買い戻され緩やかに上昇する1ヶ月になりました。先月の同じページの月間騰落率と今月のこのページの月間騰落率を比べてみると、この点がはっきりご確認いただけると思います。国際分散投資で長期に資産形成を目指すありがとうファンドでは、短期的な相場に一喜一憂せず、時間分散を粛々と実践することで、短期的にはデコボコする市場環境においても、長期的にはなだらかなパフォーマンスを享受いただけると考えております。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→TOPIX配当込み
【世界株】→MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックストータルリターン
【米国株】→S&P500 トータルリターン
【欧州株】→MSCI ヨーロッパ トータルリターン
【エマージング株】→MSCI エマージング トータルリターン
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