ありがとうの本棚(今月の一冊『どうする財源 』)
どうする財源ーー貨幣論で読み解く税と財政の仕組み
(祥伝社新書 676) 新書 - 2023/3/31中野 剛志 (著)
少子高齢化が進む日本では、増え続ける社会保障関係費で国の財政が逼迫しています。税金と社会保険料を合わせた国民負担率は2022年度には47.5%になる見込みであり、令和の五公五民と言われる状況になっています。
ロシアによるウクライナ侵攻や米中対立などの地政学リスクの高まりに備えて防衛費を増額したり、異次元の少子化対策を実施したりする上でも財源をどうするかは避けて通れない問題です。政府では、増税や社会保険料を増額する方向で話が進んでいますが、「これ以上手取りが減って負担が増えたら生活が大変だ。」「日本の将来は大丈夫なのか?」と不安に思っている皆さまも少なくないと思います。
本書は、財源について貨幣論や資本主義の本質から考えていき、税と財政の仕組みから現在の日本はどうしていけばよいのか一つの答えを導き出してくれています。なぜ世界経済も諸外国も成長しているのに、30年間、日本は経済成長せずに停滞衰退してデフレで苦しみ低迷してきたのか、現在のコストプッシュ型インフレに対して日本はどのような経済政策をとればよいのかなどについてもわかりやすく解説してくれています。
政治家や官僚、経済学者、マスコミ(テレビ、新聞、雑誌)などが一般的に言っていることを常識だと思っている人にとっては読めば目から鱗が落ちること間違いなしです。日本経済の現在、そして将来に関心があるすべての皆さまに是非一読して今後どうするべきか考えてもらいたい一冊です。
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