ありがとうの本棚(今月の一冊『西洋の敗北』)
西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか 単行本 - 2024/11/8
エマニュエル・トッド (著), 大野 舞 (翻訳)
ロシアによるウクライナ侵攻から早いもので3年が経ちましたが、米国でトランプ大統領が就任したことによってようやく停戦・和平交渉への話が具体的になり始めてきました。地政学は各国の利害が複雑に絡み合うので、どちらが善い悪いと一概に決めつけることは出来ず、国や立場によって見方は大きく変わってきます。
今月ご紹介する本は、15ヵ国以上で翻訳され、世界的ベストセラーになったフランスの歴史人口学者・家族人類学者であるエマニュエル・トッドの地政学の本です。
2023年9月に執筆されたものですが、ウクライナやロシア、米国や欧州で、何が起こっているのか、著書の独特な興味深い視点で書かれている本です。
本書の中で著者は、ウクライナの敗北は明らかであるが、米国は戦争継続でウクライナを犠牲にしていること、ロシアは米国よりも軍事的優位に立っていること、ロシアに対する経済制裁によってロシアを破綻に追い込むはずが、逆に欧州や米国が自滅していること等についても述べています。
日本の大手マスコミ(新聞やテレビ等)ではほとんど報道されない内容ばかりなので、ご興味があれば是非読んでみてください。これからの世界がどうなっていくのか、自分の頭で考えていく上で、一つの参考になると思います。
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