マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2019年3月より>
<2月のマーケット動向>
2月のマーケットの動きですが、引き続き米国政治、米中貿易摩擦の動向に左右される相場になりましたが、総じて年初からの上昇基調を引き継ぐ形の1ヶ月になりました。
序盤は米中通商協議について、トランプ大統領が交渉期限である3月1日まで首脳会談開催を否定したことなどが嫌気され、世界株式市場が総じて下落する局面もありましたが、その後米国政府機関の閉鎖回避への期待が高まったこともあり、持ち直す展開になりました。
中盤から後半にかけては、トランプ大統領が国家非常事態宣言に署名するとの報道が相場を押し下げる場面も見られましたが、米中通商交渉がワシントンで再開されたこと、トランプ大統領が米中通商問題の合意に至る可能性があると述べたことなどが好感され、上昇相場に転じました。
下記現地通貨ベースの指数推移を参照していただくと、エマージング株式市場が他の国・地域株式市場に比べてやや出遅れ感が見られる1ヶ月になりました。
【米ドル円、ユーロ円推移】2019年1月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2019年1月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの2月月間騰落率は4.9%の上昇となりました。
今月も年初からの回復相場が継続し、世界株式市場は昨年末に大きく売られたところからの買戻しが進んだ1ヶ月になりました。しかしながら、パキスタン国境でのテロをきっかけにインドとの関係緊迫化や、米朝協議決裂など一部のエマージング株式市場ではネガティブニュースがあり、エマージング株式市場の上昇は限られました。そんな中、エマージング株式市場を投資対象とするファンドの保有割合が多いありがとうファンドでは、世界株の株価指数(+5.1%)に対してはやや低調なパフォーマンスになりました
2月中の売買状況については、キャピタルICAファンドを全売却しました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(1月末)】
【ポートフォリオ(2月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、各種地政学リスクなど一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元は減税政策の影響などで米国市場の堅調さが目立ちますが、中長期的には今まで低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場の伸びしろは大きいと考えています。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2019年2月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、先進国市場を投資対象としている投資先ファンドの好調が目立ちました。個別の投資先ファンドでは、米国株式市場を主な投資対象としている2ファンド(ABアメリカン・グロース、アバディーン北米小型)、ヨーロッパ株式市場を主な投資対象としている2ファンド(アリアンツ・ヨーロッパセレクト、アリアンツ・ユーロランド)、がそれぞれの国・地域参考指数(円ベース)に対し好調なパフォーマンスを実現し、ありがとうファンドの基準価額上昇に寄与しました。特に、昨年から組み入れを開始したアバディーン北米小型ファンドの好調な1ヶ月となりました。
一方、エマージング株式市場を主な投資対象としているABエマージング・ロウボラのパフォーマンスがやや低迷しています。これは、ブラジル株式市場の保有割合が低位であったことが、主な要因になっております。この点については、つい先日ニューヨークを拠点でファンドを運用されているサミー鈴木氏が来日され、詳しい報告も受けていますので、詳細については今月後半から開催される半期運用報告会でフォローアップさせていただければと考えております。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→TOPIX配当込み
【世界株】→MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックストータルリターン
【米国株】→S&P500 トータルリターン
【欧州株】→MSCI ヨーロッパ トータルリターン
【エマージング株】→MSCI エマージング トータルリターン
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