アセット・ロケーションって何?有利な投資制度は?~DC(iDeCo)、NISA、課税口座の比較と活用のポイント~【中編】
ここでDC(確定拠出年金)について、さらに詳しく見ていきたいと思います。
DCには企業型と個人型の2種類があります。今年の1月に法改正されたことにより、今まで加入対象外となっていた第3号被保険者である専業主婦や公務員も個人型の制度に加入できるようになり、60歳未満のすべての現役世代の方が企業型DCか個人型DC(iDeCo)のいずれかに加入できるようになりました。
企業型と個人型の違いについては以下の通りとなります。
拠出限度額は条件によって変わってきますので、まずは自分がどこに該当するのかを確認する必要があります。
企業型と個人型の一番の大きな違いは手数料の負担が会社負担か個人負担かいうことになります。企業型は会社が運営管理機関手数料等を負担しますのでかかりませんが、個人型の場合は自己負担することになります。運営管理機関によって手数料に差があり、無料としているところもありますが、個人型(iDeCo)の場合は国民年金基金連合会と資産管理機関への手数料として年間2,004円(月額167円)は最低でもかかるので注意が必要です。
掛金が全額所得控除されるので会社員や公務員の方であれば拠出額の節税効果で年間手数料がかかったとしても十分にメリットを享受することができますが、専業主婦のように所得がない人にとっては所得控除のメリットがないので運用成果にかかわらず、手数料分だけ確実に毎年差し引かれていくのでDCを利用するメリットが本当にあるのか考える必要があります。
また、DCについては老後の資産形成が目的のため税制優遇がある代わりに60歳まで引き出すことができません。余裕資金の積立をすべてDCでしてしまうと住宅購入や教育費で一時的にまとまったお金が必要になった場合など、いざと言う時に引き出せずに困ってしまいますので注意が必要です。さらに、一度DCを始めてしまうと途中で掛金の金額を変更することはできますが止めることができないので、始める場合は慎重に検討してからにした方がよいでしょう。
アセット・ロケーション(口座配分)を考える場合、全体のライフプランを考えた上でどの口座を利用していった方がよいのかをトータルに考えていく必要があります。税制優遇だけに捉われると思わぬ落とし穴があったりします。
また、既にある程度の金額の余裕資金を持っている方にとっては、NISAやDCは投資金額の上限が少なく、様々な制限があるので無理に利用しなくてもよいのではないかという考え方もあります。
(後編へ続く)
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