マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2019年9月より>
<8月のマーケット動向>
8月のマーケットの動きですが、引き続き米中貿易摩擦に左右され、さらには米国債にて逆イールドが観測されたことなどから、低調な1ヶ月になりました。
序盤では、トランプ大統領が中国への追加関税第4弾を示唆したことにより、世界株式市場は総じて急落しました。また、米国が中国を為替操作国に指定すると発表したことも嫌気されました。中盤から後半にかけては、米国で逆イールド(10年米国債と2年米国債)が観測されたため、今まで市場を牽引してきた米国経済の景気後退懸念から、株式市場は低調に推移しました。
下記現地通貨ベースの指数推移を参照していただくと、欧州株と米国株は日本株ほど下げませんでしたが、為替を加味して日本円ベースで比較すると、苦しい1ヶ月でした。金融緩和の持ち球の少ない日銀と他の主要国中央銀行との金融緩和の余力差が意識され、為替は円高基調になっているようです。
【米ドル円、ユーロ円推移】2019年7月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2019年7月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの8月月間騰落率は5.1%の下落となりました。世界株も同様に5.1%の下落でした。一方、日本株は3.4%の下落となり一見すると日本株が相対的にアウトパフォームする1ヶ月でしたが、年初から世界株式市場にくらべて下げ続けていたので、これ以上下げられなかっただけでしょう。
8月中の売買状況については、売買を見送りました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(7月末)】
【ポートフォリオ(8月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、各種地政学リスクなど一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元では、すべての国・地域で企業利益の成長が鈍化しているように見受けられます。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これから中長期の人口動態や、GDP成長率を見る限りエマージング株式市場が最も投資妙味のある地域と考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2019年8月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2019年7月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、ABアメリカン・グロースファンドや、ABエマージング・ロウボラファンドなどが市場相対でアウトパフォームしたこと、金ETFであるiシェアーズゴールドが株式市場とは異なる動きをしてくれた点などがありがとうファンド全体のパフォーマンスに対しプラスに寄与しましたが、一方米中貿易摩擦懸念が意識される市場環境において、今月は特に新興国株が低調で、当ファンドでは長期的に投資妙味があると考えて新興国株の保有割合を多めに配分していたため、8月単月ではマイナス寄与の大きな要因になりました。
年間騰落率については、米中貿易摩擦や、10年以上続いている景気拡大局面の終焉などを警戒してか、引き続き金が買われており、大きく値を上げています。大前提として先行き不透明感のない時代なんてありませんし、未来のことは誰もわかりません。そして相場が上下に振れると心理的に不安になる点も当然のことだと思います。そんな環境ですが、当ファンドでは短期的なマーケット動向に左右されず、王道の王道である長期、厳選・国際・資産クラス分散投資を継続することにより、少しでもリスクを低減できると考えております。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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【日本株】→ TOPIX 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→ FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→ FactSet Market Indices United States 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→ FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→ FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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