【今、話題の法律問題シリーズ、これだけは押さえておこう!】第2回 投資にまつわる法律問題《セミナーダイジェスト前編》
2019年07月01日(月)
先月6月22日(土)に弊社オフィスで弁護士の宇田川先生の【今、話題の法律問題シリーズ、これだけは押さえておこう!】の第2回セミナーを開催いたしました!
第2回のテーマは、投資にまつわる法律問題ということで、投資詐欺に関する問題、仮想通貨の詐欺に関する問題、投資詐欺にあったらどうなるかについて取り上げていただきました。
まずは投資詐欺に関する問題についてですが、よくある投資詐欺の手口として、未公開株、ファンド形式、社債、出資、株・FXのシステムトレード(自動売買プログラム)、外国通貨、劇場型、なりすましなど様々な手口、形態がありますが、投資詐欺を見分けるポイントは次のようにある程度共通しています。
①「異常に高い利回りは怪しい!」
通常は高くても3%前後であり、10%を超える場合は要注意です。高い利回りには高いリスクがあるハイリスク・ハイリターンが原則です。
②「元本保証はあり得ない!」
現在、リスクフリーレートである10年長期国債利回りはマイナス金利になっています(2019年6月28日時点)。高い利回りを提示されているのに元本保証は基本的にはありません。ノーリスク・ハイリターンの投資話があったら怪しいと思って頂いて間違いありません。
③「海外の投資案件は要注意」
海外の不動産などの投資案件は、現地に行って投資物件の確認ができないので、投資詐欺に使われやすいので注意が必要です。
④「契約を急がせる場合は要注意」
調べたり、確認したり、誰かに相談されないように、すぐに契約させようとする場合が多いので、急がせたりするケースは特に注意する。
⑤「勧誘してくる人が成りすましている場合もある!」
例えば、証券マンに成りすましている場合などもあるので注意する。
⑥「マルチ商法のような勧誘方法も要注意」
マルチ商法のように勧誘する方法の投資詐欺もあるので注意する。
⑦振り込み以外での支払いは危険信号!」
現金支払いを求めてくる場合は特に注意する。現金は証拠が残らないので脱税とも関係して投資詐欺で利用されるケースが多いので要注意である。
最近、実際にあった投資詐欺の事件として、以下のような事件がありました。
「実体のない投資話で金を集めだまし取ったとして、愛知県警などは13日、詐欺の疑いで「テキシアジャパンホールディングス」(千葉市中央区)の実質経営者(41)ら男女10人を逮捕した。県警はいずれも認否を明らかにしていない。県警生活経済課によると、出資者は全国47都道府県の約1万3000人で、計約459億円を集めていた。逮捕者には指定暴力団山口組の弘道会系組幹部、中村外喜治容疑者(66)が含まれ、県警は暴力団側に金が流れたとみて調べている。逮捕容疑は2016年7月~17年7月、事業の実体がないのに、愛知県碧南市の会社役員男性(64)ら3人に「1口100万円出資すると毎月3%の配当が支払われる」などとうそを言い、現金計6400万円をだまし取った疑い。同課などによると、テキシアは各地でセミナーを開き、「日本を元気にする」などの掛け声で集金。天然資源の開発や事業投資での運用をうたっていたが、実体はなかったとみられる。」(2019年2月13日 時事ドットコムより)
この事例で注意すべきところは毎月3%の配当が支払われるという点であり、年利換算(単利)すると36%になるので、明らかに怪しいのですが、3%という数字だけ見ると詐欺っぽくないところが騙されてしまうポイントのようです。
一般的にこの手の投資詐欺は出資させた後、1回2回はきちんと約束通りに配当が支払われて投資家を信用・安心させてだまし取る手口のようです。当然ながら支払われた配当金は自分が出資したお金の一部が戻って来たに過ぎませんので十分に注意しましょう。
(後編へ続く)
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