マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2018年9月より>
<8月のマーケット動向>
8月のマーケットの動きですが、引き続き米中貿易摩擦懸念と米国とトルコとの関係悪化などが意識され、米国を除く世界株式市場は総じて低調に推移し、一方米国株式市場は一人勝ちの相場でした。
序盤は米中貿易摩擦激化への懸念で総じて方向感のない相場でした。中盤にかけては、米国とトルコとの関係悪化によりトルコ経済の悪化懸念からトルコ・リラ、その他の新興国通貨が売られ特に米国を除く世界株式市場が大きく下落しました。後半では、米中通商協議の再開などから、円安株高に転じました。
さらに、トランプ政権がメキシコと新たな二国間貿易協定に署名すると発表したことなどから、米国株式市場はさらに上昇し、他の地域株式市場も中盤まで売られていた分、反発、上昇しました。一方、NAFTA改訂を巡る米国とカナダの通商協議は月末までに合意できなかったこと、トランプ大統領が9月にもさらなる対中関税発動を支持していると報道されたことなどが嫌気され、下落基調で月を終えました。
下記の現地通貨ベースの指数推移を参照していただくと、米国株式市場の一人勝ちだったことが確認いただけると思います。
【米ドル円、ユーロ円推移】2018年7月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2018年7月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの8月月間騰落率は0.2%の上昇となりました。世界株式市場の市場平均と比べると、ありがとうファンドが組み入れているアクティブファンドの多くが市場平均のパフォーマンスを上回ったため、アウトパフォームすることができました。
8月中の売買状況については、昨年からありがとうファンド全体の信託報酬を下げるべく信託報酬が安くかつ優れた運用パフォーマンスを有するファンドの組入を開始した背景から、コムジェスト・ヨーロッパをアリアンツ・ヨーロッパセレクトへ、コムジェスト・エマージングをABエマージング・エクイティへ一部スイッチングしました。
また、参考までにですがアリアンツファンドとABファンドの紹介アップデートを『ありがとうブログ』に掲載しましたので、こちらもご参照いただけますと幸いです。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(7月末)】
【ポートフォリオ(8月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、北朝鮮問題など一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場は底を打ち活気を取り戻しはじめたように見えます。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2018年8月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、米国株式を主な投資対象としているキャピタルICAファンドと新興国株式を主な投資対象としているコムジェスト・エマージングファンド以外のファンドが各種参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームもしくは同等のパフォーマンスを実現できたことから、ありがとうファンド全体のパフォーマンスに対してプラスに貢献しました。
特に6月から組入を開始したアバディーン北米小型ファンドの好調ぶりが目立ちました。米中貿易戦争が意識される中においても、引き続き米国国内の経済環境は堅調で、米国国内で稼ぐ比較的小規模な企業に投資しているため、相対的に好調なパフォーマンスを実現することができました。
一方、新興国株式を主な投資対象としているコムジェスト・エマージングファンドについては、市場平均に対して大きく出遅れる形となりました。要因としては、保有割合の大きな数銘柄の株価急落が主な原因と考えております。例えば、アフリカ最大の携帯電話事業者MTNグループ(南アフリカ)の株価は、8月単月で約22%値下がりしました。同社がナイジェリア事業での配当を同国外に不正に移したとナイジェリア中央銀行が指摘したことが影響したと考えています。また、中国のオンラインゲーム大手のネットイースは中国政府のオンラインゲーム規制観測もあり、8月単月で約23%値を下げました。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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【日本株】→TOPIX配当込み
【世界株】→MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックストータルリターン
【米国株】→S&P500 トータルリターン
【欧州株】→MSCI ヨーロッパ トータルリターン
【エマージング株】→MSCI エマージング トータルリターン
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