【これだけは知っておくべき法律知識】第3回不動産編
今月9月16日(土)に【これだけは知っておくべき法律知識】第3回不動産編を開催いたしました!
今回は【これだけは知っておくべき法律知識】の第3回不動産編ということで、弁護士の宇田川先生に、不動産に関してこれだけは知っておくべき法律知識について、事例を交えながら詳しく解説していただきました。
今回のセミナーでは、ベーシックな不動産売買と賃貸に関する問題、そして、最近話題になっているアパートマンション経営のサブリースに関する問題、訪日外国人観光客数の増加に伴って利用が増えている民泊に関する問題を取り上げて頂きました。
まずは、不動産売買に関する問題として、申込証拠金や手付についての法的な性質を事例をもとに解説していただきました。また、不動産売買契約でのトラブル事例の紹介や不動産の売買契約を締結する際の注意点として、不動産登記簿の確認や不動産の実際の調査、用途地域の調査、建ぺい率・容積率の確認、契約書の内容の確認など詳しく解説して頂きました。
最近のトラブル事例として、大手ハウスメーカーが不動産売買で詐欺被害にあった事件にも触れられ、以前よりも証明書や実印が偽造されやすくなっているので注意が必要とのことでした。
また、不動産賃貸に関する問題では、家賃や地代の値上げや値下げ、更新料の要求があった場合、どうすればよいのか事例をもとに法的要件とともに解説していただきました。
次に、最近テレビCMでもよく流れているアパートマンション経営のサブリースに関する問題点について、取り上げて頂きました。広告宣伝文句では、「30年一括借り上げ、空室の有無を問わず家賃保証、管理やメンテナンスの費用も負担します、入居者管理や家賃回収などもします、相続税対策にもなります!」など面倒なことはサブリース会社が何でもしてくれて、オーナーは何もしなくてもいいように思ってしまいますが、ここに落とし穴があるとのことです。
サブリースを活用するということは、不動産ビジネスを起業するということと同じである。業者に任せておけば、何もしないで儲かるということはない。メリット・デメリットを理解することが肝要であるとのことで、サブリースの「カラクリ」は、サブリース会社は、多くのケースでアポート建築の建設費に空室リスク分の費用を予め上乗せして請求してくるので、まずはじめに儲ける仕組みになっていて、さらに建物メンテナンスや修繕の名目で手数料もとるので途中でも儲かる仕組みが出来ています。
最大のメリットである30年間の家賃保証については、家賃の額は保証されないことが多く賃料の固定期間は、当初10年間のように一定期間であることが多く、その後は、近隣相場家賃や需要の変動を勘案した家賃に数年毎に見直し減額されることが多いそうです。特に地方や駅前から遠い物件で家賃の減額が問題になっていることが多く、減額に応じないとサブリース会社からサブリース契約を中途解約されてしまうこともあり、そうなるとアパート経営のノウハウも知識もないオーナーは経営できなくなってしまい、負債だけが残る自体になってしまうことになります。
サブリースの落とし穴として注意すべき点は、①空き家は既に多く、今後さらに増加していく可能性が高いこと ②人口の減少のリスクによって、テナントが入らなくなる可能性があること ③サブリース会社が倒産してしまい家賃が入ってこず、入居者も出て行ってしまう可能性が高いこと ④相続税対策になるかもしれないが、その分サブリース会社への支払いや銀行の利子を支払うことになってしまわないか、空室が増え、ローンが支払えなくなるリスクを負うことになっていないか、場合によっては連帯保証人を立てさせられるケースもあることが挙げられるとのことです。
サブリースの考え方としては、楽して不労所得が得られる不動産投資ではなく、不動産ビジネスを始めるという考えをもつことが大切で、経営感覚を培う必要があるとのことで、B/S、P/L、キャッシュフロー計算書を自分で見れること、需要と供給、将来の動向を読めるようになること必要で、自分の頭で考えてサブリース会社の人の話を決して鵜呑みにしないことが大事であるとのことです。
サブリース会社が、自分でやらずに、人にやらせるのはリスクがあるからであり、リスクがないなら自分でやっているはずであると考えることが重要で、これはフランチャイズビジネスのコンビニ経営にも言えることだそうで、アポートマンション経営もコンビニ経営も「立地がすべて」であるということを肝に銘じておくことが大切であるとのことでした。
最後は、訪日外国人観光客の増加とともに最近利用者が急増してあちこちでトラブルになっている民泊の問題について、法律上の位置づけと規制内容、トラブル事例について紹介していただき、対応策をどうすべきかについて解説して頂きました。
マンションの場合、管理規約で民泊禁止を明記しておくなど問題が生じる前に事前予防をしておくことが大切とのことでした。ゲストとのトラブルに関して、貸し出す側としては、民泊保険の活用や仲介サイトの保証金制度を利用したり、ハウスルールやマニュアルの用意、ID確認の徹底などをして文化や慣習の違いの理解してコミュニケーションをに密にとっていくことが対応策として考えれるとのことでした。
今回のセミナーのまとめとしては、不動産は資産価値が大きいので、自分自身で知識や情報を得て正しい判断をする必要があり、無知ゆえに損しないように基本的な法律の知識を身につけておくことも大切であるとのことでした。また、民泊については、まだ仕組みが不十分な面があり、適切な運用をするための工夫や制度の構築が必要と思われるとのことでした。
以上になりますが、今回のセミナーを通じて、不動産に関してに【これだけは押さえておくべき法律知識】についてご理解いただけたなら幸いです。
次回セミナーもお楽しみに!
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