マーケット動向・ファンド運用状況<月次レポート2017年6月より>
<5月のマーケット動向>
5月のマーケットの動きですが、今まで世界株式相場を牽引してきた米国株式市場が他市場比較で軟調な1ヶ月となりました。月前半はフランスの大統領選挙にて、大方の予想通りマクロン氏が選出されたことで、ヨーロッパ株式市場を中心に上昇しました。また決算発表シーズンだったこともあり、企業利益成長確度の高い優良銘柄が買われました。月中盤からは、トランプ大統領罷免の可能性がささやかれるなど、米国を中心とした度重なるスキャンダルが嫌気され軟調な展開になりました。月後半は、トランプ大統領の初めての海外訪問で特に問題発言が無かったこともあり横ばいの展開が続きました。
月間の騰落率としては、TOPIX(配当込み)は2.39%の上昇、米国S&P500(配当込み)はドルベースで1.41%の上昇、欧州MSCIヨーロッパ(配当込み)はユーロベースで1.74%の上昇、新興国MSCIエマージング(配当込み)はドルベースで2.98%の上昇となりました。
為替相場は月末時点で、米ドル/円が110円台半ばと、前月末比でやや円高にふれました。ユーロ/円は124円台前半となり、前月末比では円安にふれました。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの5月月間騰落率は2.9%の上昇となりました。投資先ファンドでは、コムジェストの3ファンド、ABアメリカン・グロースファンド、が各種参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームしました。これは決算発表シーズンの中、これら4ファンドは成長銘柄を多く保有しており、決算内容が好感され、ありがとうファンドの基準価額上昇に貢献しました。5月中の売買状況については、売買を見送りました。
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、トランプ大統領の動向に一喜一憂するのではなく、あくまでも長期投資の視点からファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長に沿った成長銘柄が見直される相場になると考えております。下図では、リーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場と、ヨーロッパ市場は活気を取り戻しつつあります。こういった大きな流れはトランプ相場と言われる流行ものではないと考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年2月末を1として指数化
<今後の運用方針について>
今後の運用方針についてですが、世界経済はBrexit、トランプ大統領の選出、イタリア国民投票の結果などを見るに、保護主義・ポピュリズムが台頭するなど、大きな変革期にあるように見えます。株式市場という観点から考えると、リーマン・ショック後、各国・地域は金融緩和で各々の経済・株式市場を支えて、各市場同じ方向に動く局面が多く見られましたが、保護主義が色濃くなってきた昨今では、ある意味各市場同士の相関が薄れ、分散効果が見られるようになってきました。このような環境下では、一つの市場だけに投資することは非常にリスクが高いと考えますので、特定の市場に偏ることなく幅広く分散投資することで、長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。その点、ありがとうファンドでは引き続き国際分散を推し進めることにより、世界経済の変革期に対応していきたいと考えております。
また、投資対象のファンドという観点からは、去年後半から金融関連銘柄といった景気敏感株の株価上昇が目立ちましたが、当ファンドではあくまでも長期投資を前提とし、長期で企業利益成長が見込まれる銘柄を発掘するファンドを厳選して投資を続けていきたいと考えております。投資対象国・地域についても、前ページのEPS推移が示しているように、長く低迷していたエマージング市場、ヨーロッパ市場の企業利益改善にも注目しており、今後長期で伸びしろのある市場と考えております。
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、成長銘柄戦略のコムジェスト3ファンド、ABアメリカン・グロースファンドが参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームしました。欧州市場では、昨年から景気自体は底を打って上昇基調にありますが、昨年の英国のEU離脱を問う国民投票にて、まさかの離脱派が勝利する結果になったこともあり、政治面のリスク回避から株価は他市場相対で伸び悩む局面が多く見られましたが、フランス大統領選の結果は大方の予想通りだったこともあり、今月のヨーロッパ市場も引き続き大きく上昇しました。コムジェストヨーロッパファンドは、この点取りこぼし無く指数以上に上昇しました。
【月間騰落率】
※上記参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
年間騰落率については、去年の今頃は原油安などからの資源銘柄安、またマイナス金利導入後で銀行をはじめとする金融銘柄などの景気敏感銘柄が大きく下げて、一方、昨年後半からのトランプラリーでは、そういった景気敏感株が買い戻された相場になったため、景気敏感株をほとんど保有しない当ファンドの年間騰落率は景気敏感も含む指数に対し低調なパフォーマンスになりました。
【年間騰落率】
※上記参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
TOPIXに関する著作権、知的財産権その他一切の権利は東京証券取引所に帰属します。S&P500種指数(S&P500)に関する著作権、知的財産権、その他一切の権利はS&P Dow Jones Indices LLCに帰属します。MSCI Indexに関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、MSCI に帰属します。
関連記事
| マーケットTOPへもどる |