【今月のFP情報コラム】法定相続情報一覧図とは(2022年11月)
少子高齢化が進み人口減少社会に入った日本においては、以前よりも相続に関する話題が身近になってきたように感じます。相続件数の増加とともに、実際に身内で相続が発生した方に伺うと、相続手続きがとても大変で苦労したというお話しをよく聞きます。
相続人である遺族は故人が亡くなって悲しみに暮れている暇もないくらいに様々な手続きを期限までに済ませる必要があります。故人(被相続人)が保有している預金口座や証券口座なども相続が発生してしまうと引き出し、解約などが制限されてしまい、銀行や証券会社など各金融機関でそれぞれ相続手続きを済ませる必要があります。弊社でも相続発生のご連絡を受けると一旦口座を凍結させていただき、所定の相続手続きを相続人の方にお願いしております。
この金融機関での相続手続きで大変なところは必要書類をたくさん集めて揃える必要があることです。遺言執行者がいるような場合を除くと、特にお亡くなりになった故人(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸除籍謄本等(戸籍謄本(全部事項証明書)及び除籍謄本、改正原戸籍)を集めるのがとても手間暇がかかり大変です。
これらの戸除籍謄本等は各金融機関に都度原本を提出する必要がありますので手間暇もかかり必要部数分の発行手数料もかかってきます。(原本を返却してもらい、次の金融機関に提出することもできますが、被相続人の保有金融機関の数が多いと大変時間がかかってしまいます)こんな面倒なことをどうして一々する必要があるのかというと故人(被相続人)の法定相続人を確定させる必要があるからです。
このような相続手続きの負担を軽減させて相続登記を促進する目的で、2017年5月29日から「法定相続情報証明制度」がスタートしました。この制度では、相続人を特定できる戸除籍謄本等と相続関係一覧図を法務局に提出することで、登記官の認証文が付された「法定相続情報一覧図」の写しが交付される制度です。
この「法定相続情報一覧図」の写しは、無料で何通でも発行してもらうことが可能で、1枚の証明書だけで相続関係が証明できますので、被相続人の出生から死亡までの連続した戸除籍謄本等の金融機関への提出が不要になります。なお、「法定相続情報一覧図」の保管及び交付の申出については法務局で手続きする必要があります。
詳細は法務局のホームページか最寄りの法務局でご確認頂ければと思います。
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