マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2020年1月より>
12月のマーケット動向
12月のマーケットの動きですが、2019年の相場を左右してきたBrexitの動向と米中貿易交渉の先行きについて不確実性が低下したことなどで、世界株式市場は総じて上昇する1ヶ月でした。具体的には、12月15日に発動予定だった米国の対中関税引き上げを前に、米中両国は貿易交渉第1段階の合意に達したと発表したことや、12月13日の英国総選挙で保守党が圧勝したことなどが好感されました。
下記現地通貨ベースの指数推移を参照していただくとお分かりいただけますように、今月は世界株式市場が総じて上昇しましたが、日本株式市場は他市場に比べて見劣りする結果になっていますね。下図のEPSの推移水準を見ても、他市場に比べて特に日本株式市場のファンダメンタルの悪化が予想されているように見受けられます。
【米ドル円、ユーロ円推移】2019年11月30日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2019年11月30日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
ありがとうファンドの運用状況
ありがとうファンドの12月月間騰落率は3.7%の上昇となりました。世界株は2.6%の上昇でしたので、大きくアウトパフォームした1ヶ月でした。参考までに日本株は1.4%上昇にとどまりました。
12月中の売買状況については、コムジェスト・ヨーロッパ、エマージング両ファンドを全売却、コムジェスト日本株式ファンドを一部売却しました。一方、アバディーンエマージング小型株ファンドを新規買い付けました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(11月末)】
【ポートフォリオ(12月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
今後の見通しについて
今後の見通しについては、各種地政学リスクなど一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元では、すべての国・地域で企業利益の成長が鈍化しているように見受けられます。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これから中長期の人口動態や、GDP成長率を見る限りエマージング株式市場が最も投資妙味のある地域と考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2019年12末までの推移
今後の運用方針について
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2019年7月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
投資先ファンドの状況について
月間騰落率については、2019年やや出遅れていたエマージング株式市場を担当しているABエマージング2ファンドがリードする形で、市場平均を上回るパフォーマンスを達成できました。さらに、ヨーロッパ株式市場を担当しているアリアンツの2ファンドも前月に引き続き良好なパフォーマンスを維持し、当ファンドの基準価額上昇に大きく貢献してくれました。
【エマージング諸国株担当ファンド】アライアンス・バーンスタイン・エマージング・マーケット・ストラテジック・コア株式運用戦略チームupdate
【ヨーロッパ株担当ファンド】アリアンツ欧州成長株チームupdate
年間騰落率については、出遅れていたアリアンツ2ファンドの好調なパフォーマンスが確認いただけると思います。今月当ファンドでは日本株ファンドを一部売却しましたが、当ファンドでは日本株式市場全体の先行きについて、あまり明るいビジョンをもっていないので、今まで基準値に対してやや多めに保有していた日本株を一部売却した次第でございます。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
投資先ファンドの運用パフォーマンス
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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【日本株】→ TOPIX 配当込み(税引き前配当再投資)
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