株式と債券の違いって何?【第3回】
次に債券について見ていくことにしましょう。わかりやすく言うと債券というのは、企業や国、地方公共団体などに一定の金利でお金を貸したときの借用証書みたいなものです。
皆さんが誰かにお金を貸したり、借りたりするときには、後で揉めずにちゃんと返してもらえるように、いつ、だれに、いくら、金利何%で貸したかを借用証書として残しておくと思います。また、銀行や消費者金融、クレジットカード会社のキャッシングなどでお金を借りるときには、どのような条件でお金を借りたかがわかるように金銭消費貸借契約書を交わすことになります。
また、住宅ローンや自動車ローンを組むときもお金を借りるので借入金額、金利、返済期間などの細かい条件が書かれた契約書を必ず作成することになります。
債券というのは、企業や国・地方公共団体がお金が必要になった時に広く投資家からお金を借りるときに発行する契約書のようなものです。個人のお金の貸し借りなどの場合は契約書を一つずつ書いて締結していきますが、債券は発行時の条件があらかじめ決まっていて、その条件に満足する人が購入(投資)することになります。
債券は基本的に返済期限である満期まで保有すれば、投資した元本(貸付したお金)と利息を受け取ることができます。債券を発行した企業や国は、経営状態や財政状態が悪くても約束した元本と利息を返す義務があります。
企業が発行する債券は社債、国が発行する債券は国債と呼ばれていますが、その企業や国などが経営破たんして潰れない限りは元本が保証される性質があります。万が一経営破たんして約束通りの元本と利息が支払われないことをデフォルトといいます。
例えば、日本の企業の例では、総合スーパーのマイカルが2001年に経営破たん(その後イオンが吸収合併)して社債がデフォルトした例や、国の場合、アルゼンチンやギリシャが財政破綻して国債がデフォルトになったことがあります。
このように債券というのは、その企業の業績に関係なく当初約束した契約条件に従って、利息と元本を期限に返すものになりますので、その企業が倒産しない限りは投資元本が確保されることになります。その一方で、仮に企業の業績が良くて沢山儲かったとしても約束した金利分しかもらえません。
株式投資がその企業のオーナーになり、当事者として企業と苦楽をともにしてビジネスのいい時も悪い時も一緒に歩んでいくのに対して、債券投資は、あくまでも第三者の立場から企業にお金を貸してきちんと返してくれるかどうかを判断していればよく、ビジネスが上手くいってもいかなくてもデフォルトしなければ元本と利息を確保することができます。
もし将来有望なビジネスとして伸びていき利益成長していく企業であれば、株式投資をした方が債券投資よりも大きなリターンが狙えると思いますが、将来の成長が期待できず利益が減少していくような企業の場合は株式投資をしてもリターンが狙えないので、債券投資をした方が無難かもしれません。
(第4回へ続く)
関連記事
| はじめての方TOPへもどる |