預貯金と投資の違いって何?【前編】
今回は、はじめてシリーズとして投資に興味があるけどよくわからないと思っている方に向けて、皆さんにとって一番身近な預貯金と投資の違いについて解説させていただきます。
投資経験のない方、預貯金しかしたことがない方にとって、投資について聞くと、興味はあるけど言葉は聞いたことがあるけど詳しくは知らなかったり、難しいイメージやリスクがあって怖いイメージを持たれていたり、またはいくら損した、いくら儲かったというギャンブルのようなイメージを持たれていたりします。
しかしながら、よくわからないという方でも、金融機関の広告宣伝等で目にする機会があるためか、例えば、FXや投資信託、ファンド、NISA、毎月分配、USリート、ドル年金、iDeCo、ファンドラップなどの金融商品や制度の名前についてはご存知であったりします。
そういった知識はあっても、投資や金融商品、資産運用についての正しい知識がないため、ご自身でどれが自分にあっているのか比較検討したり、判断したりすることができないため購入をためらってしまったり、よくわからないまま購入してしまう場合が多いようです。
金融商品は世の中に沢山あって、さらに今後も沢山新しい商品が出てくるでしょうが、投資や資産運用に関する基本的な知識と考え方を理解していれば、いちいち覚えなくても大きなカテゴリで分類することでその特徴や性質を把握することができるようになり、自分にとって必要であるかないか判断できるようになります。
それでは、 まずは預貯金の仕組みについて見ていきましょう。以下の図をご覧ください。
皆さんご存知のように、預貯金は銀行に口座開設をしてお金を預けておいて、現金が必要になった場合に銀行やコンビニのATMでお金を引き出したりすると思います。
また、銀行に預金していると利息がつきます。現在は日銀がマイナス金利政策をしていますので、大手メガバンクの普通預金金利は年率0.001%、定期預金金利が0.01%となっており、ほんのわずかしか利息はつきません。(例えば、100万円を1年間預けていても、それぞれ利息が税引き前で10円、100円しか付きません)
預貯金とは、皆さんが銀行にお金を預けることですが、これを銀行側から見ると皆さんからお金を借りていることになります。皆さんが頂く利息というのは、銀行に金利0.001%でお金を貸した対価にあたるのです。
つまり、「預貯金をすること」 = 「銀行にお金を貸すこと」の関係になっているのです。
次の図のように銀行の財務諸表である貸借対照表(B/S)上では、私たちの預金は負債の欄に計上されているのがお分かりいただけると思います。
お金を借りたら金利分の利息の支払いと元本返済義務があることは、皆さんご存知だと思いますが、預金もそれと同様の位置づけになっているのです。
では、お金を借りた銀行はどうしているのかというと、そのまま持っていても利息を払えないので皆さんから集めたお金をまとめて企業に融資したり、個人に住宅ローンとして貸し出したりします。この時、預金金利より高い金利で貸し出すことで利ザヤを稼ぐことになります。これが銀行の収益となります。
しかし、最近は預金は集まるけれども優良な貸出先や資金需要がなくてどこの銀行も困っているという話を聞きます。
ところで、皆さんは預貯金は元本保証で安全だと思っているのではないでしょうか。
実際にその通りで仮に銀行が経営破たんしたとしても元本1000万円とその利息までは預金保険機構が保証してくれるので心配はいりません。なぜ保証されるのかというと銀行があらかじめ万が一に備えて保険料を支払って保険をかけているからです。
このように預貯金というのは、銀行が間に入った間接金融の仕組みであり、融資をして焦げ付いたり、住宅ローンの返済が滞って返済されないリスクというのは銀行が負っているのです。 つまり、銀行は融資が上手くいったときの収益(リターン)も融資が失敗したときの損失(リスク)も皆さんに代わって負担してくれているのです。
(後編へ続く)
関連記事
| はじめての方TOPへもどる |