マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2018年5月より>
<5月のマーケット動向>
4月のマーケットの動きですが、1月~3月と調整したところから反転、やや値を戻す1ヶ月になりました。
確かに日本では相次ぐ政府関連のスキャンダルが毎日のように報道され、安倍内閣の支持率も低下傾向です。ただし、3月末を決算日にしている日本企業が多いことから、4月後半から本格的に始まった決算発表に注目が移る業績相場になり、必ずしも政治リスクだけで株価が左右されているわけではありません。
たいていの上場企業本決算の決算発表では4月1日から始まる期(次期)の会社業績予想を発表しますが、為替水準の予想値なども発表されます。ドル円を例にすると100円―105円と慎重な予想値が多いように見受けられます。
一方、足元米国の長期金利の水準が高くなってきているため、日米の金利差がまた意識され、ドル円は1ドル109円まで円安に振れていますので、円安に支えられる日本企業を主に日本株は堅調に推移した1ヶ月でした。
【米ドル円、ユーロ円推移】2018年3月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2018年3月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
現地通貨ベースの指数推移を参照して頂くと、出遅れていた欧州株のパフォーマンスが相対的に強かったことが確認できます。一方、貿易戦争が意識された米国、中国は相対的に弱い1ヶ月になりました。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの4月月間騰落率は1.9%の上昇となりました。世界株式市場の市場平均より下げる低調な結果になりました。日本株式を主な投資対象としているコムジェスト日本株式ファンドとエマージング株式市場を主な投資対象としているコムジェスト・エマージングファンドがやや低調だったことなどがマイナスに寄与しました。
4月中の売買状況については、米国株式を主に投資対象としているキャピタルICAを一部売却し、米国の成長企業を主な投資対象としているABアメリカングロースを一部買い付け、スイッチングしました。
【資産配分(3月末)】
【ポートフォリオ(4月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、北朝鮮問題など一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場は底を打ち活気を取り戻しはじめたように見えます。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2018年4月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については米国株式を主な投資対象としているABアメリカン・グロースファンド、キャピタルICAファンド、金ETFのiシェアーズゴールド以外のファンドが各種参考指数(円ベース)に対しアンダーパフォームし、ありがとうファンドの低調なパフォーマンスの要因となりました。
一方、年間騰落率をみると、ファンドごとにまちまちのパフォーマンスですが、すべてのファンドで年間騰落プラス圏にとどまっています。1月後半からの世界同時株安相場でここ数カ月調整相場が続きましたが、暴落というような投げ売り局面ではなく、適切な調整相場だったと考えられます。
ありがとうファンドでは企業利益を持続的に成長できる質の高いビジネスモデルを持つ企業に投資するファンドを厳選しています。株式市場は米国の減税法案通過などもあり、過熱気味だったため調整相場に転じましたが、世界経済の回復・改善が続く中、しっかりした成長ストーリーのある企業の株価は過熱していた株価の調整を乗り越えると考えております。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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【欧州株】→MSCI ヨーロッパ トータルリターン
【エマージング株】→MSCI エマージング トータルリターン
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