【今月のFP情報コラム】似ているようで違う?収入保障保険・所得補償保険・就業不能保険の基本(2026年8月)
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収入保障保険・所得補償保険・就業不能保険は、すべて「働けなくなったときの収入減」に備える保険ですが、これらは名前が似ているため、「どれも同じようなものだろう」と混同されがちです。
実は、これらは保障の目的や加入先、給付金の受け取り方が全く異なる「似て非なる」商品です。
今回は、これら3つの保険の違いを整理し、解説します。
収入保障保険とは
収入保障保険は、一定期間内に被保険者が死亡や高度障害となった場合に、残された家族が保険期間満了まで定期的(毎年・毎月)に年金形式で一定額の保険金を受け取ることができる死亡保険です。
一般的な生命保険(平準定期保険)と異なり、受け取れる保険金の総額は時間が経過するにつれて徐々に減っていく構造(逓減型)になっているのが特徴です。逓減型の仕組みを採用しているため、平準定期保険と比べて保険料を抑えることができます。また、多くの商品では「確定保証期間」という特約やルールが設けられています。これは、もし満期の直前に死亡してしまい、保険金(年金)を受け取れる期間が残りわずかになってしまった場合でも、加入時に決めた年金支払保証期間(2年間や5年間など)は必ず家族に年金が支払われることを保証する仕組みです。
保険金を年金形式で受け取ることにより、使い過ぎてしまう心配が少なく、日々の生活費など継続的な支出に対して計画的に充てることができます。商品によっては年金形式ではなく、将来もらえる分をまとめて一括で受け取ることも可能ですが、その場合は利息分が差し引かれるため、年金形式で受け取るよりも総額が少なくなる点には注意が必要です。
収入保障保険は、残された家族の毎月の生活費不足を補うことに適しており、主に小さな子供がいる世帯や公的保障が少ない自営業者や個人事業主に向いています。
この保険は逓減型の仕組みになっているため、子供が成長するにつれて必要なお金が少なくなっていく子育て世代の家計に合致し、毎月の給与のように分割して受け取ることで遺族が元の生活水準を維持しやすくなります。また、保険料が割安に抑えられるため、合理的に毎月の生活費をカバーしたい人に向いています。
一方、平準定期保険は、保険期間を通じていつでも同じ額のまとまった一時金を受け取れるため、残された家族にまとまった葬儀費用や子供の教育資金など、まとまった資金を確実に用意したい人に向いています。
所得補償保険・就業不能保険とは
収入保障保険は被保険者が死亡や高度障害状態になった際にのこされた家族の生活費を保障する保険ですが、所得補償保険と就業不能保険は、病気やケガで働けなくなったときに被保険者本人の所得減少をカバーする生存保障であるという決定的な違いがあります。
所得補償保険は、主に損害保険会社で取り扱われることが多く、保険期間が1年間などの短期更新型が一般的です。就業不能となった際に、働いていたときの年収などをもとに定められる保険金上限額の範囲内で、減少してしまった収入相当額が保険として補償されます。7日間など免責期間が短いため、仕事ができない状態になってから早い段階で毎月一定額の保険金を受け取ることができます。ただし、受取期間が過ぎると、まだ働けない状態であっても給付は終了します。また、更新時にはその時点の年齢と保険料率で再計算されるため、一般的に保険料が上がります。
一方、主に生命保険会社が扱う就業不能保険は、60〜65歳といった定年退職の年齢までなど長期間働けないリスクに備える保険です。免責期間が60日や180日などの比較的長期間であることや、給付金を一時金形式または年金形式で受け取れるなどの特徴があります。また、働けない状態が続く限り、契約した年齢の満期までずっと受け取り続けることができます
働けなくなった時(就業不能状態)とは?
所得補償保険も就業不能保険も、給付を受けるにはそれぞれに保険会社が定める「就業不能状態」に、契約中に該当する必要があります。すべての病気やケガが補償対象になるわけではなく、精神疾患などが特約や対象外となる場合もあるため、契約内容を事前に確認することが大切です。また、病気やケガが原因であっても、死亡した場合には、保険金は払われません。細かな要件は保険会社や商品によって異なりますが、主に以下のような状態が該当します。
● 病気やけがで、医師が必要と認める治療のために、病院や診療所などに入院している
● 病気やけがの治療のために、医師の指示に基づいて、自宅などで在宅療養をしている
● 国が定める障害など1級または2級に認定されている など
所得補償保険・就業不能保険が必要な人とは?
●自営業者や個人事業主
病気やケガで仕事を休んだ時、会社員や公務員であれば「傷病手当金」や「障害年金」といった公的制度がありますが、自営業者や個人事業主の場合、公的保障が充実していません。そのため、働けなくなったときの収入減に備える保険の必要性が高まります。
●貯蓄に不安がある人
共働きではなく世帯の収入源がご自身のみの人や、いざというときの蓄えが不安な人は、生活破綻を防ぐために保険で補うことも検討しておきましょう。また、住宅ローンや学費といった支出額が大きいものが家計に含まれている人も、もしものときの収入減少に備えておく必要があるでしょう。
一方で、十分な貯蓄がある人、会社の保障や配偶者の収入で生活費が十分にカバーできる人にとっては、加入する必要性は低くなります。
働けなくなったときの備えを考える際、まずは「現在の公的保障(傷病手当金や障害年金など)でいくらカバーできるか」を確認することです。公的保障を把握することで足りない金額(必要保障額)が見えてきます。その不足分を補うために、どのような民間保険商品が適しているかを検討しましょう。
最後に、これからの保険選びで忘れてはならないのが「インフレ(物価上昇)」です。インフレが生命保険に与える最大のリスクは、契約時に定めた保険金や給付金の「実質的な価値」が、物価上昇によって目減りしてしまうことです。「毎月15万円あれば安心」と思って契約した保障も、将来インフレが進むと、それでは生活費が足りなくなるリスクがあります。現時点の必要最低限の生活費だけで金額を設定するのではなく、物価変動の可能性も視野に入れて、少し余裕を持った保障額を検討することが大切です。
<本件に関するお問合せ>
ありがとう投信株式会社 カスタマーサービス部
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