【今月のFP情報コラム】知らない間にクレジットカード情報が盗まれる⁉ ー スキミングとは(2024年4月)
現金払いから、クレジットカードや交通系ICカード・スマートフォンなどで支払う「キャッシュレス決済」に移行している人が増えています。
キャッシュレス決済の広まりにともない、クレジットカードを狙った「スキミング」という犯罪の被害が増加しています。カードを盗まれたり、なくしたりしていなくても、被害にあうスキミングの手口と対策を解説します。
クレジットカードのスキミングとは?
スキミングとは「スキマ―」と呼ばれる特殊な端末を使用し、クレジットカードから情報を不正に抜き取ることです。抜き取った情報を基に偽造カードを作成し、不正利用や現金を引き出す犯罪です。
スキミングではクレジットカードそのものを盗まれるわけではありません。カード自体が自分の手元へ残るため、被害に気がつきにくいという特徴があります。月末に請求書がきて、はじめて被害に遭ったことを知るというケースがほとんどです。
クレジットカードのスキミングの手口
接触型カードに対する手口
接触型カード(カードリーダーに差し込むタイプ)に対してスキミングを実行する場合、情報を抜き取るためにカードとスキマーを直接接触させなければなりません。
具体的な手口としては、レジにあるクレジット決済処理端末やATM端末カードリーダー部分に仕掛けられたスキマーと小型カメラでカード情報と暗証番号を同時に盗む手口が挙げられます。また、警察官などになりすまして本人の目の前で堂々と情報を抜き取るケースなどもあり、手口が巧妙化しているので注意しましょう。
非接触型カードに対する手口
タッチ決済ができるタイプの非接触型カードの場合は、スキマーをカードに接触させる必要がありません。非接触型のスキマーをカードに近付け電波を通じて情報を盗むため、満員電車やエレベーターなど、人が密集した空間では特に注意が必要です。接触型カードよりもスキミングに遭うリスクが高いので、スキミング対策グッズを活用し、スキミング防止に努めることが大切です。
スキミングの被害を防ぐための対策
暗証番号は推測されにくいものを用いる
生年月日・電話番号などの個人情報に関連する数字や、覚えやすいぞろ目の数字など推測されやすい番号をクレジットカードの暗証番号に利用するのは厳禁です。万が一スキミング被害に遭ってしまった場合でも、このような推測しやすい暗証番号では保険の適用から外れてしまうこともあるので注意が必要です。
また、レジでクレジットカード払いをするときやATMで暗証番号を入力するときは、手元を隠して操作してください。カード情報が知られてしまっても、暗証番号が漏れなければ第三者に不正利用される可能性を減らせます。
ICチップ搭載タイプのカードにする
近年主流となっているICチップ搭載カードは情報が暗号化されているため情報を盗み取ることが困難です。そのため、磁気ストライプのみのカードよりも、スキミングされる可能性が下がります。手元にあるカードが磁気ストライプのみのカードであれば、ICチップ搭載カードに切り替えることでスキミング被害を減らす効果が期待できます。ただし、ICチップ搭載カードでも非接触型のスキマーで情報を盗まれる可能性があるので、対策を考えるならスキミング防止グッズを活用しましょう。
スキミング防止グッズを利用する
非接触型のスキマーから出る電波を通さないスキミング防止加工が施された財布やカードケースなどのグッズも市販されています。特にICチップ搭載の非接触型カードに対するスキミングに防犯効果があります。ただし、あくまでも非接触型カードでの対策であり、接触型カードのスキミング防止にはならないので注意しましょう。
利用機会の少ないカードを持ち歩かない
不要なカードを何枚も持ち歩いていると、スキミングの被害に遭うリスクが高くなります。利用機会の少ないカードは持ち歩かないことでスキミングだけではなく、盗難や紛失のリスクも減らせます。
対策をしても被害に遭ってしまったら
万が一スキミングの被害に遭ったことが発覚したら、まずカード会社へ連絡し、すぐに利用停止と再発行の手続きを行いましょう。時間が経過するほど被害が拡大するおそれがあるので注意しましょう。
クレジットカードに盗難保険が付帯されていた場合、補償期間はカード会社ごとに定められているため、できるだけ早く連絡することが重要です。
クレジットカードは非常に便利なものであることから、私たちの生活になくてはならないものとなっています。スキミングを完全に防ぐことはできなくても、適切に対処することで被害に遭う可能性を減らすことができます。日頃から利用明細をこまめに確認することと、万が一被害に遭ってしまった場合は、すぐにカード会社に連絡し、手続きを取ることが特に重要となります。
今回紹介した内容を参考に、自分でできる範囲での対策は、日常的に心掛けるようにしてください。
<本件に関するお問合せ>
ありがとう投信株式会社 カスタマーサービス部
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