【今月のFP情報コラム】被災したときに受けられる支援制度やお金に関すること(2024年2月)
令和6年能登半島地震により被災されました皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、早期の復旧をお祈り申し上げます。
地震や大雨、台風など自然災害が増加する近年、「なにかあった場合」に備えて情報や知識を得ておくことがとても重要になってきます。万が一被災してしまったら、生活を再建していくうえで必要になってくるのはお金です。今回は被災時の支援制度や損害保険についてまとめました。
被災したときに受けられる公的支援制度
地震や風水害など災害に見舞われることの多い日本では、地震などの自然災害に被災した際に生活再建を補助する支援金や、一部税金の控除・減免などの制度が用意されています。
私たちが利用できる公的な支援制度をいくつか紹介しますので、制度のポイントおさえておきましょう。
◆まずは「罹災証明書」を取得する
罹災証明書とは、水害や地震、火災などの災害によってどのくらいの被害を受けたかを公的に証明する書類のことです。自治体に申請すると、被害状況の調査が行われ、証明書が発行されます。支援金や義援金、税金の免除など様々な被災者支援を受ける際に必要となります。
詳しくはこちら https://www.bousai.go.jp/taisaku/unyou.html
◆被災者生活再建支援制度
自然災害(暴風・豪雨・豪雪・洪水・高潮・地震・津波・噴火など)により住宅が全壊や半壊などの大きな損害を受けた世帯に、支援金を支給して生活の再建を支援する制度です。
全ての自然災害や被災世帯が対象となるものではなく、被害の大きさが法律で決められており、制度の対象となった地域は、公的な市区町村のHPなどで確認することができます。
支援金には、基礎支援金と加算支援金の2種類があり、その合計金額が受け取れます。
基礎支援金は、全壊などで100万円、大規模半壊で50万円と住宅の被害程度に応じて支給されます。加算支援金は住宅の再建方法に応じて、新たに住宅を建築・購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃貸住宅に住む場合は50万円が支給されます。ただし、いずれも独身世帯は、支給額が4分の3になります。
詳しくはこちら https://www.bousai.go.jp/taisaku/seikatsusaiken/shiensya.html
◆住宅の応急修理
住宅が半壊や大規模半壊などの被害を受け、修理をすれば住める場合に、自治体が必要最低限の修理費用を負担してくれる制度です。屋根や床、壁、窓、台所・トイレなど日常生活に必要な最小限度の部分が対象で、応急的な修理を自治体が行う(自治体が業者に依頼し、修理費用を自治体が直接業者に支払う)という支援で、被災された方に費用が支給されるものではありません。
詳しくはこちら https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/sumai/sumai_6.pdf
さらに高額なお金が必要となってしまった場合は、「災害援護資金」や「災害復興住宅融資」などの融資制度を利用するのも選択肢のひとつです。
また、被災時には「雑損控除」や「災害減免法」などの制度により所得税の控除、減免を受けられる可能性があります。その他、公的年金、保険料、公共料金などについても、免除・減免・猶予を受けることができる場合がありますので、詳細はそれぞれの所管元にてご確認ください。
公的な支援制度に関しては、自分から申請して手続きを進めないと、支援が受けられないものがほとんどです。利用できる支援制度があれば積極的に活用できるように事前に確認しておきましょう。
「災害援護資金」 https://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/dl/shikingaiyou.pdf
「災害復興住宅融資」 https://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/saigai.html
「雑損控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm
「災害減免法」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1902.htm
災害の損害保険について
住宅を購入したり、賃貸住宅を契約したりするときに加入する火災保険ですが、「補償対象は"火災"だけ」と勘違いしている人も少なくありません。火災保険は、建物や家財に掛ける保険で、火災だけでなく、破裂・爆発・落雷などの被害も対象となります。最近はそれに加えて水災・風災・雪災・雹災による被害も対象とする「総合型」の保険もあります。火災保険は住まいを守るための保険として多くの自然災害に備えることができます。
ただし、地震や噴火またはこれらによる津波によって受けた損害は火災保険では補償されません。そこで、地震に対する補償は地震保険に加入する必要があります。地震保険は単独で加入することができないため、必ず火災保険とセットで加入する保険となっています。
また、火災保険は契約の保険金額を限度として、実際の損害額が保険金として支払われる実損払いになっているのに対し、地震保険は実際の損害額が支払われる訳ではなく、設定した保険金額と建物等の損害の程度によって支払われる金額が変わってきます。つまり、全壊しても建て直せるだけの保険金額は下りないので、注意が必要です。地震保険は、あくまでも被災した人々の生活を再建させるための一時的な住居費や生活費と考えておくべきです。
なお、契約内容によって保険金が支払われない場合があります。詳細は契約している保険会社にお問い合わせください。
大規模災害にあってしまった場合、精神的影響や身体の被害に加えて、多大な経済的負担が生じると思われます。その場合に備えて貯蓄しておく、保険に加入しておくなど自ら備えることが重要ですが、利用できる支援制度があれば積極的に活用できるように防災知識として頭に入れておくと安心ですね。
<本件に関するお問合せ>
ありがとう投信株式会社 カスタマーサービス部
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