お客様に寄り添う直販投信<月次レポート2023年11月より>
2023年11月07日(火)
皆さま、いつもありがとう投信をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。11月に入り秋も深まってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
毎月セミナーで全国各地を回っていると外国人観光客が以前よりも増えたことを実感します。国内では物価上昇の影響で生活コストが上昇して大変に感じている方が少なくありませんが、海外から見ると円安の影響もあり日本の物価は驚くほど安いようです。
各国のインフレ率や金融政策の違いなどが関係しているとは言え、相対的に日本が安い国になってしまったのかと考えると円が強かった時代を知っているだけに複雑な思いになります。
さて、先月のマーケットは、米国長期金利の上昇やイスラエルでの軍事衝突による地政学リスクの高まりによって総じて下落する1ヶ月になりました。
月前半は調整色の強い相場展開でしたが、中旬には米国の金融引き締めの長期化観測が和らいで上昇する場面も見られましたが、イスラエル中東情勢が緊迫化して先行き不透明な状況が続き、米国の財政赤字拡大や物価上昇長期化の懸念から長期金利も引き続き上昇を続けて、5%台まで長期金利が上昇し、株式市場は大きく調整して月末を迎えました。
為替相場は米国の長期金利の上昇による日米金利差拡大と金融政策の方向性の違いから円が売られて一時1ドル151円台まで円安が一段と進みました。一方で、中東情勢の悪化による地政学リスクの高まりから金(ゴールド)は買われて大きく上昇しました。そのような中、ありがとうファンドは月間で-2.6%の下落となりました。
今後のマーケットは、引き続き米国の金融政策と金利の見通し、インフレ動向、景気後退リスク、イスラエル中東情勢など地政学リスクに株式市場や為替相場は左右される展開になってくると思われます。
米国では金融引き締めの長期化懸念からの金利高止まり、長期金利の上昇によって景気後退リスクが高まり、金融システム不安の再燃によって不動産市況や地銀や中小企業への悪影響が懸念されるので、企業業績や財務体質などクオリティの高さが問われる相場になると思われます。
また、ウクライナ情勢の長期化だけでなく、イスラエル中東情勢の悪化・緊迫化によって地政学リスクがより一層高まる中、引き続きマーケットのボラティリティは大きくなると予想されますので、有事に備えて金(ゴールド)への投資が分散効果を発揮する局面になると考えられます。
ありがとうファンドでは危機やショックなどのテールリスクに備えて金(ゴールド)への分散投資を継続することでダウンサイドリスクを抑制してお客様の資産をしっかり守りながら長期投資で増やしてきたいと考えております。
お客様に寄り添う直販投信
来年から新NISA制度が始まりますが、新NISA口座は現行NISAと同様に同じ年に1人1金融機関でしか口座開設できませんので、販売会社では顧客囲い込み競争が激化しています。大手証券会社にメガバンク・地銀、大手ネット証券などが大盤振る舞いのキャンペーン合戦を繰り広げています。
各販売会社ともに、新NISA口座での投信積立や株式売買だけでは採算が取れないことは承知の上で、まずは顧客を囲い込み将来的にクロスセルでNISA対象以外の金融商品や保険・カード・ローンなどを販売して収益化していこうという戦略のようです。
来年からスタートする新NISA制度は、「貯蓄から投資・資産運用」を促すことが期待されている一方で、大手販売会社における顧客囲い込みの結果、相対的に運用会社よりも口座数の多い販社の力が強くなり、従来から問題とされてきた販社主導の投信販売に逆戻りする可能性もあるのではないかと思われます。
投信(ファンド)を販売会社に販売してもらう体制になると、お客様と販売会社のベクトルが異なるのでどうしても利益相反が生じやすくなってしまいます。仮に販売手数料を全てノーロードにしたとしても、販売会社はどこかで収益を上げなければ会社を持続できないので、収益源を見つけなければなりません。過去の販売会社による不祥事を見てもお客様のニーズに合わない必要のない商品を勧められたりする可能性も考えられるでしょう。
弊社は税理士・公認会計士が立ち上げた独立系の資産運用会社で来年20周年を迎えますが、なぜ完全直販スタイルにこだわっているのかというと販売会社を通して投信(ファンド)を販売してもらうと従来型の販社主導のプロダクトアウトの考え方になってしまうからです。
弊社が考える資産運用サービスは、単なる投信(ファンド)の販売ではなく、お客様に寄り添った「製販一体」の資産運用サービスでお客様の資産運用を一生涯サポートしていくことです。
ジュニア世代から現役世代、定年退職世代、シニア世代まで、積立投資による老後資産形成のサポートから、分割購入サービスによる退職金の運用、資産寿命を延ばしながら換金していく定期換金サービス、そして、老後資産をどのように取崩し活用していくか、使い切れなかった余裕資金を次の世代へどのように資産承継(相続・贈与)していくかなど、個々のお客様への相談対応やサポートがとても大切になってくると考えております。
また、直販投信の特長としては、直接運用会社にファンドの内容や運用状況、今後の見通しについて電話やメール、対面で質問や問い合わせができることもあげられます。何千本も投信(ファンド)を扱っている大手販社に個々の商品について問い合わせをしても、運用会社ではありませんのできちんとした回答をタイムリーに得ることは難しいのではないかと思われます。
弊社では、お客さまから長期で信頼して資産運用を任せられるパートナーに相応しい存在になれるように、これからも皆さまから託されたお金を大切に運用して長期的に安定した運用成果の提供を目指していきたいと考えております。
今後ともありがとう投信をご愛顧いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
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