資産運用は一生涯続く<月次レポート2021年1月より>
2021年01月06日(水)
皆さま、新年あけましておめでとうございます。旧年中は格別なご高配を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。 本年も皆さまのご期待に応えられるように、役職員一同、精進して参りますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
昨年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって振り回された激動の1年になりました。世界経済はかつてない程大きく落ち込みましたが、各国政府・中央銀行による財政支出・金融緩和によってマーケットは下支えされ、世界の株式市場は大きく上昇し回復しました。
また、先月12月のマーケットは、新型コロナウイルスのワクチン接種が欧米で開始されたことによる景気回復期待や英国EU通商協定が合意される見通しとなったことにより年末にかけて上昇いたしました。特に米国ではNYダウが30,000ドル、ナスダックが12,600を突破して史上最高値を更新しました。一方、日本株についても日経平均株価は27000円台を回復し30年ぶりの高値を付けて上昇して1年間の取引を終えました。
そのような中で、皆さまの「ありがとうファンド」は、様々な国・地域に国際分散し、厳選された質の高い価値ある資産に投資することによってリスクを抑えながら運用した結果、年間で16.0%上昇して過去最高値を更新いたしました。12月月間でも4.5%上昇し、ともに世界株指数に対してアウトパフォームいたしました。
今後のマーケットの見通しについてですが、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ世界経済の回復は、感染収束の時期や有効なワクチンや治療薬の開発・普及に大きく左右されると思われます。一方で、各国政府・中央銀行による財政支出と金融緩和によって低金利・過剰流動性が継続することで株式市場は下支えされると見ております。ただし、将来の景気・業績回復期待を織り込んで上昇している株式市場と実体経済の乖離が広がっている点は、リスク要因として注意する必要があると考えております。
しばらくは適温相場の状態が続く可能性がありますが、景気や企業業績の回復が期待通りに進まないと、ファンダメンタルズから見た割高感から、大きく調整する可能性もあり、ボラティリティの高い相場状況が今年も続くと思われます。また、国・地域ごとに景気回復に差が出てくる可能性が高くなると思われるので、国際分散投資による分散効果がより期待できると考えております。
再び緊急事態宣言が出される見通し
さて、日本国内においては冬になって寒くなってきたこともあり新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、再び緊急事態宣言が1都3県に出される見通しになりました。9月以降、ウィズコロナの新しい生活様式のもと経済活動が徐々に回復してきた中での急ブレーキです。感染者の増加による医療体制の逼迫が喫緊の課題である一方で、緊急事態宣言による経済的な影響も懸念されています。
特にコロナで大きな影響を受けているいわゆる「コロナ7業種」(飲食、宿泊、陸運、小売り、生活関連、娯楽、医療福祉)については業績悪化による赤字、倒産、廃業、失業者や自殺者の増加など深刻な影響が懸念されており、新型コロナウイルスによる直接的な被害よりも、緊急事態宣言という厳しい抑圧策を継続することによる間接的な被害・損失の方がはるかに大きくなるという見方もあります。日々の生活がかかっている人にとってはまさに死活問題なので難しい舵取りが求められています。
昨年から続いているコロナ禍ですが、感染者数、死者数で言えば海外、特に欧米での被害が大きい一方で、日本の感染者数は海外や季節性インフルエンザ(毎年約1000万人感染)との比較でも圧倒的に少なく、死者数も毎年の季節性インフルエンザとその関連死の人数よりも少ないのが現状です。日本においては、ウイルスの感染力でいえば季節性インフルエンザの方がはるかに強いことがわかります。(年間1000万人の感染だと一日当たり約3万人ペースで感染する計算になります)
感染してもほとんどの人が無症状か軽症で重症化リスクがあるのは高齢者と基礎疾患のある人ということもわかってきており、1月5日時点で累計約25万3千人が感染して約20万6千人が退院・回復しています。亡くなった方は3755人です。ワクチンも治療薬もあるのに季節性インフルエンザとその関連死で毎年亡くなる人は約1万人もいるので、新型コロナウイルスに感染することだけを過度に恐れなくてもよいのではないかと思います。
どれだけ注意していても感染してしまう可能性は誰にでもあります。世界中に感染がここまで広がれば、人類が生活しグローバルに経済活動を続けていく限り、もはやウイルスを完全に根絶することはできないので、有効なワクチンの普及か、ある程度の人数が感染することによる集団免疫の獲得によって、旧型コロナウイルスと同様にウイルスと共生していくしかないと思われます。また、死者数が少なく、医療体制が現在逼迫している日本では、指定感染症の区分を変更するなどして、無症状者の入院・隔離に貴重な医療資源は使わず、重症者や重症化リスクの高い感染者の治療に医療資源を集中するようにシフトしていくことが現実的な対応であると思われます。
テレビのニュースやワイドショー、ネットを見ていると誰でもとても不安な気持ちになりますが、日々の感染者数に一喜一憂せずに、新型コロナウイルスのリスクを正しく評価・比較分析して、過度に恐れることなく、自分でできる感染防止対策(マスク着用、手洗い、うがい)を徹底した上で、皆が過度に自粛せず、それぞれ普段通りの生活(勉強、仕事、家事・育児、運動、娯楽など)を粛々と営んでいくことが、私達の自然免疫力を高め、暮らしと社会を守り、経済活動を正常化させていくことにつながっていくのではないかと思います。
資産運用は一生涯続くので目標に向かって継続していくことが大切
個人の資産運用は5年、10年と区切りがあって終わるわけではなく、皆さまが生きている限り一生涯続いていくものです。
20代の社会人になったばかりの人も、働き盛りの30代~40代も、老後資金準備を意識し始める50代も、定年を迎える60代も、年金生活を送っている70代以降も保有金融資産をどのように運用・管理していくかは大切なことです。現役世代の方は将来に向けての老後資産作りをしていくのが目標になると思いますし、定年後の方は退職金も含めて今ある金融資産をどのように運用・管理しながら利用していくかが大きな課題であり、資産運用の目的・目標になるでしょう。
資産運用を長期で継続している間には様々な事が起こります。景気循環による市場の上昇局面や下落局面はもちろん、バブル経済や大暴落も発生したりします。また、現在の新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックや大きな自然災害や戦争・テロなども経験することになるかもしれませんが、皆さま一人一人の資産運用の目標が大きく変わるわけでありません。
資産運用で大切なことは、ライフプランに基づいて、目的・目標に向かって価値あるものに国際分散投資して長期で継続していくことです。投資をする際には、マーケットが上昇局面でも下落局面でも投資を継続することによる時間分散効果でリスクを低減することが重要になってきます。そして、将来お金が必要になった時には計画的に換金して使っていくことが、これからの人生100年時代の資産運用においてとても大切になってくるでしょう。
弊社では、お客様の資産運用を一生涯サポートさせていただければと考えております。引き続き「ありがとうファンド」1本のみを大切に運用し、長期国際分散・厳選投資で安定した運用成果の提供を目指して参ります。
また、税理士・公認会計士が立ち上げた独立系の資産運用会社として、お客様の資産運用からFP・ライフプランニング、資産承継、税金・相続問題の解決まで専門家ネットワークを活用しながらお客さまをサポートして参ります。
良い時も悪い時も皆さまと資産運用の目標を目指して、一緒に伴走していければと思っておりますので、今後ともありがとう投信をご愛顧いただきますようお願い申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
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