ありがとうファンド16周年を迎えて<月次レポート2020年9月より>
2020年09月02日(水)
皆さま、いつもありがとう投信をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。今年も早いもので9月になりました。蒸し暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
先月も相変わらず新型コロナウイルスの感染拡大は日本を含めて世界中で収まらない中、マーケットでは引き続き主要国政府・中央銀行による金融緩和・財政出動によって株式市場は下支えされている中、経済活動回復と企業業績の回復を見越して世界の株式市場は総じて上昇した1ヶ月になりました。
特に日本株については、欧米先進国、新興国に比べて相対的に出遅れていましたが、安倍首相の突然の辞任発表があり一時乱高下するものの大きく上昇いたしました。
そのような中、ありがとうファンドについては、月間で+4.5%の上昇となりました。月中には基準価額が初めて21,000円を超えて過去最高値を更新いたしました。
ありがとうファンド第16期決算
さて、皆さまのありがとうファンドは8月末に第16期決算を行いました。コロナ禍の非常時の中、こうして無事に決算を迎えられるのも、お客さまをはじめ、株主、役職員、投資先関係者、取引先等、皆さまのご支援の賜物であると感謝しております。誠にありがとうございます。
この一年を振り返って見ますと、まずマーケットでは、前半の今年2月初めまでは米中貿易摩擦の悪化懸念による調整や日本における消費増税による駆け込み需要とその反動減、米国景気拡大のピークアウトが懸念されながらも、株式市場は米国を中心に大きく上昇しておりました。
後半は一変して、2月後半から3月にかけては新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し始めたことにより、コロナショックとなって世界の株式市場は短期間で大きく下落して高値から30%程度調整いたしましたが、各国政府・中央銀行による迅速かつ積極的な金融緩和・財政出動によって株価市場は下支えされ、2番底懸念はあるものの、特にハイテク・ITなどのテクノロジー関連や医薬品などのヘルスケア関連などのクオリティ・グロース銘柄が牽引していく形で上昇し、コロナ前の水準を回復してきました。
世界の株式市場はV字回復してきましたが、ロックダウン・緊急事態宣言による経済活動の落ち込みにより、各国の実体経済はコロナ前の水準には程遠い状況で株価との乖離は大きくなっています。
そのような中で、ありがとうファンドの年間の騰落率は、+20.9%の上昇となりました。参考までに世界株は+16.2%の上昇、日本株TOPIX配当込みは+9.8%の上昇でしたので、相対的に良好な運用成果を残すことができました。
その要因としては、投資先ファンドが持続的に成長していけるクオリティ・グロース企業を厳選投資していること、コロナショックで市場全体が下落する中でも市場全体よりも下げ止まったこと、回復局面では、それらのクオリティ・グロース銘柄が上昇相場を牽引したことによるものと考えております。
また、株式との相関が低く、有事のリスクオフ局面で価格上昇が期待できる金(ゴールド)ETFを保有していたことによってポートフォリオ全体のリスクを抑制してリターン向上に貢献したものと考えます。なお、運用報告の詳細につきましては、9月下旬頃に交付予定の「交付運用報告書」をご確認いただければ幸いです。
また、サービス面では、お客様の資産運用をサポートする仕組みとして2006年より提供している「定期換金サービス」を拡充して、昨年12月より業界で初めて「定率」での換金にも対応いたしました。資産運用を継続し、資産寿命を延ばしながら資産を取り崩して老後に使っていく優れた仕組みであると考えております。
定期換金については、昨年話題になった「老後2000万円問題」の発端となった金融庁審議会の報告書の中でも資産形成・管理として運用しながらの取崩しの必要性に触れられていました。金融庁審議会の報告書を受けてからか、大手ネット証券や同業他社でもようやく定期換金サービスを導入し始めましたが、業界全体に普及していくには色々と課題があり時間がかかるのではないかと考えます。
その一つの理由としては、定期換金サービスに期待される役割を今まで担ってきたのが、高齢者に人気の毎月分配型ファンドです。長期の資産形成に向かず分配金利回りを高くするためにリスクの高い資産を組入れたり通貨選択型など複雑な仕組みでコストも割高なファンドであるとして当局からも指摘にされてきましたが、毎月の分配金が仮に元本払戻金であったとしても、定期的なキャッシュフローとしてのインカムニーズは根強くあり、銀行や証券会社などの販売会社では既に沢山のファンドが販売されて保有している人も多いのが現状です。そのような人達には定期換金によるキャッシュフローニーズは少なく、また販売会社や販売員側にも収益構造的にファンドの定期換金、売却を積極的に勧めるインセンティブが生じにくいことが考えられます。
弊社のように運用会社が直販でお客さまの資産形成から資産活用まで資産運用をワンストップで一生涯サポートしていく目標や使命がなければ、積極的に導入するのは難しいのではないかと考えます。
資産運用の目標に向かって長期で継続していく
ありがとうファンドは16周年を迎えましたが、100年に一度と言われたリーマンショック後の10年は金融緩和による景気回復拡大によって、株価は上下しながらも右肩上がりの上昇を続けてまいりました。
そのような中で、今回の新型コロナウイルスによるパンデミックが発生し、株価市場は大きく下落し、実体経済は世界恐慌時並みのかつてない落ち込みを見せましたが、株価はすぐにV字回復をいたしました。この半年の株式市場の動きはまさにジェットコースターに乗っているかのようなものです。
資産運用で大切なことは、何のために投資するのか、投資目的や資産運用の目標は何かということです。そして、資産運用に成功して運用成果を享受するためには時間を味方につけて長期で継続していくことが必要です。
行動経済学では、人間は誰でも決して合理的に行動するわけではないことが研究からわかってきています。利益よりも損失を2倍に大きく感じたり、利益が出ているときは損失回避の傾向が強くなり、リスク回避的になってすぐに利益確定をしたくなったり、損失が出ているときは損失を取り戻すためにリスク追求的になって大きなリスクをとってしまったり、評価損が出ているものは損失確定を避けるために買値に戻るまで持ち続ける傾向があると言われています。
マーケットが大きく上昇しようが、嵐に巻き込まれて暴落しようが、投資目的や資産運用の目標さえ見失わなければ慌てずに対処することができ、資産運用を続けることができます。
反対に投資目的や資産運用の目標を見失ってしまった場合には、株価の上昇や下落に一喜一憂してしまい長期の資産運用を継続することは難しいでしょう。
現在は、コロナ禍で先行き不透明で不確実性が高い状況ですが、皆さまの投資目的や将来に向けた資産運用の目標が大きく変わるわけではありません。
弊社では、お客様が資産運用で迷われてゴールを見失うことのないようにしっかりとサポートさせていただければと考えて無料個別相談も承っております。ご不安ご心配なことがございましたら、お気軽にご相談いただければ幸いです。無料個別相談はホームページまたはお電話からお申し込みいただけます。
今月からありがとうファンドの運用は17年目に入ります。私たちの使命は、今までもこれからもお客さまから託されたお金を大切に運用し、安定した運用成果を残してご期待に応えていくことです。
これからも短期的な相場動向に一喜一憂せずに、世界経済の成長の恩恵を享受すべく長期・国際分散投資で基本に忠実に資産運用の王道を歩んで参りますので、今後ともありがとう投信をご愛顧いただきますようお願い申し上げます。
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
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