マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2019年10月より>
<9月のマーケット動向>
9月のマーケットの動きですが、前月米国で逆イールド(10年米国債と2年米国債)が起こり、今まで市場を牽引してきた米国経済の景気後退が懸念され弱気相場になりましたが、今月はその世界景気への極端な弱気が影を潜め、米国長期金利が急激に上昇したことから、世界的なバリュー相場になりました。
さすが世界のバリュー株と言われている日本株は年初から出遅れた分を挽回すべく、大きく上昇しましたが、割安感で買われた点と、日本銀行による出口のない日本株式のETF買い支えなど、これから長期的に上昇が続く持続可能なマーケットとは思えません。
下記現地通貨ベースの指数推移を参照していただくと、月序盤から中盤にかけて、日本株が大きく上昇しました。米国長期金利の上昇に伴い、日米の金利差が拡大したこともあり、ドル円相場は円安に推移したことも輸出業を主とする企業の多い日本株にとっては追い風でした。
【米ドル円、ユーロ円推移】2019年8月30日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2019年8月30日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの9月月間騰落率は2.8%の上昇となりました。世界株も同様に3.9%の上昇でした。一方、バリュー相場で光る日本株は6.0%の上昇となり日本株がアウトパフォームする1ヶ月でした。ありがとうファンドは主にグロース銘柄に投資する運用方針ですので、こういったボロ株が買われる相場ではついていけない傾向があります。
9月中の売買状況については、売買を見送りました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(8月末)】
【ポートフォリオ(9月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、各種地政学リスクなど一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元では、すべての国・地域で企業利益の成長が鈍化しているように見受けられます。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これから中長期の人口動態や、GDP成長率を見る限りエマージング株式市場が最も投資妙味のある地域と考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2019年9月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2019年7月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、ありがとうファンドの投資先すべてのファンドが市場平均に見劣りするパフォーマンスの1ヶ月になりました。今月はごくまれに起こる瞬間風速的なバリュー相場が到来しましたので、ボロ株だらけのバリュー銘柄を避け、持続的な企業利益の成長が見込まれるグロース株を主な投資対象としている投資先ファンドのパフォーマンスがいまいちな点は受益者の皆様にもご納得いただけると思います。
転じて年間騰落率を見てみると、日本株のみ二桁マイナスですので、今月の日本株式市場の上昇が日本企業の業績見通しがいきなり改善したからなどではなく、負け過ぎていたところから、海外の外部要因で反発しただけという点も確認いただけると思います。と言ってみても、欧州株の調子もいまいちな点も事実です。半導体需給や、米中貿易問題に起因するハイテク企業への影響などから、それらの銘柄を多く保有していた点がこれら欧州株の低迷につながってると考えております。この点は現在全国にて開催している、『ありがとうファンド第15期運用報告会』の方で詳しく解説させていただいておりますので、ご参加ご検討いただけますと幸いです。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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【日本株】→ TOPIX 配当込み(税引き前配当再投資)
【世界株】→ FactSet Market Indices World 配当込み(税引き前配当再投資)
【米国株】→ FactSet Market Indices United States 配当込み(税引き前配当再投資)
【欧州株】→ FactSet Market Indices Europe 配当込み(税引き前配当再投資)
【新興国株】→ FactSet Market Indices Emerging 配当込み(税引き前配当再投資)
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