マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2019年7月より>
<6月のマーケット動向>
6月のマーケットの動きですが、先月の米中貿易摩擦激化が懸念され世界株式市場が下落したところから反発上昇する1ヶ月になりました。
月前半では、パウエルFRB議長が講演で「景気拡大を持続させるために適切に行動する」と述べたこと、また、低調な米雇用統計結果などもあり、米国の早期利下げ観測が高まったことにより、世界株式市場は総じて上昇しました。
後半にかけては、6月28日~29日の大阪G20における米中首脳会談を控えて、様子見ムードのマーケットになりました。
下記現地通貨ベースの指数推移を参照していただくと、今月は米利下げが意識されたこともあり、ドル円で円高が進行しました。また、同様に日本株式市場も出遅れる形になっています。
【米ドル円、ユーロ円推移】2019年5月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2019年5月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの6月月間騰落率は3.6%の上昇となりました。一方、世界株(MSCI ACWI)は5.8%の上昇で、相対的に出遅れる形になりました。出遅れた要因としては、相対的にパフォーマンスの良かった米国株式市場への保有割合が低位だったこと、米国小型株市場の戻りが鈍かったことなどがありました。
6月中の売買状況については、売買を見送りました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(5月末)】
【ポートフォリオ(6月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、各種地政学リスクなど一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元では、すべての国・地域で企業利益の成長が鈍化しているように見受けられます。いずれの国・地域においても固有のリスクはありますが、これから中長期の人口動態や、GDP成長率を見る限りエマージング株式市場が最も投資妙味のある地域と考えております。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2019年6月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、特にアバディーン北米小型ファンドが米国株式市場全体の上昇と比べると、低調なパフォーマンスになりました。一方、米中貿易摩擦による世界経済の悪化が懸念さたこと、また米利下げ観測により相対的な金の価値上昇が意識されたことにより、金ETFであるiシェアーズゴールドが大きく上昇しました。ありがとうファンドは株式中心の国際分散ファンドでありますが、一部債券(新興国中心、なお日本国債は保有しません)や金を組み入れることにより、ダウンサイドリスク(下振れリスク)を抑える運用を心がけています。
年間騰落率については、ヨーロッパ株式担当ファンドと新興国株式ファンドの出遅れ感が目立ちます。これは2018年では米中貿易摩擦問題が顕在化したことによる新興国市場の低迷、そして新興国で活躍するヨーロッパ企業に多く投資していたこと、また最近弱含んでいる半導体関連企業の保有割合が相対的に多かったことなどに起因します。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→TOPIX配当込み
【世界株】→MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックストータルリターン
【米国株】→S&P500 トータルリターン
【欧州株】→MSCI ヨーロッパ トータルリターン
【エマージング株】→MSCI エマージング トータルリターン
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