マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2018年10月より>
<9月のマーケット動向>
9月のマーケットの動きですが、米中貿易摩擦関連の悪材料出尽くしたこと、自民党総選挙で事前の予想通り安倍総理が勝ったことなどから日本株市場が強い一ヶ月でした。
序盤は米中貿易摩擦激化懸念で、世界株式市場は総じて下落基調で推移しました。中盤にかけては、米国が中国に対して新たな貿易交渉を提示したと報じられたことなどから、米中貿易摩擦激化懸念がやや薄れ、反転上昇しました。
特に日本株式市場では、円安も同時に進行したことや、自民党総選挙に対する期待などから、他の国・地域市場と比べて大きく上昇しました。
後半では、9月20日の自民党総選挙で事前の予想通り安倍総理が勝ったことで、他の国・地域と比べて政権が安定していることなどが投資家の安心感につながり、日本株市場は上昇したまま月を終えました。その他の株式市場では、月初と同水準で月末を向かえました。
下記現地通貨ベースの指数推移を参照していただくと、結果的に日本株式市場の一人勝ちだったことが確認いただけると思います。
【米ドル円、ユーロ円推移】2018年8月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2018年8月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの9月月間騰落率は1.3%の上昇となりました。上昇はしましたが、今月大きく上昇した日本株式の保有割合が比較的低位だったため、世界株式市場の上昇(+2.9%)に比べて、出遅れる形になりました。
9月中の売買状況については、昨年からありがとうファンド全体の信託報酬を下げるべく信託報酬が安くかつ優れた運用パフォーマンスを有するファンドの組入を開始した背景から、コムジェスト・ヨーロッパを一部売却し、ABエマージング・エクイティファンドを買付けました。
また、参考までにですが昨年から組入を開始したアリアンツファンドとABファンドの紹介アップデートを『ありがとうブログ』に掲載しましたので、こちらもご参照いただけますと幸いです。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(8月末)】
【ポートフォリオ(9月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、各種地政学リスクなど一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場は底を打ち活気を取り戻しはじめたように見えます。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2018年9月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、米国株式を主な投資対象としているキャピタルICAファンドと新興国株式を主な投資対象としているコムジェスト・エマージング、ABエマージング・エクイティ、ABエマージング・マルチファンドが各種参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームしましたが、それ以外のファンドが各種参考指数(円ベース)に対してやや低調な結果になりました。
米国の小型株を主な投資対象としているアバディーン北米小型ファンドでは、米国内で稼ぐ比較的小さな規模の上場企業に投資しています。トランプ政権による減税や、規制緩和などは米国内の中小企業に恩恵が大きいと言われていて、年初から米国小型株は堅調に推移してきました。今月も上昇したものの、S&P500指数などに組み入れられている米国大型株と比べるとやや見劣りする結果になりました。
一方、新興国株式を主な投資対象としている3ファンドについては、米中貿易摩擦激化を織り込んだ結果、先月まで大きく値を下げていたところから反発して上昇しました。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→TOPIX配当込み
【世界株】→MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックストータルリターン
【米国株】→S&P500 トータルリターン
【欧州株】→MSCI ヨーロッパ トータルリターン
【エマージング株】→MSCI エマージング トータルリターン
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