マーケット動向・ファンド運用状況 <月次レポート2018年7月より>
<6月のマーケット動向>
6月のマーケットの動きですが、前半は上昇基調でしたが、後半にかけて米中貿易戦争が意識され結果的に前月末比で下げる形で終えました。
序盤は米国の雇用統計やISM製造業景況指数などの経済指標が発表され、堅調な内容であったことから世界株式市場は上昇しました。中盤にかけては、米朝首脳会談への期待から株式市場は大きく下げることもなく様子見相場になりました。
中盤から後半にかけては、米中貿易摩擦激化の懸念が高まり、為替では円高が進行、世界株式市場も総じて下げました。加えて、米国利上げペース加速観測などもあり、新興国市場からの資金流失が懸念され、特に新興国市場が他国・地域市場に比べ大きく下げました。
【米ドル円、ユーロ円推移】2018年5月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。
【主要株式指数推移(配当込、現地通貨ベース)】2018年5月31日を1として指数化
※ ファクトセットよりデータを参照し、弊社にて指数化しております。使用している指数についてはページ最下段の注記を確認ください。
現地通貨ベースの指数推移を参照して頂くと、前月に引き続き新興国株式市場の低調なパフォーマンスが目立ちます。米国との貿易戦争が意識された中国企業の業績悪化、米国の金利上昇による新興国からの資金流出などが影響した模様です。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの6月月間騰落率は0.5%の下落となりました。世界株式市場の市場平均と比べると、今月相対的に強かった米国株式の保有割合が少なかったこと、大きく下げた新興国株式の保有割合が多かったことなどにより、アンダーパフォームしました。
6月中の売買状況については、米国株式を主に投資対象としているキャピタルICAを一部売却し、米国小型株を主な投資対象としているアバディーン北米小型を一部買い付け、スイッチングしました。また、コムジェストヨーロッパファンドとコムジェストエマージングファンドについて、同戦略で信託報酬の安いファンドが設定されましたので、ほぼ全てスイッチングしました。さらに信託報酬の安いアリアンツ・セレクトファンドに一部スイッチングしました。同様に、ABエマージング2ファンドにもスイッチングしました。また、現状のリスク環境を鑑みて金ETFを買い増しました。
【値動きの大きさの推移(250営業日リスク推移)】
※値動きの大きさの推移について:設定来の日次リターンを基に過去250営業日のリスク(日次リターンの標準偏差の年率換算値)の推移を表したもの。簡単に説明すると、数値が高いほど日々の値動きの幅が大きいことを表し、逆に数値が低いほど日々の値動きの幅が小さいことを表します。ありがとうファンドは値動きの幅を低位に抑える運用を心掛けています。
【資産配分(5月末)】
【ポートフォリオ(6月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、北朝鮮問題など一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場は底を打ち活気を取り戻しはじめたように見えます。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2018年6月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、①実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、②国・地域別資産配分の見直し・調整、③金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率についてはヨーロッパ株式を主な投資対象としているアリアンツ・ユーロランド、新興国株式を主な投資対象としているコムジェスト・エマージング、ABエマージング・エクイティ、ABエマージング・マルチ、コムジェスト日本株式ファンドが各種参考指数(円ベース)に対しアンダーパフォームし、ありがとうファンドの低調なパフォーマンスの要因となりました。
一方、年間騰落率をみると、ファンドごとにまちまちのパフォーマンスになっております。1月後半からの世界同時株安相場でここ数カ月調整相場が続きましたが、暴落というような投げ売り局面ではなく、適切な調整相場だったと考えられます。ありがとうファンドでは企業利益を持続的に成長できる質の高いビジネスモデルを持つ企業に投資するファンドを厳選しています。株式市場は米国の減税法案通過などもあり、過熱気味だったため調整相場に転じましたが、世界経済の回復・改善が続く中、しっかりした成長ストーリーのある企業の株価は過熱していた株価の調整を乗り越えると考えております。
【月間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【年間騰落率】
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
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※各国・地域市場の指数は他に断りの無い限り以下の指数を使用しています。
【日本株】→TOPIX配当込み
【世界株】→MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックストータルリターン
【米国株】→S&P500 トータルリターン
【欧州株】→MSCI ヨーロッパ トータルリターン
【エマージング株】→MSCI エマージング トータルリターン
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