マーケット動向・ファンド運用状況<月次レポート2017年11月より>
<10月のマーケット動向>
10月のマーケットの動きですが、年初から出遅れていた日本株式市場が大きく値を上げるマーケットでした。月序盤では、米国の税制改革実現への期待が高まったことなどから世界的に株価は上昇基調になりました。その後中盤にかけて特に日本株式市場では衆議院選挙に対する期待などもあり、ほぼ一本調子に上昇しました。また、OPEC(石油輸出国機構)加盟・非加盟国による原油の減産合意が2018年末まで延長される可能性が見受けられ、原油先物価格WTIは節目の1バレル50ドルを超える水準が続いたこともマーケットでは好感されました。
一方、欧州ではスペインのカタルーニャ州の独立を問う住民投票をはじめ一連の報道が嫌気され、他の市場相対で低調な推移になりました。後半にかけてECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が金融政策の変更を決定し、テーパリング(段階的縮小)ではなく、単なる小規模化と強調し慎重な発言をしたことなどから、やや買われすぎていたユーロが反転売られる展開になりました。
月間の騰落率としては、TOPIX(配当込み)は5.45%の上昇、米国S&P500(配当込み)はドルベースで2.33%の上昇、欧州MSCIヨーロッパ(配当込み)はユーロベースで1.97%の上昇、新興国MSCIエマージング(配当込み)はドルベースで3.51%の上昇となりました。
為替相場は月末時点で、米ドル/円が113円台半ばと前月末比で円安が進行しました。ユーロ/円については132円台前半と前月末比でやや円高基調で月を終えました。
今月は年初から出遅れていた日本株の堅調な推移が確認できます。これは9月末の中間決算発表、衆議院の解散・総選挙に対する期待が背景にあると考えます。
<ありがとうファンドの運用状況>
ありがとうファンドの10月月間騰落率は2.9%の上昇となりました。基準価額は上昇したものの、参考指数に対しては低調なパフォーマンスの一ヶ月になりました。
10月中の売買状況については、売買を見送りました。
【資産配分(9月末)】
【ポートフォリオ(10月末)】
※「年率複利」は、過去の実績値であって将来の成績を保証するものではなく、またお客様ごとの購入時期によって運用結果は異なります。「年率複利」と「標準偏差」については、ありがとうファンド設定来(2004年9月1日)からのデータを基に、弊社にて計算しております。参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
<今後の見通しについて>
今後の見通しについては、北朝鮮問題など一過性のイベントはあるものの世界経済は引き続きリーマン・ショックからの回復・成長が続くと考えています。ファンダメンタルズの改善に基づいた企業利益の成長がより注視される市場になるでしょう。下図ではリーマン・ショック前からの4国・地域のEPS(1株当たり利益)の水準をまとめました。足元5年ほど低迷していたエマージング市場とヨーロッパ市場は底を打ち活気を取り戻しはじめたように見えます。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、EPSは2007年1月末を1として指数化し2017年10月末までの推移
<今後の運用方針について>
株式市場という観点から足元の状況を考えると、リーマン・ショック後各国・地域は量的緩和などの金融緩和で各々の経済・市場を支え世界的にカネ余りの状況が続いています。リターンを求めてやや過熱感のある市場も出てきました。このような環境下では一つの市場だけに投資することはリスクが高く、特定の市場に過度に偏ることなく幅広く分散投資することにより長期的に持続性のあるリターンを享受できると考えております。ありがとうファンドでは、世界経済の成長をグローバル市場で競争力のある企業の成長に沿った形で享受できるよう、国際分散・厳選・長期投資を継続していきます。
アクティブファンドというと上昇局面で大きく稼ぐといった様な派手なイメージが強いと思いますが、ありがとうファンドでは上昇局面で無理に上値を狙うといった運用よりは市場全体が下落する局面にて市場相対で下げ幅を抑制することにより結果的に長期で安定したパフォーマンスを提供できると考えております。その源泉としては、実績のある投資先ファンドによる成長企業の厳選、国・地域別資産配分の見直し・調整、今後投資予定の金ETFなど株式市場と相関が低い資産を組み入れることによる資産分散を主に考えております。下図はあくまでも参考までにですが、上昇局面では90%ほど市場に追従し、下落局面では下落幅を抑制した場合のバックテスト例になります。ダウンサイドリスクを抑制することにより、長期で価格変動リスクを抑えながら運用パフォーマンスを向上できたことが確認いただけると思います。
出所:ファクトセットよりありがとう投信計算、株価は1987年年初を100として指数化し2017年9月末までの推移、注:上昇・下落局面は月次騰落率ベースで判断。平均年率パフォーマンスと標準偏差についても月次ベースのデータから計算
<投資先ファンドの状況について>
月間騰落率については、コムジェスト日本株式、ABアメリカン・グロース、アリアンツ・ヨーロッパセレクト、コムジェストヨーロッパファンドが参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームしました。好決算、安倍首相の再任などポジティブな環境が続いた日本株式市場の上昇力は強く、その強い上げ相場で市場平均以上のパフォーマンスを実現できたコムジェスト日本株式ファンドの銘柄選択効果が顕在化した一ヶ月でした。一方、エマージング市場を担当している3ファンドについては参考指数に対しやや低調なパフォーマンスで月を終えました。
【月間騰落率】
年間騰落率については、アリアンツ・ヨーロッパセレクト、ABアメリカン・グロース、コムジェスト日本株式ファンドが参考指数(円ベース)に対しアウトパフォームしました。3つのファンドに共通することは徹底的な成長株戦略ファンド(グロース戦略)という点です。こういった成長株戦略は昨年後半のトランプラリーで割安だったエネルギー、金融関連銘柄が買い戻されたバリュー相場では出遅れていましたが、過去一年間景気改善が続くにつれ持続的に企業利益を成長できる成長銘柄が徐々に見直された結果、良好なパフォーマンスを実現できたと考えます。
【年間騰落率】
<投資先ファンドの運用パフォーマンス>
注:参考指数(円ベース)の騰落率についてはファクトセットよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
アリアンツ・ユーロランドグロースについては、2017年10月末時点ではまだ保有していませんが、今後徐々に買付けを検討しているため参考までに記載しております。
【本文で使用している指数の注記】 騰落率は、FACTSETよりデータを参照し、弊社にて計算しております。
TOPIXに関する著作権、知的財産権その他一切の権利は東京証券取引所に帰属します。S&P500種指数(S&P500)に関する著作権、知的財産権、その他一切の権利はS&P Dow Jones Indices LLCに帰属します。MSCI Indexに関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、MSCI に帰属します。
関連記事
| マーケットTOPへもどる |