一喜一憂せずに継続することの大切さ<月次レポート2017年11月より>
2017年11月14日(火)
皆さま、いつもありがとう投信をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。今年も残り2か月になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
先月の株式市場は堅調に推移し、特に年初から出遅れていた日本株市場は大きく上昇し、日経平均株価は過去最長となる16連騰を記録しました。衆議院解散総選挙が行われ、野党の分裂・混乱と自滅に助けられた形で与党自民党が大勝したことにより、政策が継続される安心感や好調な企業業績も株価上昇を後押ししました。
株価は上昇を続けていますが、それほどの熱狂も感じられません。上り続ける株価に投資家が意外と冷静なのは日銀の金融緩和も影響しているのではないかと考えます。日銀が年間6兆円も日本株を購入しているのは、国による株式市場の買い支えとも考えられ、このまま継続していくことの影響は大きく、反対に止めることも難しく、いずれにしても今後の日本株市場については楽観することはできず、弊社としては慎重なスタンスを変えておりません。
ありがとうファンドは、国際分散投資をしておりますので、現在、日本株への投資比率は約6%です。残り9割以上は海外に投資しており、日本株市場の影響は直接ほとんど受けないポートフォリオになっておりますのでご安心いただければと思います。先月は海外株式市場についても大きく上昇しましたので、ありがとうファンドの基準価額も連日で最高値を更新いたしました。
現在、全国で開催している運用報告会でもお話しさせていただいておりますが、足元、世界経済は改善基調であり、特に新興国、欧州についてはここ数年景気低迷していた影響もあり、今後の回復の伸びしろは大きいと考えております。一方、米国については利上げできるほど景気は好調ですが、株価については過熱感もありますので相対的に伸びしろは大きくなく、短期的な調整の可能性もあるのではないかと考えているので、米国株への投資配分は25%程度と時価総額対比で半分程度と相対的に少なくしております。
ところで、現在のように上昇相場が長く続くとどうしても一旦換金して様子を見ようとする人が増えてきます。特に北朝鮮問題など今後についてリスクや懸念があると尚更です。しかしながら、大半のケースではタイミングよく売買できずに一喜一憂してしまうことが少なくないと思われます。
タイミングを見計らっての投資は、たまたまうまくいくことがあってもずっと成功し続けることは難しく、例えるなら、ギャンブルで勝ち続けるのが無理なのと同じことです。大抵は上がったら売って、下がったら買い戻そうとして、なかなか下がらずにむしろ上がってしまって、高値で買い戻した結果、しばらくすると下落してしまい、結局、ずっと保有していた方がましだったという結果になることも少なくありません。
長期投資で資産運用をしていく過程では、上昇相場もあれば下落相場もあります。過去を振り返ると上昇し続ける相場もなければ、下落し続ける相場もありません。かつてバブルと言われたものはすべてはじけて下落しましたし、リーマンショックのような大暴落からも回復して上昇してきました。
大切なことは、何のために資産運用をしているのか、目的を忘れずに、マーケットの動きに一喜一憂することなく継続していくことです。上昇相場ではさらに上値を狙って欲張りすぎずにむしろ慎重に、下落相場では悲観的にならずにむしろ投資機会が到来したと考えてポジティブに投資を続けていくことが大切なのではないかと考えます。
よくセミナーなどで「いつ換金すればいいのですか?」と質問を受けることがありますが、そのような時には「相場を見て上がったから換金するのではなく、お金が必要になったときに必要な金額だけ換金してはいかがでしょうか。」と回答させて頂いております。必要がないのに換金した場合、その後どうするのかが問題になってきます。ただ預貯金にして置くだけでは、何のために資産運用を始めたのかわからなくなってしまいますので、当初の目的を思い出していただければと考えております。
計画的に必要な金額を換金していき、当面使う予定のない資金は資産運用を継続していくというのが、弊社が提案している「使いながら増やす出口戦略」であります。そして、それを実現するサービスが『定期換金サービス』です。
時間分散投資でリスクを低減する積立投資については、金融庁も普及に力を入れていることもあり、以前に比べるとかなり認知されてきておりますが、定期換金サービスについては、その存在はほとんど知られておりません。
定期換金サービスも積立投資と同様に時間分散効果があり、一度に全額換金しないので安値売却のタイミングリスクを回避することができますし、すぐに使わない分は、そのまま資産運用を継続して増やしていくことが期待できるので、長き生きすることによるお金の面での不安を解消することができます。
もし一括で換金して預貯金を取り崩していくだけでは、現在の金利水準では増やしていくことが期待できないので使ってしまったら終わりで、さらに、将来インフレになった場合には、購買力を維持できず実質価値が目減りしてしまう可能性もあります。また、下がったら買い戻そうとして待っている間に、なかなか下がらずに時間だけが経過することもよくあります。売って買い戻すとなると一旦利益に対して課税されてしまうので課税の繰り延べ効果を受けることができず、複利効果も減少してしまいます。
以上見てきましたように、将来に向けて資産運用をコツコツ継続していくことは単純なようで実は難しかったりします。『継続は力なり』という言葉がありますが、仕事でも、勉強や運動でも、続けることの大切さ、大変さは皆さん今までの人生の中でしみじみと実感されているのではないでしょうか。最後まで続けられるか、途中で止めてしまうかで結果は大きく変わってきます。資産運用も続けていくことが大切ですが、長く続けていると相場の変動に惑わされたり、不安になったりすることもあると思います。そのような時には一人で悩まずに是非お気軽にご相談いただければ幸いです。
弊社では、長期・国際分散・厳選投資でお客さまの将来を見据えた資産運用をこれからもサポートさせていただきますので、引き続きご愛顧の程何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
関連記事
| 社長メッセージTOPへもどる |