~コムジェスト特別対談インタビュー~マクロ経済環境に流されずにブレない投資哲学を貫く【前編】
フランスでは珍しい独立系運用会社として1985年にスタートしたコムジェスト。
変わらない投資哲学のもと、独自の投資戦略を磨きあげてきました。
30周年を迎えて現在世界8か国で展開しており、日本法人は2007年に設立されています。
今回は、弊社代表取締役社長の長谷(以下長谷)が、コムジェスト・アセットマネジメント代表取締役の高橋氏(以下高橋氏)に企業文化や投資哲学、投資戦略について話を聞きます。
長谷:コムジェストアセットマネジメントは、フランスでは珍しい独立系の運用会社であり、長期投資戦略を考える中で、他社とは違う特徴的な運用をされています。
まずは御社の企業文化、投資哲学についてお聞かせいただけますでしょうか。
高橋氏:我々コムジェストはよいパフォーマンスを長期的に出すことを第一の目標にしています。
このため、他の運用会社と比較して長期的な視点で会社が運営されており、運用の判断をチームで行うよう徹底されています。
お客様は過去のパフォーマンスと同様、若しくはそれ以上のパフォーマンスを期待されています。
一人の担当者やキーパーソンの裁量に頼った運用ではなく、チームで意思決定を行っていくことで長期的に良いパフォーマンスを継続できると考えています。
チームでの意思決定に必要不可欠なことは情報のシェアと活発なディスカッションです。そのため組織はフラットで、階層化していないこと、また風通しが良いということが特徴です。
世界8か所に拠点がありますが、テレビ会議だけでなく、定期的に実際に集まって会議を行うことを大切にしていることから運用担当者全員が顔と名前、どんな人物か、そしてどんな企業を調査しているのかまで共有しています。
また、長期的に良いパフォーマンスをあげるにはチームでの意思決定に加え、組織的な蓄積が大切だと考えています。コムジェストは人材の流動性も少なく運用の長期的な蓄積ができています。
競争ではなく共創する文化が、長期的に組織としての蓄積を増やしていくことにつながると考えます。
長谷: 現在は少数精鋭な環境である御社ですが、今後運用資産残高が増えるにつれて人数を増やすことはお考えですか?
高橋氏:エマージング諸国のマーケットが成長してくればアナリストを増やす可能性はありますが、大規模に人を増やすことはなさそうです。エマージングの預かり資産を大きく増やしていく予定もないので。
他の地域に関しては概ね十分な調査体制ができていると考えていますが、優秀かつチーム運用に馴染む人員がいれば増員する可能性はあります。
ただコムジェストの採用プロセスは決定までに時間がかかるので直ぐに増員、ということはありません。
採用に関してはチーム運用になじむかどうか面接で繰返し確認したうえで入社していただき、トレーニング期間で更なる精査を経て本採用するか決定します。
時間がかかるのはチーム運用になじむかどうか、全員の意向が一致する必要があるからです。
長谷:全員の一致ですか。それは時間がかかりますね。
ぶれない企業文化があるからこそチーム編成もなかなか大変なのですね。
また、投資哲学については、長期的に市場平均よりも高い利益成長を持続できる企業に投資をし、
長期的な株価の値上がりによって相対的に高いリターンを生み出すといった方針を実践されていますね。
御社が現在の哲学を貫き続けているのは創業時から変わらないのでしょうか?
高橋氏: コムジェスト創業の理由は、成長していくと信じることができる企業のみに投資するべきだという思いからでした。ですから創業以来、確信度を持った投資を実践するために企業調査をひたすら続けてきています。
いわば企業の成長性を調査する専門家集団です。
株式市場は短期的には様々な相場やブーム、ニュースによって動きます。
例えば資源価格の上昇によっておきる資源関連株が市場をけん引する相場だったり、
昨年米大統領選後に金融機関に対する規制緩和が期待されたことで起きた銀行株が市場をけん引する相場だったりと本当に様々な要因で市場は動きます。
コムジェストはどんな市場環境においても自分たちのやってきたこと、
成長企業への投資を継続していることからパフォーマンスが良好でない時期もあります。
次々に起きる相場の波をとらえるのではなく、現在のぶれない投資哲学を貫いています。
得意ではない分野に手を出すことが、長期的なパフォーマンスやお客様への信頼につながらないということがわかっているからです。
長谷:なるほど、長く続く伝統を守る企業文化とブレない投資哲学が根付いているのですね。
ありがとうございました。
後編は、コムジェストの投資戦略について伺いたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。
(後編へ続く)
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