~コムジェスト特別対談インタビュー~マクロ経済環境に流されずにブレない投資哲学を貫く【後編】
長谷:前回に引き続き、今回は投資戦略についてお伺いしたいと思います。
運用は長期投資を基本とされていますが、実際の投資対象の選定にあたっては、かなり厳しい選定基準があると伺っています。
具体的に説明いただけますでしょうか。
高橋氏:ヨーロッパ株式戦略の場合多種多様なヨーロッパの企業の中から、私たちの投資基準にあったクオリティグロース企業を選別して行くと、通常80社程度になります。
この中から、成長性の確信度が高く、また割安な30~35銘柄まで絞り込んで投資します。
私たちは、持続的に高い利益成長が見込める企業に投資します。1番のポイントは5年年率二桁の利益成長を見込めるかということです。
アナリストは1人で約20社の調査を担当し、1社1社丁寧に調査を重ねながら5年間の売り上げ予測を立てます。
企業調査は、その調査対象企業だけを調べるのではなく、例えば医療機器メーカーを対象にした場合、それを使用している医師に機器の選定基準を聴取する、競合他社との違い、優位性を確認する、各地域・各国のシェアの調査、他国の医師へ聴取なども行い広く深く調査を実施しています。
企業調査を重ねることでその企業に対する理解を深め、利益予想の精度を高めていくことを大切にしています。
長谷:利益予測を大切にされているからこそ資源価格によって業績が大きくぶれるようなエネルギー関連企業などには投資されていないのですね。
過去の実績を長期で見ると、投資されている企業群の利益成長とファンドのパフォーマンスが高い確率で連動していますね。
では、そういった中で今後の各地域の注目点や市場への視点を教えてください。
たとえば日本市場はどうでしょうか?
高橋氏:まず前提としてコムジェストではマクロ経済予想や相場見通しに基づいたトップダウンの運用ではなく、
あくまでも個別企業を調査・分析するボトムアップでの運用を行っています。
世界の企業はより国際的になってきています。
ご存知の通り、日本の企業が世界で活躍しているように、エマージング諸国の企業でもグローバル市場で活躍している企業があります。ですので、日本企業に投資する場合でも日本という地域だけを見ているわけではないのです。個別企業、1社1社のビジネスを見ています。
2017年の日本のGDP成長率は1%台と成長予測は低水準ですが、個別企業はといいますと実に様々です。
日本株ファンドでは現在39社に投資させて頂いていますが、どの企業も長期的に高い成長を見込んでいます。
国の成長率は低くてもしっかりと成長してきた企業、している企業、していく企業は日本にも多くあるのです。
コムジェストでは世界の株式に投資するファンドも運用していますが、同ファンドでは36社に投資しており、内13社が日本企業で、比率にして約35%にもなります。世界の企業から選りすぐりを集めた結果、日本から多くの投資妙味があると考えられる企業が発掘されているということになります。
長谷:最近世界的な流れでアクティブからパッシブへの流れがあるという潮流に関してどうお考えですか?
高橋氏:洋服にも高級ブランドとファストファッションがあるように、どちらかが良いものというわけではありません。投資家が自分の目的に合った投資商品を選ぶことが大切だと考えます。
どれくらいのリスクでどれくらいのリターンを期待しているか、どういった性質の商品なのかを理解して商品を選ぶことが重要です。
コムジェストの投資哲学は、株式市場の大前提である長期的には株価の成長性は企業の利益成長に収れんするという考えに基づいています。長期的に高い利益成長を実現していける企業に投資することができれば、長期的に市場より高いリターンを得られると過去の実績からも確信しています。
アクティブからパッシブへという潮流が起きていることは認識していますが、当社は引き続き企業調査を積み重ね、市場環境に流されることなく規律ある投資を実践し、お客様の資産運用に貢献していきたいと考えています。
長谷:トランプ大統領就任により世界経済は今までの延長線上では考えられなくなっており、各市場ともにイベントリスクが多く外部環境に左右される展開が予想される中、コムジェストさんはあくまでも個別企業を厳しく調査・分析して、クオリティグロース企業に集中投資していく方針に変わりはないことですね。
今後もブレない投資哲学のもと安定した運用パフォーマンスを期待しております。
本日は貴重なお話しありがとうございました。
高橋氏:こちらこそありがとうございました。
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