ファンドのチーム運用について【前編】
2017年04月29日(土)
ファンドの運用について、一般的にチーム運用と属人的なファンドマネージャー運用の大きく二つに分けることができます。それぞれの特徴とありがとうファンドのチーム運用について、詳しく見ていきたいと思います。
まずは、チーム運用及び属人的なファンドマネージャー運用の特徴について整理したいと思います。
チーム運用では、複数の担当者で運用するので、一貫性、統一性を保つために投資哲学、投資方針、運用プロセスを明確にして共有していく必要があります。そのため必然的に運用プロセスの仕組み化、見える化が行われることになりますので、万が一担当者が交代したとしても再現性の高い運用ができることになります。
一方で、属人的な運用では、ファンドマネージャーが自分の経験と勘で運用する場合が多く、どのように運用しているかの方針や理由、根拠の説明を十分にされていないと本人以外はわからないブラックボックス化された運用となる可能性があります。このような運用の場合は、ファンドマネージャーにもしものことがあり、引き継ぎがきちんとなされていないと、同じ運用ができず再現性・継続性は低くなってしまいます。
私たちは長期投資でお客様の資産形成のお手伝いを目指しておりますので、ファンドの運用期間は10年、20年以上の長期にわたっていきます。このように長期間にわたるファンド運用の場合、途中で運用担当者が交代するリスクは当然考えておかなければなりません。属人的な運用は、仕組み化や共有化がされにくく、それに対する備えがないとも言えます。長期投資を謳っていながら、交通事故に遭ったり、病気になったり、本人の都合で退職してしまって運用ができない、ファンドを継続できないというのではあまりにも無責任であると考えます。
このように継続性の観点からも、チーム運用の方が属人的な運用よりも長期投資においては向いているのではないかと考えます。
もちろん有名なファンドマネージャーが、スターファンドマネージャーと呼ばれてその人しかできない属人的な運用によって高いパフォーマンスを上げて名声を得ている場合もありますが、高いパフォーマンスがずっと続く保証はありませんし、投資家はファンドマネージャーの継続性リスクを常に抱えながら運用を任せることになります。
私たちは運用における継続性と安定性、そして再現性を確保して、安定した運用パフォーマンスを提供することができるようにこれからもよりチーム運用を徹底してまいりたいと思います。
続いて、ありがとうファンドのチーム運用について、運用体制とファンド構造上の点から見ていきたいと思います。
まずは、ありがとうファンドの運用体制は、投資政策委員会による合議制で運営されております。投信企画運用部にて運用計画を作成して、それを投資政策委員会で審議して決定します。決定した方針計画に則り、運用を実行して、その結果を評価分析して、次の運用計画に生かしていく、PDCAサイクルを回しております。
投資政策委員会は、代表取締役やファンドマネージャー、運用担当者だけでなくカスタマーサービス部、投信委託業務部、コンプライアンス部など各部門長で構成されており、皆で運用方針や計画などを確認・共有し、明確にした上で運用しております。このようにありがとうファンドでは組織としてチーム運用を実践しており、安定した運用パフォーマンスの向上を目指すとともに継続性および再現性のある運用力の向上を目指して改善を続けております。
(後編へ続く)
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