ありがとうの本棚(今月の一冊『思考の整理学』)
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新版 思考の整理学 (ちくま文庫 と-1-11)
外山 滋比古 (著) 形式: 文庫
本書は、「自分の頭でどう考えるか」という本質的なテーマについて書かれており、情報が溢れ、AIが瞬時に答えを出してくれる現代にこそ必要な「知の整理術」を教えてくれます。
最も印象的だったのは、受動的な思考の人間を「グライダー」、能動な思考の人間を「飛行機」に例え、対比させている部分です。現在の日本の詰め込み型の学校教育は、従順で記憶力に優れた「グライダー型」の人間を育てる訓練になりがちだと著者は指摘します。与えられた課題をこなすことは得意でも常に誰かのリードを待っているため、主体性や創造性が育ちにくく、環境の変化に弱くなってしまうといいます。
さらに、言われたことをこなすだけの作業は、近い将来、AIに完全に取って代わられてしまうため、これからの時代に求められるのは、自ら問題意識を持ち、課題を発見し、独自のアイデアや答えを生み出す創造的な「飛行機型」の人間だと書かれています。ただし、著者は「グライダー型」を完全に否定しているわけではありません。重要なのは、基本を学んだ(グライダー能力を身につけた)上で、いかに「飛行機型」へ進化していくかという点であると説きます。また、得た知識を「忘れる・寝かせる・発酵させる」などのプロセスを経ることで、独自のアイデアを生み出すことができると、自らの体験をもとに具体的な手順も紹介しています。
刊行から40年以上が経った今も多くの人に読まれている不朽の名著をぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。

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