初心を思い出そう <月次レポート2023年1月より>
2023年01月06日(金)
皆さま、新年あけましておめでとうございます。旧年中はご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
本年も皆さまのご期待に添えるように、役職員一同、精進して参りますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
さて、昨年は、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの高まりや世界的な物価高騰とインフレ抑制のためのFRBによる大幅な利上げによって、世界株式市場は大きく下落調整いたしました。特にコロナ禍で大きく上昇していた金利上昇の影響を受けやすいグロース株を中心に大きく調整する厳しい一年になりました。
皆さまのありがとうファンドもクオリティグロース企業への投資比率が高く、資源エネルギー価格高騰の恩恵を受けるエネルギーセクターへの投資がほとんどなかったため、大きく出遅れる厳しい一年となりました。
また、先月マーケットでは、日銀がサプライズで金融緩和政策の一部を変更し、YCC(イールドカーブ・コントロール)の長期金利の変動幅を±0.25%から±0.5%へ引き上げたことによって、長期金利が上昇し、金利差縮小から為替相場は131円台まで大きく円高ドル安が進みました。
今年の世界経済は、欧米におけるインフレ抑制のための利上げの影響で景気後退が懸念されており、引き続きマーケットのボラティリティが高まる展開を想定しております。また、ウクライナ情勢や台湾を巡る米中の動向など地政学リスクがさらに高まるリスクもあります。国内においては、コロナ禍からの本格的な経済活動正常化が期待されるものの、インフレが家計に与える悪影響や日銀総裁交代による金融政策変更の可能性などがリスク要因として考えられます。
不確実性が高まり業種・企業間の業績格差が広がっていく市場環境においては、引き続き幅広い国・地域への国際分散投資と持続的に利益成長していけるクオリティの高い企業への厳選投資が重要になってくると考えます。
弊社では引き続き長期・国際分散・厳選投資で安定した運用成果を提供し、お客さまの資産運用を一生涯サポートしていくことを目指して参ります。
2024年からの恒久化NISA制度への対応
現在、第8波の真っ只中である新型コロナウィルス感染症も今年で4年目に入ります。昨年末に中国がゼロコロナ政策を転換して一気に軌道修正したため、世界の主要国の中でいまだにコロナ禍が終わっていないのは日本だけになってしまいました。
今年は日本においても出口に向けた議論や動きが本格化して、海外並みに様々なコロナ規制やガイドラインが撤廃・見直されてコロナ前の普通の日常が戻ってくることが期待されています。
弊社では、昨年4月以降の行動制限解除後はオミクロン株の特性や海外諸外国の規制撤廃の動きなどを踏まえて、ウィズコロナを前提に出来るだけコロナ前の通常業務に戻していく方針で6月からセミナー活動等も再開して参りました。
今年は全面的な社会経済活動の正常化が期待される中で、コロナ前の状態にただ戻るのではなく、お客さまの資産運用を一生涯サポート出来るように、さらに一歩前へ進めて、ファンドの運用パフォーマンスの向上はもちろんのこと、資産運用サービスや価値ある情報発信を充実させていきたいと考えております。
また、昨年12月の自民党税制改正大綱で2024年からのNISA制度が恒久化されて非課税期間が無期限化されることが決定されてことを受けて、弊社では来年2024年からの恒久化NISA制度に対応する方向で準備を進めていくことにいたしました。
今回の税制改正大綱を受けて、多くのお客さまからお問合せを頂きましたが、今回の税制改正によるNISA制度の恒久化及び非課税期間の無期限化、非課税限度額(生涯投資枠)の設定を上手に活用することは弊社のお客様の老後資産形成にとっても大きなメリットになると考えております。
尚、既存の一般NISAについては、非課税期間が5年で短期間であり長期の資産形成には適していないと考えられること、非課税期間終了時の課税口座移管タイミングの時価によっては課税口座で投資するよりも税制上不利になってしまうケースがあること、恒久的な制度ではなかったことなどを理由に対応を見送っておりました。
また、つみたてNISAに関しては、「ありがとうファンド」が資産複合型で様々な資産クラスに投資可能であるため、残念ながら金融庁が定める対象商品の要件を満たしておらず、つみたてNISA制度対象外になっております。
恒久化NISA制度の詳細や来年2024年からの制度利用に向けてのNISA口座開設のお手続き等について具体的なことが決まりましたら、随時ホームページや月次レポート等でご案内させて頂きますので、何卒よろしくお願いいたします。
資産運用を始めた初心を思い出そう
毎年年頭には、皆さま、昨年を振り返り、今年はどんな年になるか、どんな年にしたいか等を考えて、今年の抱負や目標を立てられているのではないかと思います。弊社でも毎年の恒例として役職員は色紙に今年の目標を書き出してオフィスの皆が見えるところに掲示しております。
資産運用においても、きっかけは様々だと思いますが、皆さま何らかの目的や目標を持って資産運用を始められたのではないかと思います。
資産運用で大切なことは、ライフプランに基づいて目的・目標に向かって長期で資産運用を継続していくことですが、自分は何のために資産運用を始めたのか、目的・目標は何だったか、新しい年の始まりに是非とも初心を思い出してみて頂きたいと思います。
将来の老後資産形成のため、退職金を運用して資産寿命を延ばすため、子供の将来の教育資金のため、将来的に子供や孫に相続・贈与するためなど、お客さまごとに様々だと思います。また、将来の老後資金の目標金額も2000万円だったり、それより多かったり、少なかったり、ライフプランによってお客様ごとにそれぞれ異なっていることと思います。
個人の資産運用は5年、10年と区切りがあって終わるわけではなく、皆さまが生きている限り一生涯続いていくものですが、長期で資産運用を継続していく中では、どうしても資産運用を始めた頃の初心を忘れてしまいがちになります。また、ある程度資産運用を継続して慣れてくると、自分でマーケットを予想してタイミングを見計らってファンドの売買を繰り返してみたり、短期的な上昇相場や下落相場に一喜一憂して必要のない売買をして結果的に資産を擦り減らして、何もせずにそのまま保有していた方が長期で見れば良かったということも少なくありません。
一年の始まりに、資産運用を始めた初心を思い出して、長期の資産運用をコツコツと継続していくことが、皆さまの資産運用の目標達成につながっていくと考えます。
今年も昨年と同様に不確実性が高い状況が続き、予測の難しいマーケットになると思われますが、不確実性がある前提でマーケットが上昇局面でも下落局面でも長期・国際分散・厳選投資で資産運用を継続することによって分散投資効果でリスクを低減しながら、時間を味方につけて世界経済の成長と企業利益の成長の恩恵を享受していくことが大切であると考えます。
弊社では、長期的な時間軸で物事を捉えて右往左往せずに、短期的な相場動向に一喜一憂することなく、世界経済の成長及び企業の利益成長の恩恵を享受すべく長期・国際分散・厳選投資で基本に忠実に資産運用の王道をブレずに歩んで参ります。
これからもお客様の資産運用を一生涯サポートしていけるように、お客様に必要とされる存在を目指して、良い時も悪い時も皆さまと資産運用の目標を目指して、一緒に伴走していければと思っておりますので、本年もありがとう投信をご愛顧いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
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