経済活動再開とコロナとの共存<月次レポート2020年6月より>
2020年06月02日(火)
皆さま、いつもありがとう投信をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が依然として続いており、不安な日常をお過ごしのことと思います。
感染拡大が続くも経済活動再開
さて、先月も引き続き新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、6月2日時点で世界の感染者数は627万人、死亡者数は37万人を超えました。感染拡大の中心地は先進国から新興国にシフトしておりますが、一方で、感染増加がピークアウトしてきた米国や欧州各国ではロックダウンを徐々に解除して経済活動再開の動きも出てきました。
日本でも緊急事態宣言が5月25日に東京や北海道などでも解除されて、全国で経済活動再開へ向けて動き出しました。日本だけでなく欧米各国も新型コロナウイルが収束したという状況には至っておりませんが、いつまでもロックダウンや緊急事態宣言で経済活動を止めていては経済や私達の生活が成り立たなくなってしまいますので、経済活動再開は必要なことでしょう。
しかしながら、感染防止をしながら第2波、第3波を警戒しての経済活動の再開ですので、コロナ前の状態にすぐに戻ることは難しいでしょう。コロナが完全に収束するか、ワクチンや治療薬が出来てコロナを気にしなくてもよくなるまではコロナと共存しながら、日常を過ごしていく必要があります。その期間がどのくらいになるかは正確にはわかりませんが、ワクチンや治療薬の開発・普及を考えれば少なくとも1~2年くらいはかかると言われております。
コロナと共存していくウィズコロナ時代は、新しい日常生活、行動様式を受け入れていく必要があります。マスク着用や手洗いうがいをすることは容易にできますが、ソーシャルディスタンスをとる、大勢ではなく少人数で行動、できるだけ人と接触しないように、対面ではなく横並びで、食事中や交通機関では会話を控えるなど、今まで自然に行動していた人間的な部分を変えていかなければならないので慣れるのに時間がかかりそうです。
経済活動再開期待と過剰流動性によりマーケットは上昇
先月の世界のマーケットは、経済活動再開への期待と金融緩和による過剰流動性によって株価は上昇した一か月でした。 しかしながら、足元の経済指標や企業業績は非常に悪いものが出てきています。GDPや失業率、景況感は過去最大の落ち込みを示す結果が出ていたり、航空会社などで既に経営破綻した企業も出てきています。
このように、世界の実体経済はどん底の状態ですが、ロックダウン解除による経済活動再開でこれ以上悪くならない、これから良くなっていくという期待感が少し楽観的とも思えるほどです。各国政府によるかつてない規模の金融緩和と財政出動による下支えが株価と実体経済の乖離が広がっている要因だと考えられます。
半年先、1年先の回復を株価は先取りしているとも言えますが、感染第2波が来て再びロックダウン、緊急事態宣言となれば大きく調整して二番底をつける可能性も少なくないでしょう。過度に将来に対して悲観的になる必要はありませんが、株式市場と実体経済の乖離が足元で広がっているのは、リスク要因と認識しておく必要があると考えます。
新型コロナウイルスの感染拡大が世界各地に広がり始めて3ヶ月以上が経ちましたが、当初のパニック相場は落ち着き、マーケットは回復してきました。今回の新型コロナウイルスのパンデミックは、リーマンショックを超える戦後最大の危機と言われておりますが、毎日コロナ関連のニュースを見ていると、最初は大変な驚きや恐怖を感じましたが、不思議なことに最近では慣れてきたのか世界の感染者数や死亡者数のニュースを聞いてもそれほど驚かなくなってきています。
緊急事態宣言が解除されて経済活動は再開し、マーケットでは実体経済の悪化の底が見えてあとは良くなっていく期待感で上昇していますが、私達の生活への影響がボディブローのように出てくるのはむしろこれからだと思います。倒産、リストラによる雇用悪化、収入減少から景気はV字回復とはいかずにしばらく低迷するでしょう。
コロナと共存していく間は、今までの「7割経済」になるとも言われており、売上が減少する中で、企業はコストダウンを徹底し、個人は生活防衛をしながら乗り切っていく必要があるでしょう。
資産運用で成功する秘訣=継続は力なり
このような中において、長期で資産運用をしていく上で大切なことは、先行きが不透明な時でも、目標(ゴール)を見失わずにコツコツと継続していくことです。何のために資産運用しているのか、どのように資産運用するのか、自分の資産運用の目的と運用方針をもう一度再確認することが大切になります。
そして、目標に向かって世の中が良い時も悪い時も忍耐強く継続することが資産運用で成功するために必要なことです。変化のスピードが速い現代社会では、常に先行きは不透明であり、将来が見通せることの方が稀です。むしろ先行きが不透明だからこそ、将来のために長期・分散・積立投資で資産運用をする必要性があるのです。
例えば、40代の方で20~30年後の将来のために資産形成しているのであれば、新型コロナウイルスの影響があったとしても、積立投資で老後資産形成する目標は変わらないと思います。こういう時期でも短期的な相場動向に一喜一憂して惑わされずに継続していくことが資産運用で成功する秘訣です。まさに「継続は力なり」です。
質の高い成長企業を厳選して国際分散投資で資産成長を目指す
コロナと共存していくウィズコロナ時代、そしてコロナが収束したアフターコロナ時代には、コロナ前とは求められる企業やビジネス、サービス、競争環境が変わり、私たちの日常生活の行動様式などにも大きな変化があるかもしれません。
ありがとうファンドが投資先ファンドを通じて厳選投資している企業には、景気変動に左右されずに持続的成長を成し遂げていける長期的なビジネスモデルがあり、財務内容が優れているクオリティの高いテクノロジーやヘルスケア等のグロース銘柄が少なくありません。それらの企業は新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化の影響をあまり受けずに済んでおり、好調な企業業績を背景に良好なパフォーマンスを残しています。
世界経済は、IMFの見通しでは新型コロナウイルスの影響で今年度マイナス成長は避けられませんが、それでも中長期目線で見れば、世界経済は長期的な世界の人口増加とそれに伴う生産・消費の拡大を成長ドライバーに今後も成長していくと考えられています。
ありがとうファンドの運用方針は変わらず、引き続き短期的な相場変動に惑わされることなく、長期投資で世界経済及び企業利益の成長の恩恵を長期で享受できるように、幅広い国や地域の、景気変動に左右されず持続的に成長していける競争力のある長期的なビジネスモデルに裏付けられた質の高い企業に厳選投資しているファンドに国際分散投資をするとともに、リスクオフ局面、金利低下環境で相対的に価値向上が期待できる金(ゴールド)にも投資することでリスクを抑えながら安定したパフォーマンスの提供を目指してこれからも運用を行って参ります。
新型コロナウイルスとしばらく共存していくウィズコロナ時代を皆さまと乗り越えていけるように役職員一同、精進して参りますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
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