危機時の資産運用で大切なこと<月次レポート2020年4月より>
2020年04月03日(金)
皆さま、いつもありがとう投信をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。早いもので今年も4月になり新年度を迎えましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、皆さま不安な思いで日々を過ごされていることと思います。
先月は新型コロナウイルス感染拡大とともにマーケットは歴史的な乱高下をして大きく調整した1ヶ月でした。NYダウは1000ドル単位、日経平均株価は1000円単位で上下動するジェットコースターのような相場展開に、2008年のリーマンショックの金融危機時を思い出されたお客様も少なくなかったのではないでしょうか。
そのような中で、先月はスポット購入の買付件数が平常時の5倍以上になりました。また、定期積立サービスの金額増額や積立再開の申し込みをされるお客さまがたくさんいらっしゃいました。このような非常時においても将来のための資産運用を皆さまに継続していただけるのは大変有難いことです。この場を借りて感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
世界中に感染拡大する新型コロナウイルス
さて、中国武漢から感染拡大した新型コロナウイルスですが、その感染拡大は世界中に急速に広がっています。先月初めの時点では、韓国、イラン、イタリアでの感染拡大が広がっていましたが、その後、欧州各国で爆発的に感染が広まり、そして、現在の感染拡大の中心地は米国で、感染者数が世界一になるというように1ヶ月前には想像もできないくらい、日々目まぐるしく情勢が変わっています。
日本においては全国一斉休校による混乱と自粛ムード、東京五輪の開催をめぐる動きの中で日々状況が変化していましたが、新型コロナウイルス感染については、海外に比べて相対的に感染者が少なく、3連休の頃には自粛ムードも緩んで来ていましたが、東京五輪延期決定後、月末にかけて国内感染者数が東京を中心に急増してきており、緊急事態宣言を出す瀬戸際の予断を許さない状況になってきています。
そのような中で、各国とも金融政策から財政政策まで前例のない規模でマーケットや経済への影響を最小限に抑えるべく対策を次々と打ち出して、マーケットをなんとか一旦小康状態に落ち着かせていますが、欧米では都市封鎖を実施し、新型コロナウイルスとのまさに戦争状態になっており、実体経済へ与える影響は当初考えられていた以上に落ち込む可能性もあり、引き続きボラティリティの高い相場展開の中、二番底を探る動きが予想されています。
日本においても対岸の火事ではなく、新型コロナウイルス感染拡大の収束までに長期戦を覚悟しなければいけない状況になる中、実体経済への深刻な影響が懸念されています。景気後退が長引き、企業業績がさらに悪化すれば、雇用や生産、消費にも大きな影響を与えることになるでしょう。
今回のコロナ危機は、世界的な感染拡大をいかに防ぎ収束させていくかが大切で、世界中の人の命がかかわってくる問題ですが、難しいのは感染拡大を防止しようと対策を強化していくと経済活動であるヒト・モノ・カネの流れを世界中で止めていかなければならず、やり過ぎてしまえば世界中の経済活動がストップしてしまい経済的に生活できなくなってしまう人が大量に発生してしまうというトレードオフの関係にあることです。
リーマンショックなど従来の危機との根本的な違いはそこにあり、新型コロナウイルス感染拡大の収束見通しが見えてくるまでは、景気や企業業績の本格的な回復は見通しにくいでしょう。
危機時の資産運用で大切なこと
このような危機の時において資産運用で大切なことは、①相場動向に一喜一憂しないこと、②将来に対して過度に悲観的にならないこと、③資産運用の目的と運用方針を再確認して、目標に向かってブレずに忍耐強く継続していくことです。
まずは冷静になることです。リスク許容度が変わらなければ、短期的な相場動向に一喜一憂せずにそのまま資産運用を継続していくことが大切です。冷静さを失って換金する予定でなかったのにパニックになって売却してしまったり、一旦利益確定して相場が落ち着いて回復してきたらまた投資しようとしたりする行動は、人間の感情や心理としてはよく理解できますが、リーマンショックの金融危機時と同様に、ここで止めるか続けるかで将来の運用成果に大きな差がつくことになり、せっかくここまで資産運用を続けてきたことが台無しになってしまいます。
逆に、マーケットが大きく調整している時期は、例えるならバーゲンセール期間中のようなものなので、もし余裕資金があれば追加投資を検討してもよいかもしれません。
また、こういう時期は、実体経済が悪くなってきますので、景気や企業業績、雇用の悪化、売上減少による倒産など悪いニュースしか流れなくなりますが、過度に悲観的にならず中長期目線で考えていくことが大切です。新型コロナウイルス感染拡大のピークと収束時期は2~3か月後かもしれませんし、半年以上先、もしかしたら1年以上かかるかもしれず、現時点で見通しはわかりませんが、いつか収束したタイミングでは、下がり過ぎたものは反発して適正な価格水準に回復してくるでしょう。
株式市場は、今までにショックや危機と言われるものを幾度となく乗り越えてきました。そして、その度に大きな下落から回復してきました。今回のような危機は毎年起こるわけではありませんが、長期の資産運用をしていく中では起こりうるものです。将来のための長期の資産運用の時間軸で考えれば、今回のコロナ危機も一時期の出来事として振り返られることでしょう。
この機会に改めて、何のために資産運用しているのか、どのように資産運用するのか、自分の資産運用の目的と運用方針をもう一度再確認していただき、目標に向かってコツコツと忍耐強く継続していくことが資産運用で成功するためにはとても大切になります。
短期的な相場変動に惑わされず国際分散投資を継続
世界経済の成長は、新型コロナウイルス感染拡大が収束するまでは短期的には大きく落ち込み、予想以上に下振れするリスクも少なくありませんが、それでも中長期の目線で見れば、世界経済は長期的な世界の人口増加とそれに伴う生産・消費の拡大を成長ドライバーに今後も成長していくと考えられています。
ありがとうファンドでは、引き続き短期的な相場変動に惑わされることなく、長期投資で世界経済及び企業利益の成長の恩恵を長期で享受できるように、幅広い国や地域の質の高い企業に厳選投資しているファンドに国際分散投資をするとともに、リスクオフ局面、金利低下環境で相対的に価値向上が期待できる金(ゴールド)にも投資することでリスクを抑えながら安定したパフォーマンスの提供を目指してこれからも運用を行って参ります。
先行き不透明な状況がしばらく続きそうですが、引き続きお客様の資産運用を一生涯サポートできるように、役職員一同、精進して参りますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ありがとう投信株式会社
代表取締役社長 長谷俊介
関連記事
| 社長メッセージTOPへもどる |